2015.5.28

40歳を過ぎたら必ず受けたい“メタボ検診”

メタボ検診は義務化されていた!

メタボリックシンドローム
メタボ検診とは、正式には「特定健康診査・特定保険指導」という名称がつけられている。対象となっているのは、40~74歳までの公的医療保険加入者である。あまり知られていないが、2008年から開始されたメタボ検診は、対象者の受診を義務付けている。ただし、義務を課されているのは、各自治体や健康保険組合などであり、保険加入者がペナルティを受けることはない。

これほどまでに、国が強力に受診を勧める背景には、それなりの理由がある。メタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳卒中、それから狭心症といった致死的な疾患を引き起こす、明らかなリスク因子であるからだ。こうしたハイリスクな状態を脱してもらうために、検診及び保健指導を実施するのである。

詳しく知ろう! 検査内容と基準値について

メタボ検診では、腹囲、BMI、血糖値、血圧、血液中の中性脂肪値を測定する。それぞれ正常範囲が設定されており、逸脱した値は該当項目としてチェックされる。

具体的には、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上、BMIは25以上、空腹時血糖値が100mg/dl以上、中性脂肪が150mg/dl以上、収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上で、正常値を逸脱したものと判断される。

そして、該当項目の数に応じて、特定保健指導の対象となるかどうかが決まることとなる。ちなみに、腹囲およびBMIが異常値を示していただけでは、特定保健指導の対象とはならない。これらに加えて、その他の項目が該当することで初めて、特定保健指導の対象となるのだ。

保健指導には、「動機付け支援」と「積極的支援」の2種類がある。動機付け支援は、医師や保健師の指導を原則1回受けることとなる。一方、積極的支援は、3ヶ月以上の継続的な支援を受けることとなる。

メタボ検診を無料で実施している自治体もある

メタボ検診の費用は、基本的に自己負担となる。ただ、無料で実施している自治体もあり、自己負担額には幅がある。と言っても、3000円以内の負担で済むことがほとんどだ。この程度の負担で、自身の健康状態や生活習慣を見直すきっかけが与えられるのである。それだけ、国や地方自治体は、国民や市民のメタボに危機感を抱いていると言える。

小坂 英和(こさか ひでかず)
この記事の監修ドクター
こさか内科・内視鏡内科 院長
医学博士(神戸大学)/日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化管学会 胃腸科専門医/日本リウマチ学会 リウマチ専門医/日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医

Colorda編集部