上尾市で人間ドック(経膣エコー)が予約できる医療施設一覧

埼玉県 上尾市がこんな健康への取組みをしているって知っていますか

1.上尾市の特徴

1-1.上尾市の人口統計と高齢化率

上尾市は埼玉県の南東部に位置する市で、1958年の市制施行で誕生しました。当時は人口3.7万人余りの田園都市でしたが、現在では人口23万人を超える住宅都市へと発展しました。現在も農地は残っており、キウイフルーツ・ナシ・小松菜の収穫量は埼玉県内で上位となっています。

2022年1月1日現在の人口は約23.1万人（住民基本台帳による）です。上尾市の人口は現在まで増加し続けていますが、近年は増加率が鈍化し微増傾向となっています。なお、埼玉県全体も同様の傾向にあり、日本全体の人口のピークは2008年です（いずれも推計人口）。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、上尾市の人口は2015年以降減少に転じ2045年に約20.0万人に減少すると推計されていますが、2022年1月現在で微増傾向が続いています。

2022年12月末現在における65歳以上の高齢者人口は約6.4万人で、高齢化率は27.6％です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8％であることから、上尾市の高齢化率は日本全体と比べてやや低いと言えます。しかし多くの地方自治体同様、今後も高齢化は進んでいくことが予想されます。

上尾市の人口と高齢化率の推移

*総務省統計局「国勢調査」をもとに編集部で作成

1-2.上尾市の健康寿命

健康寿命とは、2000年に世界保健機関（WHO）が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。上尾市の65歳健康寿命（65歳時の健康な期間の平均）は、介護保険要介護認定者数のデータに基づいて、埼玉県の健康寿命算出ソフトで算出しています。

下記は、上尾市の65歳健康寿命です（カッコ内は埼玉県平均）。

2019年の上尾市の65歳健康寿命は、男性18.12年、女性20.51年です。2017年と比較すると男女ともに延びがみられます。埼玉県の平均と比べると、男性は2017年、2019年のどちらも平均を上回っていますが、女性はどちらの年も若干下回っています。埼玉県では、2021年の県全体の健康寿命目標値を「男性17.63年、女性20.26年」としており、上尾市は2019年の時点で県の目標値を達成していることになります。このことから、上尾市の健康寿命の延伸は男女ともに順調であると言えます。

上尾市が策定した「第2次上尾市健康増進計画・食育推進計画」では、市民が健康でいきいきと暮らすための環境づくりを目指すとともに、市民の「健康寿命の延伸」を推進しています。

2.上尾市の死因順位と割合

1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣（食、運動、喫煙、飲酒等）が影響する一部のがんや心臓病（心疾患）、脳卒中（脳血管疾患）、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、上尾市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。

上尾市の死因順位は日本全体と異なり、肺炎の割合が脳血管疾患を上回り4位となっています。ポイント数では、1位のがんが日本全体を大きく上回っており、その差は3.6ポイントとなっています。この要因のひとつとして、上尾市のがん検診受診率が日本全体より低い傾向にあることが考えられます（「4-1.上尾市のがん検診受診率の現状」参照）。

3.上尾市のがん検診の種類・費用

3-1.自治体主導の「5大がん検診」

日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん（子宮頸がん）、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。

5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。

3-2.上尾市のがん検診

上尾市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、上尾市独自の取り組みです。

上尾市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。特徴として、国の指針にはない前立腺がん検診の実施が挙げられます。

3-3.上尾市のがん検診の無料クーポン

上尾市では、子宮頸がん検診と乳がん検診を対象に無料クーポンが配布されていましたが、2022年以降は無料クーポンの配布は予定されていません。ただし、前述の通り乳がん検診は無料で受診できます（「3-2.上尾市のがん検診」参照）。

また次の方は、がん検診を無料で受診できます（喀痰検査のみ有料）。
・上尾市国民健康保険加入者の方
・70歳以上の方
・70歳未満の後期高齢者医療被保険者の方
・生活保護世帯の方
・世帯全員の市民税が非課税の方

4.上尾市のがん検診受診率と受診率向上のための取り組み

4-1.上尾市のがん検診受診率の現状

下記は、上尾市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。

下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。

上尾市のがん検診受診率は、2015年度を除くほとんどの年度で日本全体より低い数値となっています。大腸がん検診のみ日本全体と同程度で推移していますが、それ以外の検診は日本全体を下回っています。全検診において年々受診率は低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。

2016年度から一部の受診率が顕著に減少している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40～60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20～40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢（子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳）のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。

4-2.上尾市のがん検診受診率向上やがん予防のための取り組み

がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、上尾市では次のような取り組みを行っています。肝炎ウイルス検診やがんに関する講座の実施、受動喫煙の防止対策の推進などがあります。

・肝炎ウイルス検診の実施
肝硬変や肝臓がんにつながるリスクがある肝炎ウイルスの検査を実施。上尾市では、40歳以上で肝炎ウイルス検査の受診歴がない方を対象に、650円で実施している。

・市職員による出前講座の実施
市内に在住・在勤・在学する10人以上の団体を対象に、市職員による「あげお市政出前講座」を無料で実施。講座メニューは、「市民社会」「福祉、健康」「暮らし」「保険、年金、税」などのテーマに分けられており、「福祉、健康」では、がん検診県民サポーター養成講習が行われている。がんについて正しく理解し、早期発見・早期治療に役立てることができる。

・受動喫煙の防止対策の推進
副流煙による肺がんや、その他呼吸器疾患を予防するため、受動喫煙の防止対策を推進している。施設内での禁煙を進めるほか、JR上尾・北上尾駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定している。人込みでの禁煙を進めることで受動喫煙や、火傷などの被害を未然に防いでいる。

5.上尾市の人間ドックの費用補助・助成

上尾市では、上尾市在住の国民健康保険被保険者および後期高齢者医療被保険者を対象に、人間ドックの費用の一部を補助しています。補助内容は下記の通りです。

【対象者】
・上尾市の国民健康保険の被保険者（35歳以上）で保険税を完納している方
・上尾市の後期高齢者医療制度の被保険者で保険料の滞納がない方

【補助額】
20,000円
※検診料が20,000円を超えない場合は、全額を補助

補助対象となるには、いくつかの条件があります。
・補助は、市の指定する検査項目をすべて含む人間ドックのみ
・国民健康保険被保険者は、同一年度内の特定健診との重複補助は不可
・後期高齢者医療被保険者は、同一年度内の後期高齢者健康診査との重複受診は不可
・補助は年度内に1回のみ

補助を受けるためには、医療施設を予約後、市役所での事前申請が必要です。申請の手順などの詳細は上尾市サイトを確認してください。

6.上尾市の人間ドック機能評価認定施設

6-1.機能評価認定施設とは？

「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。

審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。

6-2.上尾市の機能評価認定施設

全国で390以上の施設が認定されており、このうち上尾市内の機能評価認定施設は2022年1月現在で1施設あります。

マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。

7.上尾市の健康増進への取り組み

上尾市は、健康寿命の延伸を目指してさまざまな取り組みを行っています。健診を受ける機会がない若者を対象とした健（検）診や運動教室の開催などがあります。

・「20から30歳代ヘルスチェック」の実施
上尾市では、職場などで健康診査を受診する機会がない20～39歳の方を対象に「20から30歳代ヘルスチェック」を実施。検査項目は身体計測・血圧・尿・貧血・血糖検査など。費用は950円。

・「からだ改善！キテ軽運動教室」の開催
40～69歳の市民を対象に、メタボリックシンドロームの改善と予防を目指した運動教室「からだ改善！キテ軽運動教室―気(キ)軽・手(テ)軽・からだを軽くしよう！―」を開催。事前に体組成計で基礎代謝量など自分の身体の状態を把握したうえで、健康運動指導士の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングの基本を学ぶことができる。

・健康応援相談の実施
保健師・栄養士・歯科衛生士・健康運動指導士による個別相談を西保健センターにて実施。脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病予防のための相談ができる。また、歯周病などの口腔内疾患のリスク評価、血圧計や体重計、体組成計による測定なども行われている。

※本記事は2022年1月時点の情報を元に作成しています。