2016.7.4
前立腺がんの腫瘍マーカー

前立腺がんの早期発見に不可欠な腫瘍マーカー「PSA(前立腺特異抗原)」

PSAは、精液の粘性を担うタンパク質

Medical X-Ray Scan - Prostate
腫瘍マーカーは、体内にがんの腫瘍ができると、特殊な物質が大量につくられ、血液中に出現するという特性を利用した血液検査だ。今回は、前立腺がんの早期発見に不可欠な腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を紹介する。

精液は射精後、膣内や子宮内から容易に流出しないよう、ある程度の粘度を備えている。その役割を果たしているものに、PSA(prostate specific antigen)というタンパク質分解酵素がある。PSAは前立腺特異抗原の略称で、前立腺から分泌される酵素だ。正常であればPSAはおもに精液から検出されるが、前立腺に病変が生じている場合、血液中からも高濃度で検出されることがある。そのため、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられている。

PSAの基準値と、前立腺がんと前立腺肥大症との鑑別

PSAの基準値は4.0ng/ml以下(ポリクロナール法)となっており、この値を超える場合はなんらかの異常が認められる。ただし、PSAは加齢に伴って増加することがあるため、グレーゾーンとして4.0~10.0ng/mlという値を設定しておくと誤診が減るといえる。

また、PSAの値がグレーゾーンに入っていとしても、それが前立腺がんであるかどうかは確定が難しい。PSAは前立腺から産生される特異的なタンパクであるため、病変が前立腺にあるのはほぼ間違いないが、前立腺肥大症との鑑別が非常に困難なのだ。そこで臨床では、次の3つの方法がとられることがある。

  • 経時的な観察
  • PSA密度の測定
  • 遊離型/総PSA比の測定

前立腺がんにおけるPSAの値は、そのほかの腫瘍マーカーと同様、経時的に増加する傾向がある。年間で0.75ng/ml以上の上昇が見られる場合は前立腺がんの可能性が高い。PSA密度は生検によって測定できる値で、単位前立腺容積あたりのPSA値が高いほど前立腺がんの可能性が高まる。ただし、これらの方法は時間と手間がかかるため、一般的には遊離型/総PSA比の測定が行われる。

前立腺がんでは遊離型のPSAが減少する

前立腺がんを発症すると、血液中のPSAは特定のタンパクと結合するようになる。これを複合型PSAと呼ぶ。一方、前立腺肥大症ではPSAはタンパク質と結合せずに単独で存在している。これを遊離型PSAと呼ぶ。つまり、すべてのPSAのうち遊離型PSAがどれだけ含まれているかがわかれば、2つの疾患を鑑別できるといえる。そこで求められるのが遊離型/総PSA比だ。

前立腺がんでは複合型PSAが高くなり遊離型は低くなるので、遊離型/総PSA比は定値を示す。一方、前立腺肥大症では複合型PSAが低くなり遊離型は高くなるので、遊離型/総PSA比の値は高値を示す。

以上のような検査で前立腺がんが疑われた場合は、次に精密検査を受けることとなる。具体的には、経直腸的超音波検査や前立腺生検などだ。そうした材料がそろって初めて確定診断を下せるといえる。

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Colorda編集部