2018.7.27

みんなの入院日数と治療費の実態は?

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

ケガや病気への不安をなくすために、入院の実態を把握しよう


ケガや病気をすることに対して不安を感じている人は多い。公益財団法人生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、ケガや病気に対し「非常に不安を感じる」人は22.9%、「不安に感じる」人は34.7%、「少し不安を感じる」人は32.4%と、その合計は90.0%にのぼる(※1)。

ケガや病気に対する不安の具体的な内容のトップ6は、以下の通りである。(※2)。

  • 「家族に肉体的・精神的負担をかける」54.2%
  • 「長期の入院で医療費がかさむ」53.6%
  • 「後遺症や障害が残る」47.5%
  • 「三大疾病にかかる」42.5%
  • 「障害等により就労不能になる」42.0%
  • 「公的医療保険だけでは不十分」41.9%

多くの人が抱えている、病気やケガによる出費や家族への負担、働けなくなるリスクへの不安を軽減するためには、まず、万が一入院したときにかかる日数や費用を正しく把握することが大切だ。今回は、先ほどの「平成28年度 生活保障に関する調査」から、実際の入院日数と治療費のデータについて詳しく紹介する(※3)。

入院日数の平均は19.1日


入院経験がある人の、直近の入院における入院日数は平均19.1日となっている。もっとも多いのは「5〜7日」で25.4%、僅差で「8〜14日」が25.1%となっている。近年、入院日数は減少傾向ではあるが、万が一病気にかかった場合は、ある程度の期間、入院しなければならないこと、また入院中は仕事や家事を休まなければいけなくなることを覚悟しておきたい。

入院費の自己負担額は平均22.1万円、1日あたりは平均19,800円



実際に入院にかかった自己負担費用の平均は22.1万円。1日平均だと19,800円という結果だ。この費用には、公的医療保険の範囲内の費用だけでなく、その他自費の治療費、入院にかかる諸経費が含まれている。具体的には、治療費各種、入院にかかる食事代や差額ベッド代、見舞いに来る家族などの交通費、入院に必要な衣類や日用品などがある。

また、この平均費用は、高額療養費制度を利用して自己負担額を最小限に留めた人と高額療養費制度を利用しなかった人の両方の自己負担額が含まれていることを留意しておきたい。高額療養費制度とは、その月の医療費が一定額を超えた場合、その超えた金額が戻ってくる制度だ。たとえば、70歳未満の標準報酬月額が28万~50万円の方の場合、「80,100円+(総医療費〔公的医療保険適応前の金額〕-267,000円)×1%」が自己負担額の上限となる。しかし高額療養費制度は、公的医療保険が適応される診療に対してのみ適応される。食事代や差額ベッド代、保険外の診療費用はいずれにせよ自己負担なので注意しよう。

高額療養費制度を利用した人は6割以上


直近の入院時に高額療養費制度を利用した人は60.5%、利用しなかった人が29.2%となっている。高額療養費制度は社会保険や国民健康保険の加入者であれば、誰でも利用することができる制度であり、必要な医療サービスを提供してもらえる現物給付と療養費を支給してもらえる現金給付の2種類がある。先述の通り、食事代や差額ベッド代、保険外の診療費用など適用外の費用もあるが、入院などで医療費がかさむことがあれば利用したい制度なので覚えておいてほしい。

平均入院日数19.1日、平均自己負担費用22.1万円の入院に備える

これまでのデータから、ケガや病気で入院したときの平均入院日数は19.1日、平均自己負担費用は全体で22.1万円、1日平均だと19,800円だ。入院中は、仕事を休まなければならず収入が減る可能性もある。また、子どもが小さい家庭の場合、延長保育などで費用がかさむこともある。万が一のとき、家族に負担をかけないためにも、また治療に専念するためにも、治療費の負担と、収入減、入院中の支出の3つのお金のダメージに備えておくことが大切だ。

貯蓄はもちろん、保険での備えも検討しよう。たとえば、病気やケガ全般が心配な人は医療保険、日本人の死因第1位の悪性新生物(がん)が心配な場合は、がん保険の加入などを検討してほしい(※4)。がんと診断されたときに一時金が支払われるものや、先進医療*の費用を負担してくれるものなどもあり、治療中のお金をサポートしてくれる。

*先進医療とは、厚生労働大臣が認める医療技術で、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されている。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症(対象となる疾患・症状等)・実施する医療機関は随時見直される。

みんなの実際の入院日数や自己負担額を参考に、いくら貯蓄しておくべきか、いくら保険で保障を確保しておくべきかを考えてみよう。

■ 出典
※1 公益財団法人生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」 P13〈図表Ⅱ−1〉 ケガや病気に対する不安の有無
※2 公益財団法人生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」 P14〈図表Ⅱ−2〉 ケガや病気に対する不安の内容
※3 公益財団法人生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」 P15〜17
〈図表Ⅱ−4〉 直近の入院時の入院日数
〈図表Ⅱ−5〉 直近の入院時の高額療養費制度の利用経験
〈図表Ⅱ−6〉 直近の入院時の自己負担費用
〈図表Ⅱ−7〉 直近の入院時の1日あたりの自己負担費用
※4 厚生労働省 平成28年(2016)人口動態統計(確定数)の概況  第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

※本記事は、特定の保険会社や保険商品について推奨するものではありません。
AFH290-2018-5166 7月9日(190709)


Colorda編集部