人間ドック

健康診断と人間ドックの違い一覧表 ― 「検査項目×発見できる病気」も一目でわかる

健康診断と人間ドックの違い 人間ドック
上昌広
こちらの記事の監修医師

東京大学医学部卒医学博士。特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)

健康診断だけでは不安な方におすすめしたいのが、多角的かつ専門的に病気の発症リスクを調べられる人間ドックです。健康診断と人間ドックの違い、検査項目ごとの発見できる病気、人間ドックを受ける際の検査の選び方などを紹介します。

★こんな人に読んでほしい!
・健康診断と人間ドックの違いがわからない方
・人間ドックでわかる病気を知りたい方
・健康診断と人間ドックのどちらを受けるか迷っている方

★この記事のポイント
・健康診断と人間ドックでは検査項目数が違うため、身体を詳しく調べたいなら人間ドックがおすすめ
・人間ドックでは、CTやMRIといった専門的な検査も受診できる
・人間ドックには定期健康診断等の必須検査項目が含まれているため、同年度に両方受ける必要はない
・人間ドックは、ライフステージが変化しやすい30代から検討しよう

健康診断と人間ドックの最大の違いとは

そもそも健康診断とは?

健康診断とは、自覚症状がない方を対象に、身体の状態をおおまかに確認するプログラムのことです。健康診断は、各法律に基づき実施される「法定健診」と、個人が自分の意思で受ける「任意健診」に大別され、前者は会社の年1回の定期健康診断や自治体が実施する特定健診(特定健康診査)など、後者は人間ドックなどがあります*1

法定健診任意健診
・定期健康診断
・雇入時健康診断
・特定健診
・学校健康診断
など
・人間ドック
・医療施設が自由診療で行う健康診断
など

なお、「健康診断」は一般的に法定健診のいずれかを指す言葉として使われるケースが多いため、本記事では以降、「健康診断」は法定健診(おもに定期健康診断)を指すものとします。

健康診断と人間ドックの違い

法律に基づき実施される健康診断と人間ドックの大きな違いは「検査項目数」と「費用」です。端的にまとめると、健康診断と比較すると、人間ドックのほうが検査項目数が多く身体の状態をより詳しく調べられるが、自由診療であり全額自己負担のため費用がかかる、ということです。下記で詳しく解説します。

検査項目数

法定健診は健康診断の種類ごとに検査項目が決まっています。たとえば、定期健康診断の検査項目は11種類20項目程度(医師の判断によって省略可の項目あり)です*2人間ドックの場合、メニューは医療施設が自由に設定できるため検査項目はさまざまですが、人間ドック専門医や施設の認定等を行う「日本人間ドック・予防医療学会」では、人間ドックの基本検査項目として8区分(種類)50項目程度を定めています*3。検査項目数の違いと、検査によって発見されることがある病気については「検査項目の違いと検査で発見できる病気」の表をご覧ください。

費用

法定健診は基本的に無料または安価です。定期健康診断の場合は企業が費用を負担するため、従業員は基本的に自己負担なしで受診できます(オプション費用等を除く)。人間ドックは自由診療のため、基本的に全額自己負担です。ただし、加入している健康保険組合等やお住まいの自治体によっては、費用補助・助成などを行っている場合があります。各自治体の人間ドック補助・助成など、健康への取り組みのまとめはこちらからご覧いただけます。

健康診断と人間ドックの比較表

そのほか、定期健康診断と人間ドックの違いについて下表にまとめました。

定期健康診断人間ドック
特徴身体の健康状態を
大まかにチェックする
身体の健康状態を
詳しく総合的にチェックする
検査項目数11種類20項目程度8区分(種類)50項目程度※
病気の早期発見早期発見できる病気もある健康診断よりも早期発見できる病気が多い
費用企業負担のため原則無料
(オプション検査費用等を除く)
全額自己負担
・スタンダードな人間ドック:3〜5万円
・脳ドック:1.5〜5万円
※健康保険組合や自治体によっては
助成金・補助制度あり
検査結果後日結果書類を郵送プランによってさまざま
・医師から直接結果説明がある
・Web上で確認
・後日結果書類郵送
など
受診する
医療施設
健康保険組合等が指定する
医療施設から選ぶ
人間ドックを行っている医療施設から
自由に選ぶ
補足健康保険組合等によっては、
定められた検査項目以外の
検査を付加できる場合がある
CTやMRIなど、健康診断では
実施されない専門的な検査も選択可能
※日本人間ドック・予防医療学会が定める基本検査項目*3の場合

人間ドックの費用や安く受ける方法は下記記事をご覧ください。

じつは健康診断とは別もの、「検診」とは?

健康診断は略して「健診」と表記することがあり、この健診と混同されやすいものに「検診」があります。検診とは、特定の病気について調べる検査のことで、代表的なものが「がん検診」です*4。自治体が実施するがん検診では、厚生労働省の指針に基づき胃がん・子宮(頸)がん・肺がん・乳がん・大腸がんの5つの検診が行われます*5。胃がんであれば胃X線(バリウム)検査や胃内視鏡(胃カメラ)検査、子宮頸がんは子宮頸部細胞診といったように、部位ごとに適した検査により病気の疑いがあるかどうかを調べます。

自治体によるがん検診は基本的に安価または無料で受けられます。また、定期健康診断に含まれていたり付加したりできる場合や、人間ドックのプランに組み込まれている場合もあります。

人間ドックとがん検診の違いは下記記事で詳しく解説しています。

健康診断と人間ドックの「検査項目」と検査でわかる病気一覧

検査項目の違いと検査で発見できる病気

定期健康診断の検査項目と、人間ドックの基本検査項目を一覧表にまとめました*2,*3。また、検査項目ごとにその検査によって発見されることがある病気も紹介しています。なお、定期健康診断では、年齢など一定の条件をもとに医師判断で省略される項目があり、該当項目には(※)を付記しています。

区分検査項目定期
健康診断
人間
ドック
発見できる病気
身体測定肥満度・BMI×肥満など
腹囲○(※)肥満、メタボリック
シンドロームなど
循環器検査血圧測定脳梗塞、脳出血、狭心症、
心不全、糖尿病、高脂血症、
心膜症など
心電図検査○(※)不整脈、狭心症、心筋梗塞、
心肥大など
心拍数測定×発熱、貧血、甲状腺機能亢進症、
不整脈、脳圧亢進、
甲状腺機能低下症など
眼底検査×白内障、網膜剥離、眼底出血、
糖尿病性網膜剥離、加齢黄斑変性症など
眼圧検査×網膜剥離、虹彩毛様体炎、緑内障、
高眼圧症など
視力検査近視、遠視、乱視など
聴力聴力検査滲出性中耳炎、耳管狭窄、
老人性難聴、メニエール病など
呼吸器呼吸機能×COPD、喘息、肺気腫、気管支喘息、
肺炎、結核、肺線維症など
喀痰細胞診○(※)×肺がん、咽頭がん、喉頭がん、
気管支炎、肺炎、肺結核など
胸部X線
(レントゲン)
○(※)肺炎、肺結核、心臓肥大、肺がん、
肺気腫、気管支拡張症など
胃部上部消化管X線
(バリウム)
×食道・胃・十二指腸のがん、
ポリープ、潰瘍など
腹部腹部超音波検査×肝臓がん、肝硬変、脂肪肝、
胆のうがんすい臓がん、腎臓がん、
胆石、ポリープ、慢性肝炎、
脾腫、水腎など
血液検査
【肝機能】
総蛋白×栄養障害、ネフローゼ症候群、がん、
多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水など
アルブミン×肝臓障害、栄養不足、
ネフローゼ症候群など
総ビリルビン×肝機能障害、肝硬変、脂肪肝、
肝臓がん、胆管結石、胆のう炎など
AST(GOT)○(※)急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、
肝臓がん、アルコール性肝炎、
心筋梗塞、筋肉疾患など
ALT(GPT)○(※)急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、
肝臓がん、アルコール性肝炎など
γ-GTP○(※)急性肝炎、慢性肝炎、
アルコール性肝障害、
肝硬変、肝がん、脂肪肝など
ALP×胆道・肝臓の疾患、骨のがん
血液検査
【腎臓】
クレアチニン×腎臓の機能低下
eGFR
(推算糸球体濾過量)
×腎臓の機能低下
血液検査
【脂質】
総コレステロール×脂質異常症、動脈硬化、
甲状腺機能低下症、栄養吸収障害、
ネフローゼ症候群など
HDLコレステロール○(※)脂質代謝異常、動脈硬化など
LDLコレステロール○(※)動脈硬化など
Non-HDLコレステロール×動脈硬化、脂質代謝異常、
甲状腺機能低下症、栄養吸収障害、
肝硬変、低Bリポたんぱく血症など
中性脂肪○(※)動脈硬化、低Bリポたんぱく血症、
低栄養など
血液検査
【代謝】
尿酸×高尿酸血症、痛風など
血糖○(※)糖尿病、すい臓がん、
ホルモン異常など
HbA1c×糖尿病の状態
血液検査
【血液一般】
赤血球○(※)多血症、貧血など
白血球×細菌感染症、炎症、腫瘍、
ウイルス感染症、薬物アレルギー、
再生不良性貧血など
血色素○(※)鉄欠乏性貧血など
ヘマトクリット×鉄欠乏性貧血、多血症、脱水など
MCV×ビタミンB12欠乏性貧血、
葉酸欠乏性貧血、過剰飲食、
鉄欠乏性貧血、慢性炎症など
MCH×鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、
腎性貧血など
MCHC×鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、
腎性貧血など
血小板数×血小板血症、鉄欠乏性貧血、
再生不良性貧血、
突発性血小板減少性紫斑病、
肝硬変など
CRP×細菌・ウイルス感染、炎症、がんなど
血液型×血液型の種類
HBs抗原×B型肝炎
尿尿糖・尿蛋白糖尿病、甲状腺機能亢進症、
腎不全、尿路結石、膀胱炎、
糸球体腎炎、脱水など
沈査×糸球体腎炎、腎盂腎炎、膀胱炎、
尿路結石、腎臓腫瘍、前立腺炎、
腎炎、ネフローゼ症候群、
糖尿病性腎症など
便便潜血検査×大腸がん、潰瘍性大腸炎、
大腸ポリープなど
・(※)は医師判断により省略可の項目
・人間ドックの項目は日本人間ドック・予防医療学会が定める基本検査項目*3

人間ドックの検査項目は、医療施設やプランによって異なります。

人間ドックではより専門的な検査を受けることが可能

法定健診では、基本的にCTやMRIといった専門的な機器を用いる検査は実施されません。他方、人間ドックでは専門的な検査が含まれるプランがある、あるいは付加することができるため、気がかりのある部位についてより詳しく調べることができます。人間ドックで受けられる専門的な検査(基本的な検査項目以外)の代表例を紹介します。

部位おもな検査発見される病気
頭部MRI/MRA、頸動脈エコーなど脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、
脳血管狭窄など
心臓冠動脈CT、心臓MRI、心臓エコー、
血圧脈波検査、運動負荷心電図など
心筋梗塞、狭心症、心不全、
不整脈、大動脈瘤など
胃カメラ、胃がんリスク検査(ABC検査)、
ピロリ菌検査など
胃がん、食道がん、胃炎、
胃ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、
ピロリ菌感染の有無など
大腸大腸カメラ、大腸CTなど大腸がん、大腸ポリープ、
潰瘍性大腸炎など
前立腺PSA検査(腫瘍マーカー)、
前立腺MRIなど
前立腺がん、前立腺肥大症、
前立腺炎など
乳房マンモグラフィ、乳腺エコー、
無痛MRI乳がん検診、PEM検査など
乳がん、乳腺症、嚢胞、石灰化など
子宮子宮頸部細胞診、子宮内膜細胞診、
経膣エコー、骨盤エコーなど
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、
子宮筋腫、子宮内膜症など
全身PET検査、DWIBS(ドゥイブス)などほぼ全身のがん(見つけにくい
がんもあり)など

上記のほか、人間ドックを行う医療施設によってはアレルギー検査、睡眠時無呼吸症候群の検査、遺伝子検査などが受けられる場合があります。

また、脳の検査に特化した「脳ドック」や、基本的な検査項目と婦人科系疾患の検査をパッケージ化した「レディースドック」などもあります。

人間ドックと専門ドックの概要や、初心者向けの人間ドックの選び方を知りたい方は下記をご覧ください。

人間ドックと脳ドックの違いは下記記事で解説しています。

健康診断と人間ドックはどちらを受けるといい? 両方受けてもいい?

人間ドックは健康診断より検査項目数が多く、専門的な検査も受けられることから、身体をより詳しく調べたい方は人間ドックがおすすめと言えます。ただし、人間ドックは全額自己負担であり、多くの場合検査数と比例して費用もかさみます。自身の気がかりと予算とのバランスを考えつつ、プランや検査内容を選んでいくとよいでしょう。健康保険組合等や自治体によっては、人間ドックの費用補助・助成を行っていることがあります。加入している健康保険組合等やお住まいの自治体のWebサイトなどで確認してみましょう。

なお、人間ドックの基本的な検査項目には、定期健康診断や特定健診の必須項目が含まれています。人間ドックを受診した場合は、定期健康診断や特定健診を受診したことになるため同年度に両方受ける必要はありません

人間ドックの受診が推奨されるのはどんな人?

健康診断は種類ごとに対象年齢が定められていますが、人間ドックは20歳以上の自覚症状がない方であれば誰でも受診できます。自身の現在地を知ったうえで経年変化を追っていく意味では、ライフステージが変化することの多い30歳からの受診がおすすめです。下記に当てはまる方は人間ドックの受診を検討しましょう。

  • 身体で気になることがある
  • 生活習慣が乱れている
  • がんや脳卒中など、生活習慣病を患った血縁者がいる
    など

人間ドックを受ける必要性については下記記事で解説しています。

人間ドックの選び方―性別・年齢ごとにおすすめの検査

人間ドックを検討しているものの、どんな検査を受ければいいのかわからない方のために、人間ドックの検査を選ぶ際のポイントをまとめました。

性別・年齢ごとにおすすめの検査

病気の多くは、加齢とともに発症リスクが高まりますが、若年層でも罹患する病気や、性別によって留意したい病気などもあります。性別・年齢ごとに受診を検討したい検査が下記です。

女性におすすめの検査

【20代】子宮頸部細胞診など

【30代】乳腺超音波(エコー)検査、子宮頸部細胞診、HPV検査、胃がんリスク検査(ABC検査)など

【40代】マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、子宮頸部細胞診、HPV検査、胸部X線(レントゲン)検査、胃X線(バリウム)検査、胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査、骨密度検査、頭部MRI/MRAなど

【50代以上】マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、子宮頸部細胞診、HPV検査、子宮体部細胞診、胸部X線(レントゲン)検査、胃X線(バリウム)検査、胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査、骨密度検査、PET検査、頭部MRI/MRAなど

男性におすすめの検査

【30代】胃X線(バリウム)検査、胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査、胃がんリスク検査(ABC検査)など

【40代】胸部X線(レントゲン)検査、胃X線(バリウム)検査、胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査、PSA検査(腫瘍マーカー)、頭部MRI/MRAなど

【50代以上】胸部X線(レントゲン)検査、胃X線(バリウム)検査、胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査、PSA検査(腫瘍マーカー)、PET検査、頭部MRI/MRAなど

年齢・性別ごとにおすすめの検査は下記記事でも詳しく紹介しています。

家族の既往歴(家族歴)

病気の中には、生まれつきの遺伝子の変化(遺伝的素因)によって起こりやすいものがあります。遺伝的素因が関連する病気として知られているのが、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)やリンチ症候群、2類糖尿病、家族性高コレステロール血症(FH)などです*6-8血縁者に特定の病気を発症した人が複数いるなどの場合は、20代のうちから定期的に検査を受けましょう。なお、家族の既往歴(家族歴)は、自身を中心に3世代(両親・祖父母・おじおば・おいめい・曽祖父母・曽祖父母のきょうだい)まで把握しておくことが望ましいです。家族歴に合わせた検査を定期的に受診することが、病気の早期発見につながります。

がんと遺伝の関係については、下記記事で詳しく解説しています。

遺伝性乳がんについては下記記事もご覧ください。

生活習慣

病気の発症には、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関わっています*9。生活習慣が関係する病気を生活習慣病といい、おもな病気が下記です*9

  • 食習慣:インスリン非依存糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、大腸がん、肥満、循環器病、歯周病など
  • 運動習慣:インスリン非依存糖尿病、高脂血症、高血圧症、肥満など
  • 喫煙:肺扁平上皮がん、慢性気管支炎、肺気腫、循環器病、歯周病など
  • 飲酒:アルコール性肝疾患など

2022年の国民生活基礎調査によると、通院している人の傷病の上位に生活習慣病に関連する傷病が上がっています*10

1位2位3位
男性高血圧症糖尿病脂質異常症
女性高血圧症脂質異常症眼の病気
国民生活基礎調査(2022年)をもとに編集部で作成

生活習慣病のリスクや兆候は、健康診断や人間ドックの検査項目のうち循環器検査や血液検査などで調べることができます。30代のうちから定期的に検査を受け、経年での数値の変化を追っていくことが、将来的な生活習慣病のリスク軽減につながります。

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健康管理には人間ドックが有用

人間ドックの最大のメリットは、検査項目の多さと検査方法の選択肢の多さです。人間ドックの基本的な検査項目のみでも健康診断よりも詳しい検査が行われ、プランやオプション等によってはより専門的な検査を受けることも可能なため、健康診断ではわかりにくい病気を発見できる可能性が高いと言えます。

自覚症状のない病気を早期に見つけるためには全身をくまなく調べることが望ましいですが、時間と費用、身体的な負担が多くかかります。これらの負担をできるだけ抑えたい場合は、健康診断や自治体のがん検診などを利用しつつ、これらでは受けられない専門的な検査を人間ドックで受診する方法もあります。病気の兆候を早期のうちにとらえられるよう、健康診断や人間ドックを定期的に受診しましょう。

参考資料
*1.厚生労働省 e-ヘルスネット 健診
*2.厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」
*3.日本人間ドック・予防医療学会 基本検査項目表
*4.厚生労働省 e-ヘルスネット 検診
*5.厚生労働省 がん検診
*6.遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)をご理解いただくために ver.2022_2」
*7.日本内分泌学会 2型糖尿病
*8.日本動脈硬化学会 家族性高コレステロール血症(FH)とは?
*9.厚生労働省 e-ヘルスネット 生活習慣病とは?
*10.厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 III 世帯員の健康状況

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上昌広
こちらの記事の監修医師

特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
人間ドック
人間ドックのミカタ
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