胃カメラが苦しくて痛いのは過去の話? ラクに受ける4つのコツを紹介

こちらの記事の監修医師
上昌広

医師。1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

山本 佳奈
     

内科医。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

がん検診

胃カメラを受けたことがない方や、10年以上受けていない方ほど「胃カメラは苦しい・痛い」というイメージが強いです。しかし、内視鏡検査の方法や技術は年々改良されており、「痛くないラクな胃カメラ」を受けることができるようになっているのをご存知でしょうか? 加えて検査を受けるときに痛みを和らげるコツを知っているだけで、苦痛をゼロではないにせよ最小限に抑えることができます。

この記事では、胃カメラが苦しいと感じる原因と胃カメラをラクに受けるためのコツについてくわしくまとめました。

★こんな人に読んでほしい!
・初めて胃カメラを受ける方
・歯磨きをする際にオエッと吐き気、えづいてしまう方
・過去に胃カメラを受けてしんどい思いをしたことがある方

★この記事のポイント
・胃カメラは先端にカメラをつけた内視鏡チューブを口または鼻から挿入して内部を直接観察する検査
・検査中の不快感がもっとも強いのは、チューブを喉に通すとき
・ラクに受けるためにはできるだけ力を抜くことが大切
・痛みを和らげるもっとも効果的な方法は鎮静剤を使用すること
・胃カメラをラクに受けられる医療施設を探すなら、鎮静剤を使えるか、経鼻を選択できるか、炭酸ガス送気装置が導入されているか、検査実績が豊富かどうかなどを比較して決めるとよい

胃カメラはなぜ苦しいのか?

胃カメラの仕組み

胃カメラ(胃内視鏡検査)の目的は、胃、十二指腸、食道に関する病気の早期発見・治療です。先端にカメラがついた細くやわらかい内視鏡チューブを口または鼻から入れて、内部を直接観察することができます。チューブの細さは年々進化しているため、過去に受診してつらい思いをしたことのある方は技術の進歩を感じることができるかもしれません。内視鏡チューブを入れることで粘膜の色や形状を細かく観察できるので、バリウム検査よりもサイズの小さな早期がん、ピロリ菌感染の有無、胃炎などを発見するのに適しています。また、見た目だけでは良性か悪性か判断がつかないポリープなども内視鏡検査ならその場で生検(組織の一部を採取する検査)を行い、すみやかに確定診断をくだせる場合もあります。

胃カメラで痛みや不快感が出やすいのは、いったいどんなときなのでしょうか。次の章でくわしく説明します。

おもに不快感が生じるのは「喉にチューブを通すとき」

胃カメラ(胃内視鏡検査)で多くの方がもっとも苦しい思いをするのは「喉に内視鏡チューブを通すとき」です。内視鏡チューブは通常、喉→食道→十二指腸→胃→(再度)食道の順番で観察していきますが、最初の「喉にチューブを通すとき」に吐き気を強く感じてしまうと、なかなかおさまりません。身体が力んでゲップが出てしまうと胃がしぼんで内部が見えにくくなり、さらに検査時間が長くなるという悪循環が起こってしまいます。

胃カメラをラクに受けるコツは「とにかく力まないこと」です。具体的なポイントを挙げてみます。

  • 首、肩の力を抜く
  • 唾は無理に飲み込もうとしない(局所麻酔で飲み込みにくくなるため)
  • 息は腹式呼吸で。鼻から吸ってお腹をふくらませて、口からゆっくり吐く
  • なるべくゲップは我慢する
  • 目は開けたまま遠くを見るようにする(目を閉じると喉の違和感が強くなりやすい)
  • 喉を通すときに少しあごを突き出す(喉の空間が広がってオエっとなりにくくなる)
  • カメラの先端が食道まで進んだらあごを引く
  • 喉の麻酔をしっかりとかけてもらう

痛みを和らげるちょっとしたコツを覚えておけば、検査中の負担を最小限にすることができます。

さらに効果的、簡単に身体的負担を減らすなら、負担の少ない胃カメラの検査方法に力を入れている医療施設を選ぶことが大切です。次の章では、胃カメラをラクに受けられる施設を選ぶ上で確認するべき重要なポイントについてお話しします。

胃カメラをラクに受けるための医療機関選びの4つのポイント

局所麻酔に加えて鎮静剤を使用できるかどうか

胃カメラ(胃内視鏡検査)では、喉もしくは鼻に局所麻酔を行うのが一般的です。局所麻酔とは、スプレー状やゼリー状にした麻酔で部分的に感覚を鈍くさせる効果があります。麻酔の量が少ないので、ウトウトすることもなく身体への負担もほとんどかかりません。

最近では、さらに痛みを減らす方法として鎮静剤を使った検査が一般的になりつつあります。とくに鎮静剤がおすすめなのは下記にあてはまる方です。

  • 初めて胃カメラを受ける方
  • 嘔吐反射が出やすい方
  • 以前に胃カメラを受けて苦しかった方

鎮静剤がしっかりと効けばリラックスして検査に臨めるので、ラクに受けられます。また、実際に受けてみてつらくなければ「また胃カメラを受けよう」と思えるようになり、定期的に検査を受けやすくなります。眠っているようなボーッとした感覚になりますが、呼びかけがあれば目を覚ますことが可能です。手術室で行うような全身麻酔よりも身体への負担が少なく、万が一効きすぎた場合でも拮抗薬を使えば確実かつすみやかに目を覚ますことができます。鎮静剤を使う医療施設のなかには、麻酔による偶発症(呼吸抑制、舌根沈下など)のリスクを下げるために、喉の局所麻酔を行わずに痛み止めを適宜処方するなどしてコントロールするところもあります。

鎮静剤を使える施設は限られており、万が一呼吸困難や血圧低下が起こった場合に備えて、血中酸素モニタリングやリカバリースペースなどの設備やスタッフの配置が整った施設のみです。施設によっては当日に鎮静剤を処方される場合もありますが、胃カメラを受ける施設が鎮静剤を使用できるかどうか事前に確認しておいたほうがよいでしょう。

補足として、鼻からチューブを入れて検査をする場合は鎮静剤を使用しないのが一般的です。また自治体の胃がん検診にも通常鎮静剤は含まれていないため、鎮静剤を希望する場合はオプションで選択できるかどうか自治体の検診内容を確認してみてください。

【鎮静剤の効果】

  • ほぼ眠っているような状態になる
  • 検査への恐怖心がやわらぐ
  • 検査中の苦痛や不快感がやわらぐ

【鎮静剤の注意点】

  • 高齢の方や薬にアレルギーがある方は使用できない場合がある
  • 呼吸が弱くなることがある
  • 血圧が下がることがある
  • 検査後に30分〜1時間前後休む必要がある
  • 検査当日に車やバイクなど運転ができない
  • 費用が別途かかる

経鼻内視鏡を選択できるかどうか

最近ではより不快感が少ない「経鼻内視鏡」を受けられる施設が増えてきています。胃カメラ(胃内視鏡検査)でオエっとしてしまう最大の原因は、口から入れたチューブが舌の付け根に触れてしまうためですが、鼻からチューブを入れると解剖学的な理由で吐き気をもよおすことが少なくなり身体への負担を減らせます。検査で使う内視鏡チューブの太さは、経口が直径10mm程度なのに対して経鼻は5mm程度でストローと同じくらいです。検査中に会話がしやすくなるので、胃カメラが初めての方でも安心感があります。

ただし、経鼻内視鏡は経口に比べて解像度が低く、観察範囲が狭くなってしまうといったデメリットもあるため、鎮静剤なしであれば経鼻を、鎮静剤ありであれば経口を選択することをおすすめします。

経鼻内視鏡の費用は、経口の場合よりも500円〜1000円前後高いことが多いですが、なかには同じ費用で選択できる施設もあります。また、自治体によっては胃がん検診で経鼻を選択できる場合があります。

【経鼻内視鏡のメリット】

  • チューブ挿入時の嘔吐反射(オエっという感覚)が少なくなる
  • 検査中にも医師と会話や質問ができる
  • 鼻への局所麻酔の量も少ないため、身体への負担がかかりにくい

【経鼻内視鏡のデメリット】

  • 検査終了後に鼻血が出ることがある
  • 経口内視鏡に比べて画質が劣る
  • 咽頭部分を観察できない
  • がんの疑いがある病変を見つけてもその場で切除できない(医療施設によっては生検のための切除は可)

炭酸ガス(二酸化炭素)送気装置が導入されているかどうか

胃カメラ(胃内視鏡検査)の不快感のひとつに、検査中や検査後のお腹の張りがあります。これは胃の中を大量の空気でふくらませることで、胃の中を観察しやすくしているためです。従来は空気を使うのが一般的でしたが、最近では身体への負担が少ない炭酸ガス(二酸化炭素)を利用した送気装置を導入する施設が増えています。炭酸ガスは空気に比べて100倍近い速さで体内の水分に吸収されるため、従来に比べて検査終了後の膨満感やお腹の痛みが少なく、ラクに検査を受けることができます

炭酸ガス送気装置はオプション料金を払えば使えるというわけではなく、医療施設に導入されていなければ使うことができません。ガスでお腹が張るのが苦手という方は、胃カメラを受けたい医療施設に炭酸ガス送気装置があるかどうか事前に問い合わせてみるとよいでしょう。

検査実績の豊富な医療施設かどうか

胃カメラ(胃内視鏡検査)の検査時間は一般的に15分前後ですが、熟練した医師なら5分程度で検査が終わります。検査時間をできるだけ短くして身体への負担を軽減したい場合は、熟練した医師がいる医療施設を選ぶことが大切です。

胃カメラの経験が豊富な医師を探す ポイントは2つです。まず、検査実績が豊富な医療施設を選びましょう。内視鏡検査は日々技術を磨いていく専門性の高い検査なので、多くの検査数を経験した医師ほどスピーディかつ高い観察技術を身につけている傾向があるのは間違いないでしょう。胃カメラ実績件数の目安として、年間1200件(指導施設の認定基準)を超えていれば内視鏡検査に力を入れている施設といえます*1

検査実績数以外にチェックするポイントとしては「消化器内視鏡専門医」が胃カメラを行っているかどうかです。消化器内視鏡専門医とは、日本消化器内視鏡学会が定めた厳しい研修と試験を通過した一部の内視鏡医のみが名乗れる資格なので、内視鏡を専門的に学んできた医師かどうかを簡便に見分けることができます。

ほかにも、以前に胃ポリープを指摘されたことがある方や胃がんの発症リスクを自覚している方は、がんが見つかった場合に備えて治療用内視鏡を実施している医療施設を選んでおくと万全です。万が一検査中にがんを疑う病変が見つかった場合、組織を採取するための器具や治療用の器具がそろっている医療施設なら、胃カメラでそのまま病変を治療(切除)できることもあります。

参考資料
*1. 日本消化器内視鏡学会 指導施設申請の認定基準

国内最大級の医療施設数! 最低価格保証がついて安心のマーソで人間ドックを予約

人間ドックを予約するなら、便利でお得なマーソがおすすめです。マーソは人間ドックの施設数が最多なので、自分にぴったりの施設を見つけることができます。予約もオンラインで24時間いつでもどこでも手軽に完了。オンラインが苦手な方、お急ぎの方は、電話での予約も可能です。さらに、マーソは最低価格保証がついているため、どこよりも費用を抑えて人間ドックを受診することができます。

人間ドックは、受診して結果を確認して終了、ではありません。受診する医療施設に左右されずに経年変化を追うことが重要です。

こちらの記事の監修医師
上昌広

1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。 虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

山本 佳奈
     

1989年生まれ。滋賀県出身。医師。 2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

がん検診
人間ドックのミカタ
タイトルとURLをコピーしました