あなたの高血圧は一次性? それとも二次性?
健康診断で必ずといってよいほど計測する血圧。その際、上140mmHg以上という数値が表れたら何らかの対策が必要となる。日本高血圧学会では、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と定めているからだ。その原因が生活習慣に由来する一次性高血圧なら対処もしやすい。運動不足なり偏食なりを改善していくことで、血圧も正常値へと近づいていくが、厄介なのは二次性高血圧だ。その背後には具体的な病気が隠れている。
二次性高血圧の原因となる病気について
二次性高血圧では、おもに腎臓及び副腎に病因が存在している。たとえば腎血管性高血圧は、腎臓の血管壁が異常な構造を呈したり、動脈硬化を起こしたりすることで、血管が狭窄し、血圧を高めるレニンという物質が過剰分泌されることに起因する。
クッシング症候群は副腎の病気で、コルチゾールと呼ばれるホルモンの過剰分泌により、高血圧が引き起こされる。その原因は、副腎に腫瘍がある場合や、コルチゾールの分泌を促す脳下垂体に異常がある場合などが考えられる。原発性アルドステロン症も副腎の病気で、アルデステロンと呼ばれるナトリウムとカリウムのバランスを保つホルモンの過剰分泌が原因となる。
いずれにせよ、腎臓や副腎から分泌される物質により、血圧が上昇することになる。それぞれの基準値は以下のとおりである。
- レニン(PRA)0.2~3.9ng/ml
- アルドステロン 3~21ng/dl
- コルチゾール 4.0~23.9μ(マイクロ)g/ml
高血圧の原因を特定できる検査とは?
腎血管性高血圧で過剰に分泌されるレニンやクッシング病のコルチゾールといった物質は、血液検査によって異常値であるかを確かめることができる。腫瘍や動脈硬化といった病変は、CTやMRIなどの画像診断で確認することが可能だ。そのため、高血圧の原因を探るためには、CTなどの精密検査も受けることが望ましいといえる。
血液は全身の細胞を養っているため、血管という重要な組織が傷害されると、その影響も全身に及ぶ。それだけに、高血圧という全身の血管を傷める症状は、できるだけ早期に改善しておきたいものである。その第一歩となるのが人間ドックといえる。
