2017.6.15
がんの5年生存率

5年生存率からみる、早期発見したいがんとその検査方法

5年生存率とは


5年生存率とは、医療機関でがんと診断されてから5年後に生存している患者の割合を示す。一般的にがんは、治療を施してから5年経過しても再発しなければ治癒とみなされる。そこで5年という期間が生存率の目安に適応されているのだ。国立がん研究センターではこの5年生存率に加え、10年生存率についても調査を行い、その結果を公表している。

がん全体の5年生存率は69.4%

国立研究開発法人国立がん研究センターが2017年2月に発表した結果によると、2006年から2008年に診断治療を行った症例の集計から割り出した5年生存率は69.4%、2000年から2003年に診断治療を行った症例の集計調査から割り出した10年生存率は58.5%だ。ただし、これはあくまで平均の値であって、がんの進行度を表すステージや部位によって、5年生存率が極端に低いケースもある。

ステージ別で全がんの5年生存率を見ると、早期発見の「ステージⅠ」と全身への転移などが起こる「ステージⅣ」では数字に大きな開きがある。たとえば、日本人の死亡数が多い肺がんの場合、ステージ1の5年生存率は83.8%、ステージⅡで50.1%、ステージⅢで22.4%、ステージⅣだと4.8%まで下がる。

5年生存率が低い膵臓がんと肺がん

部位別で5年生存率をみると、膵臓がんはステージⅠでも41.2%と低く、ステージⅣになると1.4%になる。これは膵臓がんの進行がそのほかのがんと比較して非常に早いことが関係している。

また肺がんの一種である小細胞がんの5年生存率は、ステージⅠでは62.1%だが、ステージⅡで37.8%まで下がり、ステージⅣでは2.8%と非常に低い値となっている。これも膵臓がんと同様、病態の進行の早さが強く関連しているといえる。こうした5年生存率の低いがんは、進行が早く重症化もしやすいため、早期発見がとくに重要な疾患といえる。

膵臓がんと肺がんの検査方法

まずは定期的に人間ドックなどで、腫瘍マーカーをチェックする血液検査を行うことをおすすめする。膵臓がんの場合は、血液検査で「膵酵素」が高値を示し、「CA19-9」のような腫瘍マーカーで陽性反応が現れる。次に、腹部超音波検査や腹部造影CTなどの精密検査を行い、確定診断が下される。

小細胞がんの場合、血液検査で「NSE」や「pro-GRP」といった腫瘍マーカーが陽性になる。その場合、胸部エックス線検査で肺の内側面の中央部分にある肺門のリンパ節が腫れていないか、中枢側の腫瘍ができていないかを確認し、確定診断が下される。

がんは早期発見できるかが、その後の生活の質を左右する。5年生存率の低いがんはもちろん、そのほかのがんを発見するためにも、定期的な検査が重要になってくる。


Colorda編集部