「いつまでも若々しく、健康でありたい」という願い。
実は昨今、アンチエイジング研究が進み、
その願いを叶える夢のようなメソッドが続々と明らかになってきている。
働き盛り、忙しい毎日を過ごしている人にこそ知ってほしい、
老けない、ボケない、病気にならない...そんな生活習慣や食事術を紹介する。

2016.2.4

元タカラジェンヌが何歳になっても若々しいのには理由があった!

歌やダンスが若々しさの秘訣?

girl in long gown performing on stage
女優の黒木瞳さん、大地真央さん、真矢みきさん、天海祐希さんなど宝塚出身の女優さんは、何歳になっても若々しい。最近の研究によると、外見が若々しい人は介護のリスクが低く、ボケにくいと報告されている。果たして宝塚出身の宝塚歌劇団OGは、高齢期も若々しく健康長寿をまっとうできるのだろうか。

自らも宝塚歌劇団OGで、神戸大学大学院医学研究科を終了した桝谷多紀子博士は、宝塚OGとの交流を通じて、若いころの歌やダンスの練習が高齢期に認知症予防によい影響を及ぼしているのではないかと考えた。

医学的検査で判明した、一般人との能力の差

博士は宝塚歌劇団OG組織「宝友会」会員から無作為に選んだ宝塚OGと一般女性の計124人を対象に、いくつかの検査を行った。全員に対し、言葉の復唱や計算による認知機能、および咀嚼力などの口腔機能チェック、さらに31人に対し脳MRI(磁気共鳴画像装置)で海馬の容積を測定した。

その結果、精神状態に関するアンケートでは、宝塚OGはうつ状態になりにくい傾向にあることがわかった。脳MRIでは、海馬の容積が一般女性よりも大きく、認知機能検査でも認知機能が保たれていることが示された。一方、一般女性では残された自分の歯の数が少ないと日常生活の活動性が低下する傾向が見いだされたが、宝塚OGでは、この傾向は見られなかった。

生きがいが人生を変える

桝谷博士は若いころの宝塚での10年以上の舞台教育経験がその後の人生において、「生きがい」や「前向きに生きる」ことにつながったと分析した。一方、一般女性群では、楽しめる趣味を持続できた人は高齢期の認知機能や生活の質を保つことができたが、そうでない人は認知機能が低下する傾向が明らかになったと考察した。

高齢期に生きがいを持ち続けることが、認知機能の低下を防ぐなど、長寿の要因になることが知られているが、宝塚OGの研究からさらに、若い頃の体験や教育が人生の後半でも「生きがい」や「生きる姿勢」に影響を与えることがわかった。いつまでも若々しく過ごすには、若い頃の体験や教育も重要だ。


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Colorda編集部