2015.11.19
逆流性食道炎

胸やけが続く人が受けたい検査とは?

長引く胸やけは逆流性食道炎のサイン?

食道
暴飲暴食をした直後や翌日に、胸やけすることはだれしもあるものだ。それが長く続くようであれば、なんらかの病気が疑われる。もっとも一般的なのが逆流性食道炎だ。胃酸や胃の内容物が消化管を遡って食道にまで至ることで、胸やけの症状が現れる。食道は胃と異なり、酸に対してそれほど強くない。そのため、強力な酸を含む胃の内容物が食道粘膜に接触すると、炎症が起きてしまうのだ。ではなぜ、胃内容物の食道への逆流という現象が起こるのだろうか。

胃の内容物が逆流するメカニズムとは?

ヒトの身体には、胃の内容物が逆流しないように胃食道逆流防止機構が備わっている。この機構は、たとえば横隔膜と食道が交差する食道裂孔と呼ばれる部分で、食道が締めつけられることなどを始め、いくつかの要素によって成り立っている。そのため本来は、逆立ちをしたとしても、胃の内容物は食道へと逆流しないようにできているのだ。けれども、胃酸の過剰分泌や逆流防止に寄与している下部食道括約筋が弛緩すると、胃内容物が食道へと逆流することがある。どちらも暴飲暴食などの生活習慣が引き金となることが多い。

胸やけの原因を探るために受けておきたい検査

逆流性食道炎の検査には、PPIテストと呼ばれるものがある。これはプロトンポンプインヒビター(PPI)という胃酸の分泌を抑制する薬剤を用いた検査だ。薬剤を投与することで胸やけなどの症状が治まれば、逆流性食道炎の可能性が非常に高くなる。

それに加えて、上部消化管内視鏡検査を受けておきたい。じつは、胸やけを起こす病気としては、胃炎や胃潰瘍なども候補に挙げられる。内視鏡を用いることで、食道や胃粘膜の症状を映像で確認することが可能なのだ。そもそも、胸やけという症状の定義づけが難しく、人によっては胃から発する痛みや不快感を胸やけと表現しているケースもある。そのため、胃も含めた内視鏡検査を受けることが勧められる。

以上のように、胸やけが続く場合には、どの部位がどのように異常なのかを医師にきちんと伝える必要がある。また、食生活などもできるだけ詳細に伝えられるよう、あらかじめ準備しておきたい。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

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Colorda編集部