2017.2.9
大酒飲みが受けたい人間ドック

毎日お酒を飲んでいる人や大酒飲みが受けたい人間ドック

多量飲酒のリスクとは?

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国立がん研究センターの予防研究グループが1990年頃、73,000人を対象に行った調査によると、ほぼ毎日飲酒をしている人は、男性が70%、女性は12%。その後、約10年間にわたり追跡調査を行った結果、飲酒とがんの発生率の関連性が明らかになった(※1)。

1日のアルコール摂取量が日本酒に換算して平均2~3合飲酒する人は、「時々飲む」という人と比べて1.4倍、3合以上であれば1.6倍、がんが発生しやすくなることがわかった。がん以外にも、飲酒によって高血圧や脂質異常症などの生活習慣病、それから脳出血のリスクも高まることが知られている。

大酒飲みが注意すべき病気と受けたい検査

統計データにより、飲酒とがんの因果関係が明らかになっているため、1日平均2合以上お酒を飲む習慣がある人は、人間ドックでがん検査を受けておくことが望ましい。アルコールで誘発されるがんは、口腔からはじまり大腸に至るまでの消化管に集中している。

それに加えて、アルコールを分解する肝臓でもがんが発生しやすくなっている。そのため、各臓器に適した検査を受ける必要がある。胃がんが疑われれば胃カメラで検査を行い、大腸がんであれば大腸内視鏡検査を行うほか、必要であれば、CTやMRIなどを用いた精密検査を実施する。

また、生活習慣病に関しては、血圧測定や血液検査などが基本の検査だ。

適度に飲めば健康に寄与! 自分に合った飲酒量を見つけよう

飲酒の習慣が絶対的な悪というわけではない。国立がんセンターの調査によると、「時々飲む」と回答した人と「飲まない」と回答した人とでは、後者の方が、数値にすると1.1倍で、発がん率が高かったのだ。酒は百薬の長ということわざがある通り、適切な量であれば健康に寄与すると考えられる。

もちろん、アルコール分解能というのは、それぞれの肝機能に依存している。そのため、定期的に検診を受けながら、自分に合った飲酒量を模索していくことが望ましいといえる。

※1 国立がん研究センター「飲酒とがん全体の発生率との関係について」


Colorda編集部