2017.9.21
甲状腺の機能を調べるオプション

人間ドックのオプション、甲状腺の機能を調べる「血液検査TSH」と「甲状腺エコー」

全身に大きな影響を与える甲状腺ホルモン


人間ドックを受診する際は、受診者それぞれが気になる部位や病気リスクをより詳細に調べることができるオプション検査をぜひ活用してほしい。血液検査や、MRI、CT、マンモグラフィーやエコー、内視鏡などの画像診断など、医療施設によってさまざまな種類がある。今回は、新陳代謝などを司り、エネルギー産生や成長などに関わる甲状腺の機能を調べる血液検査「TSH」と「甲状腺エコー」を紹介する。

甲状腺とは、喉ぼとけのすぐ下くらい、喉頭と気管の前外側に存在する内分泌器官で、分泌される甲状腺ホルモンは、全身の代謝や各臓器の働きを活性化させるため、非常に重要な内分泌器官といえる。そんな甲状腺に異常が生じると、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったり、低下したりすることで、全身にもさまざまな異常が現れる。

甲状腺ホルモンの分泌が過剰になると、心拍数が増加する頻脈や収縮期血圧の上昇、発汗過多や体重減少、髪が抜けやすくなるなどの症状が起こる。逆に分泌が低下すると、不整脈のひとつで心拍数が減少する徐脈や収縮期血圧の低下、疲労感や体重増加などが起こる。成人の安静時の脈拍数は毎分50〜70回だが、頻脈は100回以上、徐脈は60回未満を指す。このように、甲状腺は比較的小さな臓器であるが、その内分泌機能は、全身状態に強く影響するほど、重要なものといえる。

ホルモンの血中濃度から甲状腺の異常を評価する

甲状腺からは、「T3(トリヨードサイロニン)」、「T4(サイロキシン)」と呼ばれるホルモンが分泌される。これらのホルモンの分泌状況を調べることで、甲状腺の状態を評価することが可能だ。そこで有用となるのが「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」である。TSHは、脳下垂体の前葉から分泌されるホルモンで、甲状腺ホルモンの分泌を調節する役割を果たす。つまり、甲状腺が正常であれば、TSHの分泌量に比例して、甲状腺ホルモンも正常量が分泌されることとなる。そこで、甲状腺の血液検査では、このTSHと、T3、T4といったホルモンの血中濃度を調べていく。それぞれの正常値は以下の通りだ。

  • TSH 0.38~4.31μU/ml
  • FT3 2.10~3.80pg/ml
  • FT4 0.82~1.63ng/dl

これらの値のバランスをみて、甲状腺の状態を評価する。

TSHの数値が高値の場合は、甲状腺機能低下症、TSH産生腫瘍などが疑われる。低値の場合は、バセドウ病など甲状腺機能亢進症が疑われる。

「甲状腺エコー」で甲状腺の形態的異常を調べる

甲状腺エコーは、甲状腺に超音波を当てることで、組織の状態を調べる検査である。検査時間は15~30分程度と比較的短く、被曝のおそれもない。喉にゼリーを塗布して、超音波を発する器具、プローブを接触させるだけなので、身体的な負担も小さい。

甲状腺エコーでは、甲状腺の大きさや形などを評価することができる。甲状腺は、機能が高まると肥大し、低下すると萎縮する傾向にあるため、甲状腺エコーによって得られる形態的な情報は、診断するうえで有用といえる。また、腫瘍が見つかった場合は、悪性か良性かの前に、周囲組織への転移を調べることも可能だ。


Colorda編集部