2018.3.30

細菌やウイルスの持続感染が原因でがんになる!?【がんと生活習慣】

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 内科医・研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

がんのうち18%がウイルスや細菌の持続感染が原因


「世界でウイルスや細菌等の持続感染が原因で発生するがんの割合は、18%程度と推計されています」と、厚生労働省のがん研究センター・がん情報研究サービスは、国際がん研究機構(IARC)の2003年の報告を紹介している(※1)。10年以上前のデータではあるが、現在の医療現場においても、胃がんや肝臓がん、子宮頸がんなどはウイルスや菌の持続感染が起因しているとして治療や予防を行っている。

感染原とがんの部位

具体的に、世界における慢性感染に起因するがんを見ていこう。

ウイルスが原因でかかるがんで年間患者数がもっとも多いのは、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)による子宮頸がんやその他のがんだ(※2)。次いでヘリコバクター・ピロリ菌 (H. pylori)による胃がん、EBウイルス (EBV)によるリンパ腫や鼻咽頭のがんなどがある。

また、「感染に起因するがんは、先進国全体では9%と比較的低いのに対し、発展途上国では23%」と発表されており、ウイルスや細菌の感染に起因するがんは、インフラなどの環境整備の影響もあると考えられる(※3)。

感染予防、治療はできるのか?

ワクチンにより感染予防できるウイルスもある。ヒトパピローマウイルス感染症を防ぐ子宮頸がん予防ワクチンや、肝炎ウイルス感染を防ぐB型肝炎ワクチンなどである。
また、持続感染をしないことが大切なため、感染が認められた場合には、胃がんを引き起こすピロリ菌やC型肝炎ウイルス、住血吸虫などは投薬による感染体の駆除・排除を行う。

厚生労働省のがん研究センターがん情報研究サービスによると、「日本については胃がんや肝がんが多いため、感染に起因するがんは20%と、先進国の中では高いほうです」とのこと(※3)。一部のがんの原因となるウイルスは感染していても自覚症状がない場合もあるので、肝炎ウイルスやピロリ菌、ヒトパピローマウイルスについては、一度、感染の有無をチェックするのも手だ。人間ドックのオプションなどを活用したい。また万が一、がんに罹ったときの対策、保険なども考えておこう。

■ 出典
※1 厚生労働省 がん研究センターがん情報研究サービス 予防・検診 がんの発生原因と予防「人のがんにかかわる要因」 4.持続感染(ウイルス、細菌、寄生虫)

※2 厚生労働省 がん研究センターがん情報研究サービス 予防・検診 がんの発生原因と予防「人のがんにかかわる要因」表3 世界における慢性感染に起因するがん
Stewart BW and Kleihues, eds. World cancer report, pp57, IARC Press, Lyon (2003)

※3 厚生労働省 がん研究センターがん情報研究サービス 予防・検診 がんの発生原因と予防「人のがんにかかわる要因」」 4.持続感染(ウイルス、細菌、寄生虫)

※本記事は、特定の保険会社や保険商品について推奨するものではありません。


Colorda編集部