「いつまでも若々しく、健康でありたい」という願いを叶えるメソッドが、最先端の研究により明らかになってきている。
今回は、ストレスの軽減法に注目し、世界中の研究者の研究結果を幅広く紹介。多様な理論のなかから自分に合う方法を見つけ、ぜひ実践してほしい。

2017.1.5

「ストレスで寿命が縮む」のを回避する方法

ストレスで寿命が短縮することが明らかに

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仕事のストレスは寿命を短くすると言われてきたが、最近の研究で、精神衛生上の問題を抱えると実際に寿命が短縮することがわかった。

エディンバラ大学の調査研究によると35歳以上の成人6万8千人を10年間追跡調査した結果、うつ病や不安症を抱えている人ほど、がん、心臓病、脳卒中を発症しやすく寿命が短くなることが明らかとなった。ヒトは精神的ストレスがかかるとストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が副腎で増加する。コルチゾールは短期的には身体がストレスに対抗することに重要な役割を果たすが、分泌が長期化すると免疫細胞や神経細胞などを攻撃して免疫力を低下させたり、その結果がんを発症したり認知症を引き起こしたりする。多くの場合、種々のストレスは避けることが難しく、管理できずに過度のストレスに長期間さらされる結果となる。

・ストレスは生活習慣病などの引き金となるリスクが高いと云われています。
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ストレスに打ち勝つ食生活と睡眠とは?

しかし、ストレスが長期化しても食生活を改善すれば、がんや心臓病、認知症などの病気の発症を抑え寿命短縮を回避できる可能性が示唆され話題を呼んでいる。

米国カリフォルニア大学サンフランスコ校のエリ・ピューターマン博士らの研究チームは寿命のバイオマーカーである「テロメア」に注目した。研究チームはこれまでの研究で介護などのストレスがテロメアを短くし寿命を短縮している可能性を示してきた。

今回、239名の閉経後女性を対象に身体活動や健康的な食生活、睡眠の質などの健康行動がストレスによるテロメア短縮を抑制する可能性を検討した。その結果、健康行動の少ない女性が強度のストレスに遭遇すると、1年後の検査でテロメアが短縮していたが、健康行動の多い女性では強いストレスに遭遇してもテロメアが短縮しないことが明らかとなった。

ストレスが避けられない状況では、健康的な食生活、良好な睡眠と定期的な運動がストレス対応に重要な役割を果たしている。


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Colorda編集部