2015.5.25

人間ドックを受診してはいけない人とは

検査内容によっては、受診不可能な人がいる

人間ドック NG
人間ドックは誰もが受診できるが、検査内容によっては制限をかけられていることがある。

例えば、MRIやMRAを使用して検査する脳ドック。強力な磁気の機械の中に入り、電磁波により体の断面を検査するため、電磁波に反応してしまう金属が体内に入っている人は検査することができない。具体的には、心臓ペースメーカーを入れている人や、手術により頭部に金属クリップをいれている人、金属製のインプラントやブリッッジを入れている人などが挙げられる。インプラントをしている人でも、最近の主流であるチタン製インプラントの場合は検査が可能なので、脳ドックを受ける前に、材質を確認しておく必要がある。

また、刺青やアートメイクもNGだ。使用している顔料の中に、微量の金属が含まれている場合が多く、これと電磁波が反応して、熱を持ち火傷を起こす、または変色する可能性があるためだ。

そのほかにも、狭い筒状の検査機器に長時間入らなければならないため、狭所恐怖症の人が受ける場合は注意が必要だ。

体質によっても受けられない検査がある。麻酔でアレルギー症状を起こす可能性がある人は、胃カメラなどの内視鏡検査が受けられない。

妊娠中、生理中の女性は控えた方が無難

また、女性の場合、妊娠中は胎児への安全性を考慮し、MRIはもちろん、X線を使用するCTスキャン・マンモグラフィを使用する検査は控えたほうがよい。乳がんを調べる場合、エコー検査を受けることは可能だ。ただし、妊娠中や授乳中は乳腺が発達しているため、正確な画像診断ができない可能性が高いため、やはりこの時期の検査はおすすめできない。ほかにも、生理中は尿検査および便検査に血液反応への影響が見られるので受けることができないど制限がある。

人間ドックを受ける際は、自分の体質を医師に正確に伝えること、また、過去に手術経験やインプラント手術を受けたことがある人は、担当医師に体内に金属を含む部品が入っていないかを確認し、検査内容を判断する必要がある。

小坂 英和(こさか ひでかず)
この記事の監修ドクター
こさか内科・内視鏡内科 院長
医学博士(神戸大学)/日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化管学会 胃腸科専門医/日本リウマチ学会 リウマチ専門医/日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医

Colorda編集部