2015.6.1
エコー検査

音を当てるだけで、がんの大きさまでわかるエコー検査

不快な音も被曝もない検査方法

エコー検査
エコー検査とは、正式には超音波検査と呼ばれている。その名の通り「超音波」という音を利用した検査法であるため、被曝する恐れがない。また、熱を照射したり、組織や物を破壊したりすることもない。

ただ、「音」と聞くと、MRIのような不快な音を想像してしまうが、超音波の場合、ほぼ無音に近い。なぜなら超音波は、耳で聞き取れる周波数より遥かに高いからだ。そのためエコー検査は、心身ともにストレスの小さい検査方法であると言える。

腫瘍の大きさや深達度までわかる!

エコー検査では、経皮的に超音波を放射することで、臓器の異常を調べることができる。正常な臓器には、それぞれ固有の反射パターンがあるため、炎症や結石、それから腫瘍などの病変があれば、異常なパターンとして検出することができるのである。

具体的には、超音波による反射波を解析し、画像化する機能がエコー検査にはある。その結果、腫瘍の有無やサイズ、それからどのくらいまで深く到達しているかも見極めることができるのだ。

また、エコー検査の特徴として、体内の状況をリアルタイムで把握できるという点を挙げることができる。これは被曝や火傷のリスクがない、侵襲性の低い検査法だからこそ可能と言えるだろう。

肝臓がんや胆石の早期発見に寄与する

臨床で最も活用されているエコーは、腹部超音波検査である。つまり、腹部に存在している肝臓や腎臓、胆嚢、それから前立腺や子宮といった臓器を調べることができる。中でも特に、肝臓がんや胆石の早期発見には高い効果を発揮する。どちらも発症初期には、自覚症状が乏しいため、エコー検査でたまたま発見されることが多い。その他、超音波を当てることで、膵臓がんや腹部大動脈瘤といった大きな病変も発見されることがある。

このようにエコー検査というのは、腹部を中心とした臓器の異常を発見する上で、非常に有用なツールであると言える。それだけなく、妊婦でも受けることのできる、極めてリスクの低い検査方法なのである。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

Colorda編集部