2016.5.19
肺がんの検査

肺がんを早期発見! レントゲンとCTの違いとは?

がんの部位別死亡数第1位は肺がん

chest radiography
呼吸器系で主要な働きを担う肺。この器官に異常が生じるとガス交換が滞り、生命の維持すら危うくなる。とくに肺がんは要注意で、がん全体のなかでも死亡数が圧倒的に高くなっている。これは肺がんが早期発見しづらく、進行した後では治療するのが困難な疾患であるからだ。

ただし、定期的に検診を受けていれば早期発見も難しくはない。胸部レントゲンや胸部CTといった検査を受けることで、小さな病変でも検出することができる。そこで気になるのが、レントゲンとCTの違いである。

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レントゲンは2次元、CTは3次元

レントゲンとCTは、どちらも放射線を利用した画像検査法である。検査によって被曝するという点も変わりはない。けれども、得られる画像の性質がまったく異なる。レントゲンは放射線を一方向から照射し、フィルムに画像を焼き付ける検査である。一般的なカメラと原理が近い。そのため、得られる画像も2次元なのである。一方、CTは撮影部位に対して多角的に放射線を照射する。そこで得られたデータを解析して、3次元的な画像を再構築することが可能である。

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3次元のCTなら、小さな腫瘤の検出可能性が高い

どんな疾患でも、得られる情報が多いほど、診断の精度は高まる。たとえば、胸部レントゲンによって肺に異常がないかを検査した場合、肺の前方にある血管や心臓といった臓器は、放射線を吸収しやすいため邪魔になることがある。これでは肺全体をくまなく検査することは難しい。放射線を一方向から照射するレントゲンでは、画像に死角が生じるのだ。一方、胸部CTであれば様々な角度から放射線を照射可能で死角がなくなる。また、肺を輪切りにしたり、気になる領域に焦点を当てたりするなど詳しく診断することもできる。

このように、レントゲンとCTでは得られる画像に大きな違いがあり、CTの方が精密な診断が可能といえる。被曝線量に関してはCTの方が多くなるが、発がんリスクをそれほど大きな影響を与えるものではないと考えられている。ただ、CT検査は単純X線検査に比べ50~100倍ほどの被ばく量がある。また、費用の面でも高額だ。どんな検査にも、メリットとデメリットがある。レントゲンで、少しでもおかしな影が見つかればCT検査をする。これが、現在もっとも有効とされている、肺がんの早期発見の方法である。

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坂口 海雲(さかぐち みくも)
この記事の監修ドクター
福島吉野スマイル内科・循環器内科 院長
日本内科学会認定内科医/日本医師会認定産業医/日本循環器内科学会所属医

がんの中でも死因第1位の肺がん!

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Colorda編集部