2015.11.12
呼吸器

日頃から咳や痰が出る人が受けたい検査

長く続く咳や痰は身体の異常をあらわすサイン!

咳
日常生活でふと気づくと、咳や痰が出ていることがある。大抵は気道に入り込んだ異物を押し出すためや、風邪のいち症状としての咳や痰でしかない。ただ、咳や痰が慢性化している場合は、注意が必要である。その背景には、急性肺炎や気管支喘息、場合によっては肺がんなどさまざまな病気が潜んでいる可能性も考えられるのだ。

咳の持続期間でわかる病気の重症度

数日から3週間くらいまで咳が持続していたら、風邪や気道異物のほか、急性肺炎や気管支喘息などが疑われる。急性肺炎では、悪寒や発熱、息切れといった症状のほかに、痰が絡んだ咳が出ることが多い。原因はウイルスや細菌などの肺への侵入である。気管支喘息は一種のアレルギー反応で、同様に痰や咳が出ることがある。また、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる喘息特有の息切れ状態が現れる。

咳や痰が8週間以上持続している場合は、肺結核や肺がんなどが疑われる。とりわけ肺がんは、がんの中で最も死亡者数が多い病気であるため、早期治療が求められる。長期間、咳や痰が止まらない場合は、まず精密検査を受けることが望ましい。

肺に異常がある場合に受けておきたい検査

肺の病気は、胸部X線検査を受けることで多くの情報を得ることができる。肺がんではさらに喀痰(かくたん)細胞診や血液検査も行われる。喀痰細胞診は、痰を採取して顕微鏡で観察し、がん細胞が含まれているかどうかを確認する検査である。血液検査では、がんを発症した際に血中に現れる腫瘍マーカーを調べる。ここで肺がんの腫瘍マーカーが検出されれば、さらに疑いは高まり、CT検査などを受けることになる。

このように、咳や痰が一定期間以上続く場合は、身体になんらかの異常が起こっていると考えたほうがよい。単なる風邪の症状であったとしても、検査を受ける意義はあるといえる。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

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Colorda編集部