2016.11.17

ナッツでがんに勝つ! 心臓病リスクを減らす!

心臓病、がん、呼吸器疾患などの死亡リスクを減らす、ナッツの力

Selection of dried fruits in jars
ナッツを食べる人ほど痩せているという事実!」で、1日28gのナッツが免疫力を上げることや、ナッツが食欲を抑える働きがあることを紹介したが、ほかにも、ピーナッツ、アーモンド、クルミなどのナッツ類をたくさん摂取する人は、がんや心臓病などを含めた総死亡率が低いという結果がニューイングランド医学誌に報告され話題を呼んでいる。

ハーバード大学医学部のイン・バオ博士らは、米国看護師健康調査に参加した健康女性76,464人、米国医療従事者追跡調査に参加した健康男性42,498人に関してナッツ類の摂取量とさまざまな病気による死亡率の関連性を調査した。その結果、ナッツ類を食べない人に比べ、ナッツ類を食べる人の総死亡率は、週1回未満の人は7%、週1回の人が11%、週2〜4回の人が13%、週5〜6回の人が15% 、週7回以上の人が20%も低いことがわかった。

死因別に死亡率を検討すると、心臓病、がん、呼吸器疾患、感染症、腎臓病、糖尿病での死亡率に有意の低下が認められた。バオ博士はナッツに含まれる不飽和脂肪酸、良質のタンパク質、食物繊維、葉酸やビタミンEなどのビタミン類、カリウムやカルシウムなどのミネラル分、カロテン類やフラボノイドなど、“第7の栄養素”と呼ばれるフィトケミカルが死亡率の低下に寄与したと考察する。

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おやつにベストなナッツは、アーモンド

一方、ナッツのなかでもアーモンドをスナックとして摂取すると、食欲を抑制して食後の血糖の上昇を抑える働きがあることがわかり話題を呼んでいる。

南オーストラリア大学医学部のスゼ・イェン・タン博士らの研究チームは肥満気味で糖尿病のリスクの高い成人男女137名を、アーモンドを摂取しなかった群、朝食に摂取した群、午前中にスナックとして摂取した群、昼食に摂取した群、午後にスナックとして摂取した群の5群に分け、1日43グラムのアーモンドを4週間摂取させ、その前後で食欲抑制効果、食後高血糖や体重に及ぼす影響を調べた。

アーモンドはいずれの群でも食欲を抑え食後血糖を下げる効果が認められたが、その効果はスナックとして摂取したときが最も顕著に認められた。いずれのアーモンド摂取群でも体重の増加が認められなかったことから、血糖を下げ、糖尿病の発症を抑えるためにも、アーモンドはスナック摂取時の健康的なオプションになるとタン博士は考察する。間食にはケーキや煎餅などのスナック菓子ではなく、アーモンドなどナッツ類がおすすめだが、食塩無添加で素焼きか生のナッツ類を選択したい。


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Colorda編集部