2015.10.15

いびきがひどい人が受けたい検査とは?

いびきには2種類ある!? 危険ないびきに要注意

いびき
いびきは大きく2つに分けることができる。ひとつは単純性いびきで、風邪を引いて鼻がつまったり、疲労や飲酒によって呼吸に関わる筋肉が弛緩したりすることにより起こる。もうひとつは、睡眠時無呼吸症候群に伴ういびきである。前者は体調等が整えば、いびきは解消される。いっぽう、後者は特定の原因が取り除かれなければ解消されない。

いびきという症状は、周囲の人へ迷惑をかける程度にしか思われていないかもしれないが、じつはそうではない。その原因に大きな病気が隠れていることもあるのだ。

睡眠時無呼吸症候群の原因と、誘発される病気

睡眠時無呼吸症候群の原因としては、まず肥満という体質を挙げることができる。とくに、首まわりや咽頭および喉頭付近に過剰な脂肪の沈着があると、軌道狭窄を起こしていびきが発生する。また、口腔周辺の組織に先天的な異常がある場合もいびきが生じることがある。

たとえば、左右の鼻腔を隔てている骨が曲がる鼻中隔湾曲症は、鼻呼吸がしにくくなるためいびきが生じやすい。あるいは、扁桃腺肥大があると、空気の通り道が狭まるため、いびきが発生することがある。

また、睡眠時無呼吸症候群により、血中の酸素濃度が低下し、高血圧や不整脈などを引き起こすことがある。心臓への負担が高まると、慢性的な疲労感や頭痛など、さまざまな全身症状が現れることになる。

いびきの原因を調べることができる検査とは?

睡眠時無呼吸症候群の検査では、パルスオキシメーターとエアフローセンサーいう機器を使い、動脈血の酸素飽和度と睡眠時の無呼吸の有無や回数を調べる。この検査で異常が表れたら、終夜睡眠ポリグラフィー検査でさらに詳しく調べることとなる。

高血圧症や不整脈は、血圧測定や心電図によって検査することが可能だ。鼻中隔湾曲症や扁桃腺肥大といった先天性異常は、エックス線診断や視診および触診などの検査を行う。

いびきというのは、あくまで病気におけるひとつの症状でしかないため、原因を突き止めることは不可欠だ。そのためには、病院での検査を受けることが望ましいといえる。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

Colorda編集部