健康診断と検診と人間ドックの違いって何?
健康診断は法的義務があり、検診や人間ドックには法的義務がありません。
会社や学校などに所属している場合は必須
健康診断は会社や学校などに所属していれば、必ず行わなければいけません。労働安全衛生法では、企業は労働者に対して年に1回、定期検診を行うことを義務付けています。また、「労働者は健康診断を受けなければいけない」と明記されています。学校でいえば、学校保健安全法で「健康診断を受けなければいけない」と明記されています。
個人事業主や専業主婦の場合、法律で規制されていません。しかし、自治体で実施している健康診断を受診することができます。内容や料金は各自治体によって異なりますが、ワンコインや無料で受けられる検査もあります。
その一方で、検診や人間ドックは個人の判断で行うことができます。検診とは、がんや脳梗塞など、特定の疾患にかかっているかを調べることをいいます。代表的なのは、がん検診や肝炎ウイルス検診です。
また、人間ドックは健康診断をベースに、もう少し身体の詳しいところまで調べたい、という人に向いています。
健康診断と人間ドックの違いは?
健康診断も人間ドックも「身体の健康状態を調べて、疾患の早期発見」を目的にしています。この2つの違いをあげるならば、「検査項目」と「費用」です。健康診断で検査する項目は、以下のものが一般的です。
■健康診断の検査項目
それに比べ、人間ドックでは以下の範囲で検査します。
■基本的な人間ドックの検査項目
さらに、オプションとしてPET検査や脳ドック(脳CT検査や脳MRI検査)を行うことも可能です。健康診断はどこで受診しても同じような検査項目を検査しますが、人間ドックの場合は受診する医療機関によって、検査項目が変わるのも特徴です。
費用の補助が出る場合
<健康診断>
企業に勤めている人や、学校に就学している人は原則として無料で健康診断を行えます。しかし、個人事業主や専業主婦(夫)の場合は健康診断を自主的に受ける必要があるため、一部負担金を支払うこともあります。たとえば、自治体などが実施している健康診断を受けると無料またはごく僅かの自己負担金で済みます。
<検診>
検診は自治体が実施している場合、無料で受けられることが多いです。また、個人で自主的に受診する場合でも、加盟している健康保険組合から助成金が出ることがあります。
<人間ドック>
人間ドックを受診する場合は原則として、自己負担で行います。しかし、加盟している保険組合によっては補助金や助成金が交付されることもあります。また、自治体によって助成金を設定していることもあります。
関連記事
人間ドックの費用ー費用補助・安く受ける方法を紹介
【初心者向け】人間ドックのおすすめの選び方(検査項目・病院)
【初心者向け】人間ドックのおすすめの選び方(検査項目・病院)健康診断と人間ドックの違い一覧表 – 「検査項目×発見できる病気」も一目でわかる
人間ドックが受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)