2017.9.14
動脈硬化を発見するオプション

人間ドックのオプション、動脈硬化を調べる検査「PWV検査」「ABI検査」

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
大町病院 内科医
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

脳梗塞や脳出血の原因となる動脈硬化

人間ドックのオプションには、血液検査やMRI、CT、マンモグラフィーやエコー、内視鏡などの画像診断など、さまざまな種類がある。人間ドックを受診する際は、受診者それぞれが気になる部位や病気リスクをより詳細に調べることができるオプション検査をぜひ活用してほしい。今回は、動脈硬化を調べる検査「PWV検査」「ABI検査」を紹介する。

動脈硬化とは、動脈壁にコレステロールを主体とする脂質が過剰に沈着するなどして、血管が弾力性や柔軟性を失い、硬くなったり、詰まったりする疾患だ。その結果、血管の内腔閉塞による虚血と、動脈壁破綻による出血などが起こり、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞といった重大な疾患の発症原因となることがあるため、注意が必要である。動脈硬化は早期発見することが重要であり、発症の原因となるリスク因子も極力排除していきたい。

生活習慣の改善で動脈硬化のリスクを低減

動脈硬化のリスク因子は、コントロールできるものとコントロールできないものの、ふたつに分けられる。コントロールできるものは、喫煙や肥満、運動不足といった生活習慣に関わる因子で、患者自身が改善することで動脈硬化のリスクを低下させることができる。コントロールできないリスク因子としては、加齢、性別、遺伝といったものが挙げられる。これらは患者自身が改善することのできない因子である。

動脈壁の硬さを調べる検査「PWV検査」

PWV(脈波伝播速度)検査は、動脈壁の硬さを評価する検査である。脈波という言葉からもわかる通り、心臓の拍動が両手足の末端にまで到達する速度を測定する検査である。この速度が速いほど、動脈壁が硬くなっていることを意味する。また、CAVI(心臓足首血管指数)という検査でも、動脈壁の硬さを評価することができる。測定のメカニズムはPWVとほぼ同じで、脈拍が生じた際に、心臓から足首までどのくらいの時間がかかるかを調べる。CAVIもPWV同様、速度が速いほど、動脈硬化が進んでいることを意味する。

動脈の狭窄や閉塞を調べる検査「ABI検査」

ABI(足関節上腕血圧比)検査は、足の動脈の狭窄や閉塞を調べる検査である。上腕と足首の血圧を測定し、比較することで動脈の異常を検出する。比率は、足首収縮期血圧を上腕収縮期血圧で求められる。ABIは低い値が出た場合、動脈硬化が疑われる。また、CAVIの値と併せて評価することで、血管年齢を測定することも可能となる。

検査時間は5分程度

上述した検査は、いずれも5分程度の短い時間で終わり、なおかつ、着衣のままリラックスして受けることができる。費用は医療機関により異なるが、3000円前後が多い。動脈硬化が気になる人は人間ドックのオプションで、受けておきたい検査である。


Colorda編集部