2016.5.12
50代男性の健康リスク

50代男性が受けておきたい検査

がん、心臓疾患、脳血管疾患の死亡率が急増する50代男性

medicinea doctor and a patient looking at MRI pictures
厚生労働省の調査結果によると50代男性の死亡原因となる疾患は、多い順に悪性新生物(がん)、心臓疾患、脳血管疾患となっており、死亡者数を40代と比較するとそれぞれ4.88倍、2.36倍、2.49倍に増加している。

また、日本人間ドック学会が受診者を対象に実施した調査(2014年)では、50代でがんと診断された患者の内訳は胃がん41.6%、大腸がん33.5%、肺がん10.4%、前立腺がん14.4%となっている。心臓疾患や脳血管疾患の原因となる生活習慣病に関しては、50代男性受診者の30%以上が肥満、高血圧、コレステロール、中性脂肪、耐糖性異常、肝機能といった検査項目でなんらかの異常を指摘されている。

50代は、危険な病気のリスクが現実化する年代と自覚しなくてはならない。

50代に不可欠な「がん検診」

がん検診は発症率、死亡率が急増する50代にとって必須項目である。肺と胃腸を調べることができるX線撮影、大腸を調べる便潜血、肝臓や腎臓、膵臓に前立腺など広範囲で調べる腹部超音波検査の3項目は、少なくとも年に1度の頻度で受診しておくべきであろう。

できれば内視鏡検査やPET検査の受診も検討してみて欲しい。胃と腸に関しては内視鏡検査がもっとも確実な方法であり、ポリープなどが発見されたらその場で切除できる場合もある。PET検査はごく小さながんも発見でき、早期発見、早期治療に有効。造影剤でがんをマーキングして全身の断層撮影を行う身体に負担の少ない検査だ。

生活習慣病の疑いがあれば、CTやMRIで血管の検査を

狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のおもな原因となるのは動脈硬化であり、動脈硬化を進行させる要因となるのが生活習慣病である。生活習慣病の大半は自覚症状をともなわないので自己判断は難しいが、身体測定、血圧、血液検査などの簡単な検査によって進行度合を知ることができる。重大な疾患のリスクが高まる50代ならば定期的に検査を受けて自身の状態を把握しておく事が健康管理の基本となる。

生活習慣病の検査によって高脂血、高コレステロール、高血圧などと診断されて動脈硬化の進行が疑われる場合には、CTやMRIによる血管の精密検査を受けておいた方が良い。血管の狭窄や閉塞(血栓)は脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の原因となり、損傷や動脈瘤は脳出血や動脈瘤破裂の危険因子である。放置すれば取り返しの付かない事態になりかねないので早めの検査が重要である。

体力や免疫力の低下によってほかにも様々な病気の発症が本格化する年代である。人によっては必要な検査項目も多岐にわたるので、人間ドックを利用するのも有効な選択肢のひとつである。健康な老後を迎える準備として是非とも受診する事をおすすめしたい。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

全身がん検査の1つの方法「PET検査」

PET検査について知りたい方はこちら

MRIで脳疾患を検査!

脳ドック(MRI検査)について詳しく知りたい方

人間ドック+脳ドックプランを探す!

50,000円以下の人間ドック+脳ドック特集

Colorda編集部