2015.6.22

ポイントは抗酸化力! がん予防に効く食べ物3選

「ニンニク」の臭い成分が解毒・排出作用を発揮!

がん予防 食材そもそも、がんは、遺伝子が傷つくことによって引き起こされる病気。ダメージを受けた遺伝子は、自然に修復され、再生されるのだが、これがうまくいかないとがんになる。
遺伝子を傷つけるもののなかに活性酸素がある。「ニンニク」には、この活性酸素を除去する抗酸化物質、あの臭いのもとでもある「硫酸アリル(アリシン)」が含まれている。また、抗酸化作用のあるミネラルのセレニウムを含んでいることでも、注目されている。米国の国立がん研究所の発表によると、ニンニクはもっともがん予防に効く食べ物で、1日1かけ程度食べるのが適量といわれている。

「ブロッコリー」&「ブロッコリースプラウト」で免疫力をアップ

「ブロッコリー」と「ブロッコリースプラウト」は、肝臓での解毒・排出作用を助ける成分「スルフォラファン」を含んでおり、がん細胞に変異しかけた細胞の修復をするMMST(メチル・メサネ・チオ・サルホネート)作用を持っていることが分かっている。特に、ブロッコリーの種子を発芽させた新芽であるスプラウトは、成長する力を蓄えており、ブロッコリーの20~50倍の「スルフォラファン」を含有しているので積極的に摂取したい。

ただし、MMST作用は熱に弱いので、加熱せず摂取するのが効果的。ビタミンCやポリフェノール、カロテノイドなどの栄養素も豊富に含んでいるため、免疫力の底上げに最適な野菜といえる。

発がん抑制なら「温州ミカン」

和歌山県や愛媛県がおもな産地として知られる温州ミカンが、発がん抑制に大きな効果のあることが農水省果樹試験場や京都府立医科大学の研究で判明した。注目成分「βクリプトキサンチン」は、オレンジ色素となるカロテノイドの一種で、特に温州ミカンに多く含まれ、その含有量はオレンジの約60倍~100倍。発がん抑制効果はニンジンなどに含まれるβカロチンの5倍あるという。1日1個のミカンを食べることによって、がん予防の効果が期待されている。

さらに果皮には、「リモネン」という精油成分があり、がん細胞の増殖を防いで細胞死を誘導する働きがある。安全なものを選んだうえで、ハーブティーにして飲んだり、ジャムとして食べたりするほか、アロマテラピーで使うのもよいだろう。

がん予防では、自然治癒力を高める食生活が大切だが、食べ物でがんを治療する研究が進めば、自然界の成分から安全性の高い抗がん剤を作ることができるかもしれない。それが実現すれば、副作用や長期治療の問題の軽減につながる可能性もある。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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Colorda編集部