アルブミン(ALB)検査
アルブミン(ALB)とは?
血液検査におけるアルブミン(ALB)とは、採血をして血液中のアルブミン(ALB)の量を測定するものです。
アルブミン(ALB)を調べる目的
アルブミン(ALB)は血漿に含まれる最も多いタンパク質で、肝臓でつくられています。そのため血液検査でアルブミン(ALB)を調べることで、肝機能が正常に働いているかを知ることができます。身体の栄養状態が悪くなるとアルブミン(ALB)が低下することから、栄養状態の指標として用いられることもあります。ネフローゼ症候群など、病気の診断としても役立ちます。ネフローゼ症候群とは、身体のタンパク質が尿中に排出され、血液中のタンパク質が低下してしまう病気です。
アルブミン(ALB)の血液検査で見つけられる病気
血液検査でアルブミン(ALB)数値を調べることは、次のような病気の診断に役立てることができます。
●肝障害
●ネフローゼ症候群
●栄養不足 など
アルブミン(ALB)の結果数値の見方
血液検査におけるアルブミン(ALB)の基準値は、3.9以上g/dL(グラムパーデシリットル)です(日本人間ドック学会より)。基準値より低い場合には、肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などが疑われます。
アルブミン(ALB)の血液検査の長所/短所
アルブミン(ALB)の血液検査の長所は、採血で手軽に調べることができるところです。採血量は少量で、採血時間も10分程で済みます。検査の結果も、医療施設にもよりますが1時間程で分かるようになっています。
短所は、針を刺すことによって、多少の苦痛を感じる場合があるところです。人によって極度の緊張などから、顔面蒼白、冷や汗、吐き気、意識消失などを起こしてしまうことがあります(「迷走神経反射」と呼ばれているものです)。採血で気分が悪くなったことがある方は、あらかじめ医療スタッフに伝えておきましょう。横になって採血をするなどの対応をとってもらうことができます。
まれにですが、針先が体の神経に触れて神経損傷を起こしてしまうことがあります。ピリッとした痛み、しびれ、違和感がある時には、医療スタッフに申し出てください。これらの症状は、2~3ヶ月すると自然に治まることが多くなっています。
採血部位が内出血することもありますが、数日で自然に治ります。採血で使用するアルコール綿やゴム手袋によって、アレルギー反応を起こしてしまう人もいます。アルコールでアレルギーが出る人は、医療スタッフに相談してください。アルコール以外の消毒液を使用することも可能です。
アルブミン(ALB)の血液検査の流れ
アルブミン(ALB)の数値を調べる血液検査では、採血を行います。採血部位として選ばれることの多い、腕からの採血の流れについてご説明します。
1.ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2.上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3.アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4.シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く
(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5.注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6.完全に止血したら、絆創膏を剥がす。
人間ドックが受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)