2018.8.24

がんの三大治療のひとつ「放射線治療」の流れとは?

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

そもそも放射線治療とは?


がんの治療には手術、薬物療法、放射線治療の3つの方法があり、単独あるいは併用して行われる。そのなかのひとつ放射線治療は、患部に放射線を当ててがん細胞のDNAを傷つけ、死滅させる仕組みだ。がん細胞の根絶や骨への転移による痛みを緩和する目的で行い、がんの治療方法として100年以上の歴史がある(※1、※2)。身体の外から放射線をあてる外部照射、薬や注射などで体内に放射性物質を入れる内部照射があるが、一般的には外部照射が行われる(※2)。

放射線治療の流れ

放射線治療には大まかに分けると5つのステップがある(※3)。

1.放射線腫瘍医の診断・説明

放射線治療が必要と判断された場合、担当医をはじめ、場合によっては放射線腫瘍医から放射線治療について詳しい話を聞いてから治療がスタートする。治療方法や期間、効果、副作用について説明を受け、患者の意思で治療を行うことを決める。その後、具体的なスケジュールを決定していく(※4)。

2.シミュレーション

CTやX線検査などによってシミュレーションを行い、治療するときの姿勢や照射位置などを決める(※4)。

3.治療計画の作成

治療目的やがんの部位などから、コンピューターを使って照射の範囲や回数など、具体的な治療計画を決定する(※5)。

4.放射線の照射

放射線治療の1回目は確認作業などで時間を取られることもあるが、2回目以降は10~20分ほどで終了する。正確な部位に照射できるよう固定具を用いることもあり、照射時間はほんの数分だ(※5)。

5.治療の期間中

週5日間放射線をあて、数週間にかけて治療する。週に1回は担当医の診察を受け、体調の変化があればすぐに相談できる(※5)。

放射線治療を受けるときに必要な準備

放射線治療を受けることになったら、助成制度の確認と入院準備を行おう。担当医に検査や治療にかかる費用を聞き、高額になる場合は高額療養費制度の利用を検討したい。高額療養費制度は、1ヶ月の医療費が上限を超えたら超過した額が支給される制度だ。上限額は所得や年齢によって変わり、利用する際は加入している医療保険制度に連絡を入れる(※6)。また、民間保険会社のがん保険や医療保険に加入している人は、給付金の申請のため保険会社に連絡し必要な書類や手続きの仕方を確認しよう。

入院治療に必要な持ち物はできるだけ最小限に抑え、早めに用意しておくと焦りや不安が減る。放射線治療では照射した部位の皮膚が敏感になるため、着脱しやすい服や締めつけ感のない、ゆったりとした服や肌触りのいい下着を準備しておきたい。日光があたる部位には紫外線対策として日傘や帽子を用意しよう(※7)。

また、仕事や子どもの世話などの引継ぎは早めに行い、家族の介護など依頼できる人がいない場合はがん相談支援センターへの相談がおすすめだ。治療が始まるまでは体調を崩さないよう気をつけ、普段通りの生活を心がけてほしい。最近では、入院ではなく通院での放射線治療も行なわれている。治療方針にあわせて、周りに協力を仰ぎながら、がん治療へ専念してほしい。

■ 出典
※1※2 国立がん研究センター がん情報サービス 「放射線治療の基礎知識」
※3※4※5 国立がん研究センター がん情報サービス「放射線治療の実際」
※6 厚生労働省 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
※7 国立がん研究センター がん情報サービス「治療までに準備しておきたいこと」

※本記事は、特定の保険会社や保険商品について推奨するものではありません。


Colorda編集部
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