2018.7.19

PET検査を受けたほうがよい人とは?【はじめてのPET検査 vol.5】

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

PET検査とは?


PET(ペット)検査とは、ブドウ糖を多量に消費するというがんの性質を利用し、ブドウ糖に類似した薬剤「18F-FDG」を投与することで、がんをマーキングし可視化する検査だ。「18F-FDG」とは、ブドウ糖に似ている「FDG(フルオロデオキシグルコース)」という物質に、目印の役割を果たす放射線を発するフッ素「18F(フッ素18)」をつけたもので、今までの検査では見つけられなかった小さながんも見つけられ、病変の早期発見に役立つとして、PET検査は注目されている。詳しくは、『PET(ペット)検査とは? 【はじめてのPET検査 vol.1】』をチェックしてほしい。

では、どんな人がPET検査を受けるとよいのだろうか? 年齢や体質、生活習慣などで見てみよう。

40歳を超えたら検討を! がんの罹患率は40歳以上で顕著に高まる

男性は40代から、女性は30代からがんに注意が必要だ。厚生労働省が発表している死因順位によると、男性45歳〜89歳、女性35歳〜89歳の死因第一位は悪性新生物だ(※1)。40代男性が気をつけたいがんは、大腸がん(結腸がん、直腸がん含む)、胃がん、腎・尿路がん、肺がん、悪性リンパ腫がある(※2)。また、30代女性が気をつけたいがんは、子宮がん、とくに子宮頸がん、乳がんなどの女性特有のがんだ。そのほか、大腸がん、胃がんにも気をつけたい。血液検査や、各部位の専門ドックなどでがんのリスクを定期的にチェックすることも大切だが、40歳を超えたら一度、PET検査で全身のがんをスクリーニングすることを検討してほしい。

家族にがん罹患者がいる人も検討を! がんの発症には遺伝的要因も影響する

がんは遺伝に左右される部分が多い疾患であり、家系にがんの罹患者がいる人は要注意だ。最近では、遺伝情報を元に治療を行う「がんゲノム医療」が普及しつつある(※3)。厚労省は今年の2月14日に、がんゲノム医療の中核病院の選定を行い、3月には連携病院100施設を公表した(※4)。もちろん、家族内にがん患者がいるからといって、当人も必ず発がんするわけではないが、大なり小なりリスクが高まっていることは確かといえる。とりわけPETは肺がんや甲状腺がん、悪性リンパ腫、子宮がんや卵巣がんなどの検出に長けた検査であるため、これらのがんのリスクが高まっている人はぜひとも受けておきたい。

喫煙者は要注意! 生活習慣の乱れは病のもと

がんの発症は、年齢や遺伝的要因だけでなく、生活習慣にも大きな影響を受ける。例えば喫煙だ。厚生労働省による2016年の報告によると、肺がんをはじめとした多くのがんと喫煙は関連があるとしている(※5)。具体的には、肺がん、肝がん、胃がん、食道がんなどは、喫煙との関連が確実であると判断された。それだけに、喫煙習慣がある人はPET検査を受けておきたい。

そのほか、過度な飲酒は肝臓へ、暴飲暴食といった食習慣は食道や胃などへと大きな負担がかかるため、臓器の異常を引き起こしやすい。このように、生活習慣全般が乱れているケースも、PET検査を受けたほうがよい人といえる。

※1 厚生労働省 人口動態統計年報 主要統計表(最新データ、年次推移)  第8表 死亡 死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合
※2 国立がん研究センター がん情報サービス 統計 がんに関する統計データのダウンロード  2. 罹患データ(全国推計値)
※3 国立がん研究センター「がんのゲノム医療 がん研究」
※4 厚生労働省 「第1回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」
※5 厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(2016年)


Colorda編集部