2015.12.14

30代に急増中!? 若年性更年期障害

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

原因はダイエット? 早期閉経?

若年性更年期障害閉経前後の10年間に起こるといわれる女性の更年期障害。一般的には、40歳を過ぎたころから現れる、さまざまな体調不良や情緒不安定などの症状だ。近年は20代後半~30代の女性にも、更年期障害のような症状があらわれている。身体的な症状としては、のぼせや火照り、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧の異常、頭痛やめまい、けん怠感など。精神的な症状としては、興奮、イライラや不安感、うつ、不眠などだ。

そもそも更年期障害の原因は、卵巣の老化によるエストロゲンという女性ホルモンの分泌の減少である。しかし、20~30代といった若年層の更年期障害は、過度なダイエットやストレス、睡眠不足、不規則な食生活などにより、月経不順が起こった結果、エストロゲンの分泌が減少し、ホルモンバランスが崩れることが原因だと考えられている。

また、近年の初潮年齢の低年齢化による早期の閉経(早発閉経)も原因のひとつだ。排卵される卵子の数は生まれたときから数が決まっており、早い年齢から排卵されると、30代での早発閉経もありうる。

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まずは婦人科で診察を!

無月経や月経不順が続いているなら、まずは婦人科の受診をおすすめする。重要なのは、その症状が早発閉経なのか、ホルモンバランスの乱れが原因なのかを見極めることだ。

早発閉経は、エストロゲンの減少から骨がもろくなり、若くして骨粗鬆層になりやすくなるだけでなく、血管の柔軟性が失われ、動脈硬化が起きやすくなる。この治療方法は大きく分けて3つ。HRT(ホルモン補充療法)、漢方、そして抗うつ剤などの向精神薬などだ。
早発閉経の治療法は、妊娠の希望があれば不妊治療、なければHRT(ホルモン補充療法)になる。その上で更年期障害を治療していくことになり、HRTや漢方薬、抗うつ剤であるSSRIやSNRI、その他大豆イソフラボンなどを用いる代替療法が候補として挙げられる。
代表的な治療であるHRTは、減少したエストロゲンを補充することで、症状の緩和だけでなく、骨粗鬆症の予防などを行う方法だ。一般的な閉経の時期まで続けることが多い。漢方は東洋医学の見地から症状の改善を行い、向精神薬は精神的な症状の緩和を行う。これらを組み合わせて治療することも多い。

ホルモンバランスの崩れが原因の場合は、生活習慣の改善を行い、低用量ピル、漢方などが使われる。低用量ピルは、避妊のイメージが強いが体内のホルモンバランスを安定させることができ、副作用も少ない。

原因によって治療法が異なってくるので、自己診断をせず婦人科で相談することが大切だ。

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まわりの接し方次第で症状が改善される可能性も!?

若年性更年期障害で本人、家族が困るのは、精神的に不安定な症状といえる。本人もどうしたらいいのかわからないイライラや落ち込みは、本人よりも周囲の家族が困惑するケースが多い。

このときに、家族は病気への理解と寛容さを示すことが大切だ。たとえば、けん怠感がひどくて家事ができなくなったとき、家族だけではなく、じつは本人も大きなストレス状態になっている。自分自身ではどうにもならなくて、多大なストレスを抱えて対処できないでいるのだ。このとき、感情をぶつけ合うのではなく、理解を示し優しく接することが症状を悪化させずにすむ方法だ。

生活改善などは、家族が寄り添って行えることも多い。朝起きて朝日を浴びることで、脳のセロトニン分泌を活性化し、うつの抑制にもなる。セロトニンは神経伝達物質のひとつで、心身の安定や心の安らぎなどにも関与する。朝、カーテンを開けて一緒に散歩するなどで、症状を軽減できる可能性がある。

若年性更年期障害は、治療をすれば早期に症状を軽減できる可能性が高い。すみやかな受診と家族のサポートが大切だと言えるだろう。


Colorda編集部