2015.10.26

薄毛、抜け毛に悩まないために

薄毛・抜け毛の原因にはどんなものがあるのか?

抜け毛
薄毛や抜け毛に悩んでいる人は多い。加齢や遺伝など、その原因は諸説あるが、代表的なものを4つ紹介しよう。

一つ目は、男性ホルモンによる影響だ。男性ホルモンのなかには、毛髪の生成を抑制する成分が含まれている。男性ホルモンが強いという人は、この成分が強力に働き、髪の生成を抑制してしまうため、薄毛や抜け毛につながるとされている。

二つ目は、皮脂のつまりだ。頭皮では脂が生成されており、汗腺の数は顔の約3倍。ただでさえ脂が溜まりやすい部分だが、脂の分量が人よりも多かったり、清潔にされていないことにより毛根が詰まったりすると、毛髪の生成を妨げることがあるのだ。

三つ目の原因は、ストレス。円形脱毛症など、ストレスを感じることで抜け毛が増えると言われている。

四つ目の原因は、血流の悪化だ。髪の毛は頭の中の毛細血管を通じて生成される。この血流が妨げられてしまうと髪の毛を育成する成分が滞ってしまい薄毛や抜け毛の原因となることがあるのだ。

日本人の薄毛の割合はどれくらい?

日本のかつら企業が1998〜2008年にかけて行った調査結果によると、日本の薄毛率は26.78%。日本人の1/3程度が薄毛とされている。

同データのなかで、世界的に薄毛率が高い国とされているのがチェコ(42.79%)、次にスペイン(42.60%)、ドイツ(41.24%)と続いている。世界全体で見るとおよそ32.13%の人が薄毛とされており、世界の平均で見ると日本は比較的少ないと言えるだろう。

対策はやはり、生活習慣を見直すこと

薄毛や抜け毛の原因は、元をたどっていくと日々の悪い生活習慣が影響していることも多い。まずは基本的な生活習慣を見直すことが最初の対策といえる。

まずは、規則正しい生活を心がけ、寝不足などを減らし身体を一定のリズムを保つことで体の負担を減らすことが重要だ。偏った食事をせず、栄養素をまんべんなく摂取できるようにバランスの良い食生活も心がけよう。そして、定期的な運動をすることで、体の中の血液の循環を活発にしつつ、ストレスも発散。皮脂が残らないように髪を洗うとこも忘れずに。薄毛・抜け毛の代表的な4つの原因を極力、生活から排除していこう。

また、薄毛や抜け毛には、今回取り上げたもの以外にも様々な要因があるとされている。昨今では、男性型脱毛症(AGA)治療が行える病院や専門病院も増えているので、正確な原因を知る際には、自己判断ではなく医療機関でチェックしてもらうといいだろう。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部