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2017.4.3

目が紫外線を浴びると肌が日焼けするメカニズム


「目が紫外線を浴びると肌が日焼けする」ということを知っていますか? 日焼け止めをしっかり塗っても肌が黒くなる人は、もしかしたら目の日焼けが原因かもしれません。

肌の日焼け対策は万全でも、目の日焼けは気にしていない人は多いのでは? 肌に直接紫外線が当たらなくても、目から入る紫外線が肌を日焼けさせてしまうのです。紫外線が目に与える影響と、目の紫外線対策についてちょっぴりご紹介します。

紫外線が目に入ると肌が日焼けする理由

目に強い紫外線が当たり、目の細胞にダメージが生じると、脳は有害な紫外線が侵入してきたことに反応して「メラニンを作って体を守れ!」という指令を出します。その結果、肌に直接、紫外線を浴びていなくても、シミやそばかすが生じる原因になります。いくらお肌のUVケアをしていても、眼が無防備だと、効果は損なわれてしまうのです。

紫外線の浴びすぎで失明することも

紫外線が要因となる主な眼の病気には、下記のようなものがあります。

白内障

眼科疾患の中で最も多い病気のひとつで、眼の中でレンズの役割を担う水晶体が濁って見えにくくなり、進行すると失明に至ることもあります。白内障による失明の約20%が、紫外線によるものと考えられています。

紫外線角膜炎

強い紫外線を浴びた時に起きる急性の角膜炎症で、紫外線の反射が強い雪面などで起きる「雪目(ゆきめ)」 が代表的なものです。眼球結膜(白目を覆う粘膜)の充血、異物感、流涙があり、ひどくなると強い眼痛を生じます。大部分は24~48時間で自然治癒します。

翼状片

眼球結膜(白目を覆う粘膜)が紫外線によってくり返し傷ついた結果、結膜組織が異常増殖して黒目(角膜)に侵入します。角膜内に侵入すると乱視を、瞳孔近くまで進展すると視力低下が起こります。充血や異物感などの初期症状から始まり、ドライアイや眼精疲労も引き起こします。

目を紫外線から守るには

人体に有害といわれているUVBは、UVカット機能のある眼鏡やサングラスの着用で90%、帽子の着用で20%、目に浴びる量を減少させることができます。紫外線を浴びてしまったら、UVケア効果のある目薬(紫外線による炎症や充血をケアするもの)を使用するとよいでしょう。

曇りの日でも紫外線の80%を浴びている!

曇りの日も、紫外線は地表に降り注いでいます。薄い雲では、UVBの80%以上が透過しているので、日差しがまぶしくないからといって油断は禁物です。

地面からの照り返しにも要注意

紫外線は、空から降ってくるだけでなく、地面に反射した分もプラスして浴びることになります。

地表面の種類と紫外線の反射率

  • 新雪…80%
  • 砂浜…10~25 %
  • コンクリート・アスファルト…10%
  • 水面…10…20%
  • 草地・芝生、土面…10%以下

日傘や帽子で上からの紫外線を防ぐのと同時に、UV対策用のサングラスや眼鏡で下からの紫外線も防ぐことが大切です。日差しは、目にまぶしいだけでなく、目を通して美容や健康に悪影響を及ぼします。レジャーやイベントで、野外で過ごすことが多い季節。意外と忘れがちな目の紫外線対策も、しっかり行っていきたいですね。

文/Dr.Note
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Colorda編集部