2018.8.31

乳がん検診、マンモグラフィ or エコーで迷うなら…決め手は「乳腺の状態」にあり?

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

マンモグラフィとエコーはどう違う?


近年、乳がんにかかる人が増えている。国立がん研究センターがん情報サービスの「がん登録・統計」で2003年と2013年のがん罹患数を比較してみると、30代では2,748人(2003年)から3,620人(2013年)と約1,000人増加し、40代では8,725人(2003年)から15,150人(2013年)と2倍近くになっている(※1)。

乳がんは、ステージが低いうちに適切な治療を受ければ治る可能性が高い。早期発見のためにも、定期的に検診を受けることが大切だ。

さて、乳がん検診には大きく「マンモグラフィ」「エコー(超音波検査)」がある。まずはこれらの特徴をみていこう。

マンモグラフィ

乳房を専用機器に挟みX線に当てて撮影し、がんの有無を調べる方法。乳がんの初期症状のひとつであるわずかな石灰化物をも写し出すことができるため、がんの早期発見につながる。
乳房のサイズにかかわらず撮影が可能で、機器に乳房を挟む時間は数十秒程度。この際、個人差はあるが痛みを伴うことがある(※2)。

X線を活用するため放射線被曝があるが、1回の撮影で受ける量は、私たちが1年間に暮らしのなかで受ける自然放射線量の1/50程度であり、健康被害はほとんどないと考えられている(※3)。ただし、妊娠中の女性は検診前に必ず申し出を。また、がんの疑いがある石灰化物は白く写るが、乳腺も白っぽく写る。そのため、乳腺が発達している女性の場合、小さな石灰化物が見えにくくなることがある。

エコー(超音波検査)

超音波を臓器に当てて、跳ね返ってきた音を画像にすることで身体の内部の様子を調べる方法。視触診ではわからない小さなしこりをみつけることができる一方で、マンモグラフィのように石灰化物をみつけることは不得意。検査に痛みをともなうことはほぼなく、放射線被曝もないため、妊娠中の女性でも検査が可能。また、乳腺が発達していることが多い若年層にも適している。

ただし、エコーによる乳がん検診の有用性は現時点では検討段階であり、検診は自費になることがほとんどだ。厚生労働省が定める「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」では、40代以上の女性に2年に1度の問診およびマンモグラフィによる検査が推奨されている(※4)。

検査方法に迷ったら乳腺の状態をひとつの目安に

さて、先ほどから何度か「乳腺が発達した女性」と記述しているが、実際に自分の乳腺がどうなっているかを外から目で確認することはできない。ひとつの判断材料となるのが、年齢だ。乳腺は思春期以降に発達し、30〜40代ごろにピークを迎える。その後は少しずつ縮小していき、閉経後には脂肪へと置き変わっていくのが一般的だ。

とはいえ、乳腺の状態は個人差によるところも大きく、一概に年齢のみで判断しがたいのも事実。その点、マンモグラフィは乳腺も白く写しだすため、自分の乳腺の状態を知る意味でも有用といえるだろう。つまり、撮影の画像をみて全体的に白い部分が多ければ乳腺が発達しているということだ。その結果、石灰化物が不明瞭な場合は、エコーでの検査を受けるとより安心だ。

あるいは、乳腺が発達していることが多い20〜30代ではエコー検査を行い、年齢に応じてマンモグラフィを受診するなどの方法も考えられる。
いずれにしても、検診を受ける前に医療機関へ問い合わせ、より自分に適した方法を相談するとよいだろう。

乳がん検診を受けるには?

乳がん検診は、40歳以上の女性を対象に自治体が実施しているほか、職場の健康診断や人間ドックなどでも受けることができる。自治体の乳がん検診は、対象年齢になると通知が来る場合もあれば、問い合わせが必要なケースなど地域によって異なり、費用もまちまちだ。40歳以上の女性は、まずはお住いの自治体に問い合わせてみるとよいだろう。

職場での健康診断では、メニューに婦人科系のがん検診が含まれている場合と、オプションなどでの申し込みが必要なケースがある。こちらも職場によって異なるため、事前に確認を。

また、万が一検診で乳がんがみつかったときのこともシミュレーションしておきたい。早期であれば治る可能性は高いが、医療費や、治療中の収入減など、経済的な不安はつきものだ。お金の面を気にせず治療に専念できるよう、医療保険やがん保険などへの加入も検討してはいかがだろう。

■ 出典
※1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」グラフベースより「乳がん罹患(2003年と2013年/全国推計値)」
※2 国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん検診の勧め 」「 2.マンモグラフィによるがん検診」
※3 国立がん研究センターがん情報サービス「がん検診」「 乳がん検診Q&A」
※4 厚生労働省「がん対策情報」「がん検診」「がん検診の種類」

※本記事は、特定の保険会社や保険商品について推奨するものではありません。
AFH290-2018-5232 8月13日(190813)


Colorda編集部
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