健康診断

HDL・LDLコレステロールの基準値-LDLコレステロールが高いと心筋梗塞のリスク増大

HDL・LDLコレステロール 健康診断
上昌広
こちらの記事の監修医師

東京大学医学部卒医学博士。特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)

コレステロールは血液中に存在する脂質の一種で、HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールに大別されます。このうちLDL(悪玉)コレステロールが高値になると、動脈硬化という状態になりメタボリックシンドロームになりやすくなるだけでなく、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞で亡くなるリスクも高まります。

肥満者の割合は40〜50代がピークです*1。この記事では、コレステロールの値が高いと悩んでいる方に向けて、HDLコレステロールとLDLコレステロールの違い、コレステロールが動脈硬化を引き起こす仕組み、発症リスクが上がる病気について解説します。記事の後半では、コレステロール値を改善する効果が認められている科学的な方法を食事、運動、その他の項目ごとに紹介します。

★こんな人に読んでほしい!
・健康診断でHDLコレステロールが高いあるいは低いと言われた方
・健康診断でLDLコレステロールが高いあるいは低いと言われた方
・LDLコレステロールを下げたい方

★この記事のポイント
・HDL(善玉)コレステロールもLDL(悪玉)コレステロールも脂質の一種であり、生命維持には一定量存在している必要がある
・年齢とともに代謝と筋肉量が落ちるため、運動不足の人は肥満になる傾向がある
・LDLコレステロールを減らすためには飽和脂肪酸とトランス脂肪酸が多い食品は過剰摂取を控え、ウォーキングなどの有酸素運動を毎日30分以上行うのが望ましい
・その他LDLコレステロールを減らす方法として、禁煙やストレス解消が挙げられる

コレステロールとは

コレステロールとは、血液中に流れる脂質の一種です。コレステロールには生命維持に重要な役割があり、細胞膜やステロイドホルモン、ビタミンD、脂肪の消化を助ける胆汁酸などの原料になっています。体内で使うコレステロールのうち2〜3割は食事などで小腸から取り入れられて、残りの7〜8割はおもに肝臓で合成されています*2。脂質は水に溶けにくいため、コレステロールは血中を循環するために「リポタンパク質」という物質と結びついています。

ここで登場するのが、低比重リポタンパク(LDL:Low Density Lipoprotein)と高比重リポタンパク(HDL:High Density Lipoprotein)です。

前者は「悪玉」と呼ばれ肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ役割をする一方で、後者は「善玉」と呼ばれ血管内に溜まったコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ役割をしています。LDLとHDLによって運ばれるコレステロールのことをそれぞれ「LDL(悪玉)コレステロール」、「HDL(善玉)コレステロール」といいます。

LDLコレステロールもHDLコレステロールも一定量は生命維持に必要ですが、量のバランスが崩れてしまうと、脂質異常症など生活習慣病が起こる原因になります。そもそもLDL(悪玉)とHDL(善玉)の機能の違いはなんでしょうか? 動脈硬化が起こる仕組みと発症リスクが上がる病気もあわせて次の章で解説します。

HDLコレステロールとLDLコレステロールの違い

HDLコレステロールとLDLコレステロールの特徴

HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールのおもな特徴の違いを下記の表にまとめました。

HDLコレステロールLDLコレステロール
意味高比重リポタンパク(HDL:High Density Lipoprotein)に含まれているコレステロールのこと低比重リポタンパク(LDL:Low Density Lipoprotein)に含まれているコレステロールのこと
通称善玉コレステロール悪玉コレステロール
HDLとLDLの機能・HDLは身体の細胞で使われずに血管内に蓄積してしまったコレステロールを回収して肝臓に運ぶ
・血管壁に蓄積した余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す作用があり動脈硬化を抑制する
・LDLは肝臓で作られ、全身の組織や細胞内にコレステロールを運んでステロイドホルモンの産出、細胞膜の形成などを行う
・過剰に血液中に存在すると血管壁に沈着していき動脈硬化が起こる
粒子サイズ大きい小さい
含まれているタンパク質の割合多い少ない
含まれているコレステロールの割合少ない多い

LDLコレステロールが増えると動脈硬化のリスクが高まる

LDL(悪玉)コレステロールが過剰に存在している状態が慢性化すると、動脈硬化になるリスクが高まります。血中のLDLコレステロールが一時的に増えても肝臓での生成量が減ることで正常値に戻りますが、血液内に過剰に存在している分のLDLコレステロールは徐々に血管内に沈着していきます。沈着したLDLコレステロールが酸化変性を起こして固まって作られるのが「プラーク」です。

動脈硬化画像

動脈硬化とは、このプラークが血管(動脈)内に増えて血管壁が暑くなったり硬くなったりして本来の働きが悪くなる状態のことを指す呼び方で、病名ではありません。

基本的に、動脈硬化は無症状です。20〜30年ほどかけて徐々に全身の血管に動脈硬化が起こっていくので、自覚症状が現れたときには血管が血栓によって詰まったり、糖尿病になっていたりすることもあります。動脈硬化を悪化させる危険因子には、ほかにも高血圧(収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上)、脂質異常症、喫煙、糖尿病などがあります。

動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを高める

動脈硬化になると、血液の流れが悪くなるだけではなく最悪の場合には血管が閉塞してしまうこともあります。プラークが脂質に富んでいて剥がれやすい状態のものは「不安定プラーク」といい、なんらかの原因でプラークが破れるとそれが血栓を形成します。血栓が頭の血管に詰まると脳梗塞が、心臓の血管に詰まると心筋梗塞が起こるリスクがあります。いずれもある日突然倒れてしまう突然死の一因です。実際、日本人の約5人に1人は動脈硬化が起こり心臓や臓器に負担がかかることで起こる病気(動脈硬化性疾患)や脳血管疾患で亡くなっています*3

40〜69歳の男女3.3万人を対象にコレステロールと脳梗塞の発症リスクの関係を評価した研究では、一部のグループに明らかな発症リスクの上昇が見られました。総コレステロール値が高値(240mg/dL以上)の男性は低値(180mg/dL以下)の男性に比べて脳梗塞を発症するリスクが約2倍も高くなることが明らかになっています*4

HDLコレステロールとLDLコレステロールの基準値早見表

血液検査におけるコレステロールに関する項目の基準値は以下の通りです*5

・HDL(善玉)コレステロール[単位:mg/dL]

40以上異常なし
35〜39要経過観察
34以下要医療※

・LDL(悪玉)コレステロール[単位:mg/dL]

60〜119異常なし
120〜139軽度異常
140〜179要経過観察
59以下、180以上要医療※

・トリグリセリド(中性脂肪)[単位:mg/dL]

30〜149異常なし
150〜299軽度異常
300〜499要経過観察
29以下、500以上要医療※

・Non-HDLコレステロール[単位:mg/dL]

90〜149異常なし
150〜170軽度異常
170〜209要経過観察
89以下、210以上要医療※

トリグリセリドは体脂肪(皮下脂肪、内臓脂肪)の大部分を占める脂質の一種で、増えすぎると肥満や動脈硬化の原因になります。HDLコレステロールとともに、メタボリックシンドロームの指標のひとつになっています。また、Non-HDLコレステロールとは総コレステロールからHDLコレステロールを差し引いた値で、LDLコレステロールだけでなく中性脂肪が含まれるリポタンパク、脂質異常によりあらわれるレムナントなどを考慮して動脈硬化の進行度を総合的に評価できるリスク指標です。

ただし、上記の基準値は動脈硬化性の疾患を発症するリスクが低い方を対象にしています。高血圧、糖尿病、心筋梗塞など動脈硬化を起こす疾患がある場合には、より厳しい目標値が設けられているため注意が必要です。

<注>

  • LDLコレステロールはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)または直接法で求める
  • TG(トリグリセリド)が400mg/dLや食後採血の場合はnon-HDL(TC-HDLコレステロール)かLDLコレステロール直接法を使用する。ただしスクリーニング時に高TG血症を伴わない場合はLDLコレステロールとの差が+30 mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する
  • 空腹時(10時間以上の絶食)採血を原則とする

※要医療:医療機関に受診をして医師の指導や治療を受ける必要があること

LDLコレステロールが高くなる原因

LDL(悪玉)コレステロールが高くなる原因には食生活の乱れ、運動不足といった後天的な要素が多いですが、遺伝的な要因が関係していることもあります。LDLコレステロール値を悪化させてしまう原因について具体例を挙げて解説します。

飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の過剰摂取

コレステロールを高くする原因となっているのが、脂肪の多い欧米化された食事です。「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」という脂質を多く含んだ食品は、LDL(悪玉)コレステロールを増加させて、心筋梗塞など循環器疾患が発症する原因になります。飽和脂肪酸は比較的摂取量が多く、身体への影響が出やすいため真っ先に意識して減らしたい脂質です。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では男女とも総エネルギー摂取量の7%以下が目標値に設定されています。具体的には以下のような食品を摂り過ぎないように注意しましょう*6

飽和脂肪酸が多く含まれる食品例:牛肉・豚肉・バター・チーズ・牛乳、チョコレート、ココナッツ、パーム油

次に注意したいのが、トランス脂肪酸です。トランス脂肪酸のほうが飽和脂肪酸よりもLDLコレステロールを上昇させてHDL(善玉)コレステロールを減らす傾向があり動脈硬化の原因になりやすいことが試験データから明らかになっています*6。トランス脂肪酸には2種類あり、ひとつは牛乳や乳製品に含まれる天然にできるもので、もうひとつはマーガリンやショートニングなど油脂を加工・生成する工程でできるものです。後者は冠動脈性心疾患の明らかな危険因子であることから、世界保険機構(WHO)をはじめアメリカなど複数の国ではトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に留めることを推奨しています*6日本はトランス脂肪酸の平均摂取量が0.4%程度とWHOが定める目標値を下回っており目標値の基準は定められていませんが、「トランス脂肪酸の摂取量は出来るだけ低く留めることが望ましい」と考えられています*6

トランス脂肪酸が多く含まれる食品例:マーガリン、パン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物など

運動不足、肥満

上で述べたような脂肪分が多い食事を摂る割合が増えていることに加えて、運動不足が重なると肥満になりやすくなりLDL(悪玉)コレステロール値も上がります。年齢を重ねると、エネルギー代謝と筋肉量が落ちるため、運動をしなくなるといつの間にか体脂肪(中性脂肪)が増えてしまうためです。20歳以上の男女を対象に厚生労働省が2836世帯に実施した調査によると、肥満者(BMI≧25kg/m2)の割合は男性33.0%、女性22.3%であり、年代別でみると男性は30代から肥満者の割合が増えはじめて40代、50代でピークになる傾向がありました*7

肥満になることで問題視されるのが、「小型LDLコレステロールの蓄積」です。小型LDLコレステロールは「超悪玉コレステロール」とも呼ばれ、普通のLDLコレステロールよりも粒子が小さいため血管壁に付着して酸化しやすい性質を持ち、動脈硬化を引き起こしやすいといわれています。またインスリン抵抗性である場合にも小型LDLが増加することが判明しています*8

※運動習慣:1日30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している状態を指す。

遺伝

遺伝子の異常によって、LDL(悪玉)コレステロールが増えやすい体質の方もいます。このような体質の方は「家族性高コレステロール血症」といって、正常に比べて肝臓でLDLコレステロールをうまく処理できないため比較的若い年齢から動脈硬化が起こりやすいです。

具体的な特徴を例に挙げると、

  • 血縁者が高コレステロール血症や心筋梗塞になっている
  • 若いころからLDLコレステロールが高値
  • 成人時のLDLコレステロールが180mg/dL以上
  • アキレス腱が厚い
  • 手の甲やまぶた、肘、膝に黄色の斑点がある
  • 角膜に白いリング状の線(角膜輪)がある

異常遺伝子の数によって軽症と重症に分かれ、軽症のケースは200〜500人に1人の割合で起こるといわれており、30万人以上の日本人が家族性高コレステロール血症だと推定されています*9。家族性コレステロール血症は早期診断・治療をすることが重要であるため、上に挙げた特徴に複数当てはまる場合は診察を受けることをおすすめします。

LDLコレステロールを減らすための予防策

食事

まずは、栄養バランスの取れた食事を取ることが重要です。やみくもに食べる量を減らしたり、特定の食品ばかり食べたりしてしまうと体調を崩してしまう危険があるので避けてください。日本動脈硬化学会では、脂質異常症の治療の一環として以下のように食生活を改善することを推奨しています*10,*11

【控えたほうがよい食品】

  • 動物脂(牛脂、調整ラード)、バター、ココナッツ油
  • 脂身の多い肉
    例:霜降り肉、ひき肉、鶏皮
  • 肉加工品
    例:ベーコン、脂の多いハム、ソーセージ
  • 内臓類、卵黄
  • 生クリーム、ナチュラルチーズ
  • 菓子類
    例:アイスクリーム、ポテトチップス、ケーキ
  • 甘味飲料
  • アルコール飲料(1日あたりのアルコール摂取量を25g以下にする)
    目安:ロング缶ビール(5%)1本、日本酒1合、ウィスキーダブル1杯、焼酎(25度)グラス1/2杯、ワイングラス2杯弱、缶チューハイ(7%)1本
  • 食塩を多く含む食品(6g/日未満にする)
    例:カップ麺、ラーメン、うどん、パスタ、ピザ、ポテトチップス、食パンなど

【十分に食べたいおすすめ食品】

コレステロール抑える食事
  • 未精製穀類、雑穀
    例:玄米、七分つき米、麦飯、ライ麦パン、全粒粉パン、そば
  • 魚(特に青背魚)
    例:イワシ、サバ、アジ
  • 大豆、大豆製品
    例:納豆、豆腐、高野豆腐
  • 緑黄色野菜、その他野菜
    例:にんじん、トマト、ブロッコリー、キャベツ、ピーマン
  • 海藻、きのこ、こんにゃく
  • 甘味の少ない果物
    例:グレープフルーツ、キウイフルーツ、オレンジ

鶏卵の卵黄は栄養素が豊富ですが、食べ過ぎるとLDLコレステロールを高めてしまう危険があります。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」ではコレステロール値に上限を設けていませんが、上限なく食べてもよいわけではありません。脂質異常症やその発症リスクがある方はコレステロール摂取量に制限があり、重症化を予防するために1日200mg以下に留めることが望ましいとされています。Mサイズの卵(黄身)1個にはコレステロールがおよそ235mg含まれているので、卵の摂取量は2日間で1〜2個程度が目安となります*12

また、「ローカーボ食」といういわゆる「糖質制限ダイエット」を自己流で行うのは危険です。方法を誤ってしまうとかえってLDL(悪玉)コレステロールが上がってしまったり、筋肉量が減少してしまったりすることもため、医師や管理栄養士の指導下で行うことをおすすめします。

運動

LDL(悪玉)コレステロールを低下させるには、食事と同じくらい運動が重要です。まずは適正体重すなわちBMIが22になる体重になることを目標にして、運動することを習慣づけていきましょう。

脂質異常症の治療では有酸素運動を毎日(少なくとも週3日以上)30分以上行うことが推奨されており、LDLコレステロールを低下させるとともにインスリン感受性を高めたり骨密度や脳機能を高めたりする効果もあるとされています*5

有酸素運動とは、軽〜中程度の負荷を継続的にかける運動のことで、酸素を使ってエネルギーを消費するため脂肪を効率よく燃焼させることができます。具体的にはウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがあります。負荷の目安は「軽く息が上がる程度(会話はできるけれど歌えない程度)」もしくは「軽く汗ばむ程度」です。負荷をかけすぎて息が上がってしまうと、無酸素状態になってしまいかえって体脂肪が消費されにくくなるので注意しましょう。バランスボールや体幹トレーニング、なわとびなど室内で運動する方法もあります。

何よりも重要なのは「継続する」ことなので、できるだけ無理をせずに楽しく取り組める運動法を見つけて取り組んでみてください。

その他

【禁煙】
喫煙はがんだけではなく、メタボリックシンドロームや糖尿病の発症リスクを高める原因にもなります。メタボリックシンドロームでかつ喫煙している方は、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳梗塞の「スーパーハイリスク群」と呼ばれ、それぞれ発症するリスクが非喫煙かつ非メタボの方に比べて3.0倍、2.5倍に跳ね上がることがわかっています*13

楽に確実にタバコをやめるなら医療機関で「禁煙治療」を受けるのがおすすめです。2006年以降は保険適用で受けることができ、2020年度からは加熱式タバコ使用者も対象に含まれます。禁煙治療は基準を満たした医療施設で12週間に5回受けることができ、呼気一酸化炭素濃度測定を受けたり、必要に応じて離脱症状を抑える貼り薬や飲み薬を処方してもらえたりします。禁煙治療を受けるためにはいくつかの条件を満たす必要があり、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×年数)が200以上であること、依存度を判定する質問に答えてニコチン依存症と診断されていること、治療の内容や手順に文書上で同意できることなどがありますが、35歳未満は禁煙本数や喫煙年数によらず保険適用での受診が可能です*14

禁煙をすると一時的に体重が増えることがあるため、「禁煙すると太るからイヤだ」という方もいますが、禁煙治療などで処方されるニコチン製剤は離脱症状による食べ過ぎを抑えるのにも効果的です。

【ストレス軽減】
肥満は精神的な影響も大いに受けています。一部のうつ病には過食の症状があり、メタボリックシンドロームと明らかな関連があることを認めた研究もあり、気分が沈むことで活動が低下して怠惰な生活習慣や過食をしてしまい悪循環になってしまう可能性も大いにあると言及されています*14

とくに男性は意識的にストレスを軽減する行動を取り入れてみることをおすすめします。働いている男女98人を対象にストレス対処方法の行った研究では、男性に比べて女性のほうが6.1倍ストレスに対処する行動をしている割合が高いことが判明しています*16。ストレスを軽減する方法にも男女で傾向があり、男性は趣味や運動などで好きなことを1人でする時間が気分転換になっている人が多いのに対して、女性は友人や家族と話したり、買い物をしたり人と関わる時間を持つことでストレスに対処している割合が高いです*16

自分に合った方法で気分を落ち着かせることが、結果的に肥満解消につながる場合もあることを覚えておきましょう。

 参考資料
*1. 厚生労働省「令和元年(1999年)国民健康・栄養調査結果の概要」p.18
*2. 厚生労働省「e-ヘルスネット」コレステロール
*3. 日本生活習慣病予防協会 生活習慣病の調査・統計「動脈硬化」
*4. 国立がん研究センター 予防研究グループ「血清コレステロール値と脳卒中とその病型別との関連について」
*5. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス」
*6. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」p.133,140,141
*7. 厚生労働省「令和元年(2019年)国民健康・栄養調査結果の概要」p.14,15
*8. 平野勉「糖尿病と動脈硬化 2.成因と治療 脂質異常(2017)」日本糖尿病学会誌第60巻第7号(日本糖尿病学会)
*9. 日本動脈硬化学会「家族性コレステロール血症診断ガイドライン2017」
*10. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス」(2014年)
*11.日本動脈硬化学会「The Japan Diet 動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事」(2020年)
*12. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
*13. 厚生労働省「脱メタバコ支援マニュアル」p.5
*14. 厚生労働省「e-ヘルスネット」禁煙治療ってどんなもの?
*15. 竹内武昭, 中尾睦宏, 矢野栄二「メタボリック症候群と非定型うつ病の関連(2014)」精神神経学雑誌第116巻第9号(日本精神神経学会)
*16. 浦川加代子, 萩典子「勤労者のストレス対処行動と職業性ストレスとの関連(2008)」三重看護学誌10巻P89-92(三重大学医学部看護学科)

日本最大級の人間ドック・健診予約サイト 全国1,200以上の医療施設から比較検討が可能です

マーソは全国約8,000プランを価格・場所・検査内容・日程等から検索することが可能です。
空き状況の確認と予約がWEBからいつでもすぐにでき、コンシェルジュによる電話相談にも対応しております。
またマーソでは、全国の提携施設で使用できる国内初の人間ドック・健診共通ギフト券「マーソギフト券」の発行や、人間ドックを受診するとTポイントが貯まる等、予防医療をより身近にするために様々な取り組みを実施しています。

多くの方にご利用いただき人間ドック予約サイトNo.1多くの方にご利用いただき人間ドック予約サイトNo.1

※1「年間予約数」「掲載施設数」のデスクリサーチ及びヒアリング調査 ※2「使いやすい」と思うサイトの比較イメージ調査(男女/20-69 歳/人間ドックを受診したことがある人)※個人向け人間ドック予約サービス検索上位3サイト/22年11月~12月/調査会社:(株)ドゥ・ハウス

上昌広
こちらの記事の監修医師

特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
健康診断
人間ドックのミカタ
本サイトの情報は、病気や予防医療への理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解を支持するものではありません。自覚症状のある方は、すみやかに診察を受けてください。また、本サイト上の情報に関して発生した損害等に関して、一切の責任を負いかねます。
タイトルとURLをコピーしました