体力が落ちたときに起こるカンジダ症
カンジダ症はカンジダ・アルビカンスをはじめとする数種類のカンジダ属の真菌が起こす感染症で、風邪、ストレス、寝不足、疲労などで体力が落ちたときに口腔、食道、膣や皮膚などで繁殖し、口内炎、食道炎、膣炎や皮膚炎などを起こすことが知られている。多くの場合、症状は慢性に経過し、免疫力の低下や抗生物質の使用で身体のバランスが崩れたときに症状が強くなり反復することが特徴である。抗真菌剤の塗布や内服で治療をするが、根本治療としては免疫力を高めカンジダ菌の繁殖を抑えることが基本である。
糖尿病患者はカンジダ菌が繁殖しやすいことから、血糖値が高い人や膣内の糖分が高い人がカンジダ症のハイリスク・グループとなっていて、栄養学的管理も重要であることが知られている。
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ココナッツオイルに抗菌性あり。カンジダ菌を抑える
そんななか、米国タフツ大学のキャロル・熊本教授らの研究チームはココナッツオイルにカンジダ菌の繁殖を抑える効果があることを発見し話題を呼んでいる。
研究グループはマウスにココナッツオイル、牛脂、ダイズ油、標準飼料を14日間摂取させたのちに、カンジダ症の発症に十分な量のカンジダ菌を摂取させ、その後21日間、さらにこれらの食事を与え続けた。その結果、ココナッツオイルを摂取した群のマウスの胃のなかのカンジダ菌の集合体の数は牛脂、ダイズ油、標準飼料群のマウスに比べて10分の1以下に抑えられていることが明らかになった。また、別の実験では、牛脂食群のマウスの食餌をココナッツオイルに切り替えると、4日後にはカンジダ菌の集合体の形成が劇的に低下することがわかった。
ココナッツオイル自体に抗菌性もあるが、一方で血糖を下げる効果や免疫力を上げる効果もある。ココナッツオイルがカンジダ菌の繁殖を抑制したメカニズムの解明にはさらなる研究が必要と熊本教授は考察する。