2015.5.28

もしかして私も臭う!? なぜ、加齢臭は出るの?

加齢臭はすでに始まっている!?

加齢臭近年、食生活の変化などにより、男女問わず30代でも発生するといわれている加齢臭。「自分の物だけ別に洗濯されている」「電車で横にいた人が移動した」「デスクに来た部下が離れたところに立っている」など、思い当たることはないだろうか。30~40代は皮脂の分泌が最も多くなり、それが加齢臭の発生につながる。では、皮脂の分泌はどうすれば抑えられるのだろうか?それには、生活習慣が大いに関わっている。

まず「不規則な生活」は身体の抗酸化力を低下させ、皮脂の分泌を増やしてしまう。「食生活の乱れ」「過度の飲酒や喫煙」は、加齢臭を引き起こすもとになり、「過労やストレス」も原因となる。

また、女性は「女性ホルモンの低下」により、活性酸素が抑えられなくなることで加齢臭が発生してしまう。まさに、仕事が忙しく身体に変化が起こる30~40代から加齢臭が始まるのが納得できる。

進む、加齢臭の研究!

「加齢臭」という言葉は、2000年に『資生堂』が臭いのもとになる物質「ノミナール」を発見し、その臭いを「加齢臭」と命名したのが始まりだそう。加齢臭研究の老舗といえる『資生堂』は、不快な臭いを心地よい香りにする「ハモナージュ効果」を生み出した。「ノミナール」をできる限り抑え、それでも残った微量の臭いを相性のよい香りで包み込むことで心地よい香りに変えるというものだ。

また『マンダム』は、世界で初めて“臭い”に関する研究結果を発表し、50代以降に背中や体幹部から出る臭いを「加齢臭」、30~40代の頭部や首の後ろから出る臭いを「ミドル臭」、10~20代のワキの汗の臭いを「汗臭」と分類。「ミドル臭」の場合、ワキや背中のケアをしても、解決に至らないのだという。古い油のような臭いがし出したら、「ミドル臭」が出始めているので要注意だ。

今日から始めるべき加齢臭対策

誰でも少なからず体臭はあるものだが、エチケットとして加齢臭対策を心がけよう。面倒だからシャワーを浴びずに寝てしまうのは、もってのほか。頭皮には薬用シャンプーを使うのが効果的で、余分な皮脂を抑え健康な頭皮になれば、臭いもなくなる。その他の部位には、消臭効果のある石鹸が有効だ。

女性は、女性ホルモンの分泌を高め癒し効果があるローズの香りの石鹸がおすすめ。香水やスプレーは即効性があるが、時間が経つと効果はなくなり、きつい香りはかえって不快さを与えてしまう。専用サプリメントもあるが、消臭効果があるリンゴ酢を水で割って飲めば、今日からでも始められる。やはり、身体の中から根本的な改善が必要だ。

加齢臭対策は、少しでも気になったときが始めどき。早すぎることも遅すぎることもない。ぜひ、今日からケアをはじめたい。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部