熊谷市で人間ドック・健診(産婦人科専門医)が予約できる医療施設一覧

埼玉県 熊谷市がこんな健康への取組みをしているって知っていますか

1.熊谷市の特徴

1-1.熊谷市の人口統計と高齢化率

熊谷市は埼玉県の北部に位置する市です。2005年に旧熊谷市、旧大里町、旧妻沼町と合併、さらに2007年には旧江南町を編入合併し現在の市域となりました。江戸時代には中山道の宿場町として栄えた歴史があり、現在も豊かな自然と産業の共存する県北最大の都市として発展しています。熊谷ラグビー場がラグビーワールドカップ2019の会場のひとつに選出されたことから、近年はラグビータウンとしても知られています。

熊谷市の2021年12月1日現在の人口は約19.4万人（住民基本台帳による）です。国勢調査によれば、熊谷市の人口は1955年以降増加が続いていましたが、2000年をピークに減少傾向に転じ、現在も減少傾向が続いています。なお、埼玉県全体の人口は増加傾向ですが、増加率の鈍化から過渡期と考えられます。日本全体の人口のピークは2008年です（いずれも推計人口）。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、熊谷市の人口は2045年には約15.0万人にまで減少するとされています。

2021年12月1日現在における熊谷市の65歳以上の高齢者人口は約5.8万人で、高齢化率は30.0％です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8％であることから、熊谷市の高齢化率は全国より高いと言えます。熊谷市の総人口は減少傾向にあるのに対し、高齢者人口は増加傾向がみられることから、今後も高齢化は進んでいくことが予想されます。

熊谷市の人口と高齢化率の推移

*総務省統計局「国勢調査」をもとに編集部で作成

1-2.熊谷市の健康寿命

健康寿命とは、2000年に世界保健機関（WHO）が提唱した指標です。埼玉県の各市町村では介護保険データに基づいて「65歳健康寿命」を独自に算出しています。65歳健康寿命とは、65歳の方が寝たきりや認知症などの障害によって要介護認定2以上になるまでの期間を平均して算出した値です。

下記は、2019年における熊谷市の65歳健康寿命、65歳要介護期間および平均寿命です（カッコ内は埼玉県の平均）。65歳要介護期間とは、65歳の方が要介護認定を受けてから死亡するまでの平均期間であり、長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。

2019年の熊谷市の65歳健康寿命は、男性が17.37年、女性が20.28年です。男女ともに埼玉県の平均を下回っていますが、2015年から2019年にかけて男性は0.59年、女性は0.44年延びており、健康寿命の延伸は順調であると言えます。

熊谷市では、2019年に「熊谷市第4次健康増進計画」を策定し、健康寿命延伸の実現を目指しています。なお、埼玉県全体では2021年の健康寿命目標値を「男性17.63年、女性20.26年」と設定しています。

2.熊谷市の死因順位と割合

1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣（食、運動、喫煙、飲酒等）が影響する一部のがんや心臓病（心疾患）、脳卒中（脳血管疾患）、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、熊谷市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。

熊谷市の死因順位を日本全体と比較すると、肺炎の割合が高く3位に、老衰は低く5位となっています。日本全体と同様、熊谷市の死因の第1位はがんですが、その割合は日本全体を1.6ポイント下回っています。この要因のひとつとして、熊谷市のがん検診受診率が比較的高いことも考えられます（「4-1.熊谷市のがん検診受診率の現状」参照）。一方で、第2位の心疾患の割合は日本全体より3.0ポイント高くなっています。熊谷市では、「熊谷市第4次健康増進計画」のなかで心疾患や脳血管疾患といった循環器疾患の危険因子である高血圧、喫煙、脂質異常症、糖尿病を適切に管理し、循環器疾患の発症リスクの低減に努めるとしています。

3.熊谷市のがん検診の種類・費用

3-1.自治体主導の「5大がん検診」

日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん（子宮頸がん）、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。

5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。

3-2.熊谷市のがん検診

熊谷市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は熊谷市独自の取り組みです。

熊谷市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。熊谷市独自の取り組みとして、前立腺がん検診を実施しています。

3-3.熊谷市のがん検診の無料クーポン

熊谷市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。

対象者の方には、熊谷保健センターから6月下旬ごろに無料クーポン券が送付されます。

また、次の方は証明証の提示により無料でがん検診を受診できます。
・熊谷市国民健康保険もしくは後期高齢者医療制度に加入している方
・障害者手帳をお持ちの方
・生活保護受給者の方

詳細は熊谷市サイトを確認してください。

4.熊谷市のがん検診受診率と受診率向上のための取り組み

4-1.熊谷市のがん検診受診率の現状

下記は、熊谷市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。

下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。

熊谷市のがん検診受診率は、乳がん以外の検診ではおおむね日本全体を上回っています。日本全体では1桁台で推移している胃がん検診も、熊谷市では2017年度以降10％以上で推移しています。しかし、全検診とも受診率は年々低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。

日本全体のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が顕著に減少している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40～60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20～40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢（子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳）のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。

4-2.熊谷市のがん検診受診率向上やがん予防のための取り組み

熊谷市では、がん検診の受診率向上やがん予防のため、次のような取り組みを行っています。

・肝炎ウイルス検査の実施
肝臓がんや肝硬変に進行するリスクをともなうB型・C型肝炎ウイルスについて、ウイルス検査を実施している。年度内に40歳になる方の検診費用は500円。40歳以外の年齢の方が検査を希望する場合は、埼玉県が委託する医療機関にて無料で肝炎ウイルス検査が受検可能。

・女性のためのがん対策推進
熊谷保健センターでは「がんばる女性の健康セミナー」にて、がんにまつわる講和などを実施。内容は子宮頸がん検診の話、乳がんのモデルを使った自己触診など。参加費は無料。各地域子育て支援拠点にある申込用紙にて申し込みが必要。

・受動喫煙防止や禁煙の推奨
肺がんなどのリスクを高めるたばこについて、喫煙が及ぼす健康への影響を市のサイトで周知するとともに、受動喫煙の防止を呼びかけている。また、禁煙治療に保険が使える市内の医療機関や、受動喫煙防止対策助成金の案内も行っている。

5.熊谷市の人間ドックの費用補助・助成

熊谷市では、熊谷市在住の国民健康保険被保険者および後期高齢者医療被保険者を対象に、人間ドックまたは脳ドックの費用が一部助成されます。

助成内容は下記の通りです。

【対象者】
・指定医療施設で実施する人間ドックまたは脳ドックを受診する満30歳以上の熊谷市国民健康保険被保険者の方
・指定医療施設で実施する人間ドックまたは脳ドックを受診する後期高齢者医療被保険者の方

【助成額】
30,000円（30,000円に満たないときはその額まで）

助成は人間ドックと脳ドックいずれか、年度内1回のみです。また、助成を受けるには必ず受診前に申請が必要となります。詳細は熊谷市サイトを確認してください。

6.熊谷市の人間ドック機能評価認定施設

6-1.機能評価認定施設とは？

「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。

審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。

6-2.熊谷市の機能評価認定施設

全国で390以上の施設が認定されており、このうち熊谷市内の機能評価認定施設は2022年1月現在3施設あります。

マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。

7.熊谷市の健康増進への取り組み

熊谷市は、「健康で安心・安全に暮らせるまち」の実現に向け、2020年に策定した「熊谷市第4次健康増進計画」に基づき市民の健康づくりを支援する取り組みを実施しています。

・くまがや健康マイレージ事業
埼玉県と共同で実施している健康マイレージ事業。専用の歩数計やスマートフォンを使ってウォーキングをしたり、健康教室などに参加したりすることでポイントがたまり、抽選で賞品が当たる。参加には、「埼玉県コバトン健康マイレージ」への参加申込みが必要。なお「埼玉県コバトン健康マイレージ」とは、スマホアプリなどを活用した埼玉県のポイント事業。

・メタボの改善や予防の運動紹介
熊谷市公式YouTubeチャンネルにて、日本フィットネス協会インストラクターの講師によるメタボ改善や予防に役立つ運動を紹介している。普段の生活にも取り入れやすい、椅子に着席したままできる運動となっている。

・保健センターによる健康セミナーや健康教室の開催
熊谷保健センターでは、ストレッチや筋トレ、ヨガなどを行う「ヘルスアップ教室」、健康なからだづくりのための運動や食事について学ぶ「からだ見直し講座」、「食育推進セミナー」など、健康づくりに関するセミナーや教室を多数開催している。

※本記事は2022年1月時点の情報を元に作成しています。