2015.6.8

結婚前の新常識! ブライダルチェックでわかること

ブライダルチェックってそもそも何?

ブライダルチェックブライダルチェックとは、文字通り結婚前に受ける診察および検査である。多くの場合、妊娠や出産といった生殖機能に関わる検査を主軸としている。

昨今、ブライダルと名のつくサービスが充実してきたため、婚前に行うべきことが増えてきた。そんな中、結婚を控えた男女の健康状態をチェックするという意味では、ブライダルチェックが最重要視されている。

ブライダルチェックの検査項目について

ブライダルチェックには、決まったフォーマットがない。そのため、クリニックによって検査項目はさまざまである。

あえて言うならば、生殖機能を担う臓器の健康状態を検査し、正常な妊娠および出産が可能かどうかを調べる。その枠組みとしては、問診、内診、超音波検査、尿検査、血液検査といったものが共通していると言える。

問診では、月経周期や妊娠および出産の経験、それから既往歴や現病歴などについても聞かれる。内診では、膣内や子宮口などに直接触れ、異常がないかを調べる。超音波検査でわかるのは、卵巣や子宮に生じた腫瘍や奇形で、その結果から不妊や流産のリスクを把握することができる。尿検査については、膀胱炎や糖尿病などを調べる程度である。

どうせ調べるなら性感染症から卵巣年齢まで

ブライダルチェックの中で、最もバリエーションがあるのが血液検査である。血液検査では、貧血や風疹抗体の有無を調べるほか、さまざまな性感染症についても検査することがある。梅毒やクラミジア、それからHIVといった性感染症について調べることができる。これらは、妊娠および出産以前の問題ではあるが、事前に調べておくことは非常に重要である。

また、妊娠中や出産後の母子感染を防ぐという意味で、B型肝炎やC型肝炎の血液検査を行うクリニックもある。その他、卵巣年齢を調べたり、胸部X線を用いて乳がんを検査する場合もある。

このように、ブライダルチェックにはさまざまな検査項目が用意されていると言える。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部