2017.2.16
頭痛持ちが受けたい検査

頭痛の裏には病気が潜む!? 頭痛持ちが受けたい検査

危険度の高い「二次性頭痛」に要注意


痛みの質や頻度、持続時間は違えど、誰にでも起こりうる頭痛。現代人は慢性的な頭痛に悩まされている人も多い。まさに現代病とも言える頭痛だが、その背後に重病が隠れている可能性もあるため注意が必要だ。

頭痛は「一次性」と「二次性」に分類できる。一次性は、いわゆる片頭痛や緊張型頭痛が含まれ、この種の頭痛であれば早急な対応は求められない。危険なのは二次性頭痛である。二次性頭痛は、なんらかの疾患が原因で起こる頭痛のことで、激しい痛みが伴い、ときには命を落とすこともあり得るのだ。

二次性頭痛が疑われる症状と疾患

突然の頭痛や、頻度や痛みが増していく頭痛、経験したことのない頭痛や、身体にしびれや麻痺などを伴うような頭痛は要注意。二次性頭痛の可能性が高い。くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍、脳梗塞、髄膜炎などの疾患が疑われる。

激しい痛みには要注意! 精密検査でわかる脳の異常

頭痛によって日常生活に支障をきたしている場合は、まず早急に医療施設で診察を受けてほしい。問診では、頭痛が発生した時期、持続時間、頻度、部位、それから痛みの性質について問われる。

交通事故など、痛みの発生原因が特定できたり、「生まれて初めて経験する」ような激しい痛みを伴ったりする場合は、二次性頭痛の可能性が高い。すぐにCTやMRIで頭部の画像診断を行う必要がある。脳挫傷やクモ膜下出血、硬膜下出血などが疑われるため、画像によって出血の有無や血管の損傷を確認する。

頭痛の原因に心当たりがない場合でも、強い痛みを発しているケースでは、脳腫瘍や髄膜炎の可能性も考えられる。こちらも画像診断や血液検査を組み合わせることによって、腫瘍や感染の有無を確認することができる。これは血液中の抗原や抗体、炎症性物質や腫瘍マーカーが診断の材料となる。

一次性頭痛は地道に原因を究明していく

精密検査によって、脳に異常が見られず原因が特定できない場合は、一次性頭痛の病因を探っていく。

一次性頭痛は、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発型頭痛」などに分けられ、それぞれ頭痛の現れ方や原因が異なっている。なかには、服用している薬剤や食品が頭痛の原因となっているケースもあるため、生活習慣なども細かく振り返る必要がある。治療もそれぞれのケースで異なってくる。鎮痛剤で対応する場合もあれば、服用している薬剤を変更することで頭痛が治まることもある。

このように、頭痛の原因は実にさまざまであり、患者自身で特定することは難しい。それだけに、医療機関で検査を受けることが望ましい。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部