健康診断

健康診断当日の持ち物と受診の際の注意事項は? 検査前後の食事や行動についても解説

健康診断持ち物 健康診断
上昌広
こちらの記事の監修医師

東京大学医学部卒医学博士。特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)

年に一度の健康診断。1年も経過すると、健康診断当日に意識したいポイントも忘却の彼方。日程が近づき、ふと気になることが出てくるものです。この記事では、健康診断当日の知識として知っておきたいことや持ち物、安全かつ正確な検査を受けるためのポイント、検査前後の注意事項などを紹介します。

★こんな人に読んでほしい!
・検査前後でどんな行動がNGなのか気になっている方
・うっかりしていて健康診断前の注意事項を守れなかった方
・健康診断当日、体調が悪くなったときなどにどうすればよいか知りたい方

★この記事のポイント
・医療施設などから送付される健康診断の受診セットの内容をよく確認し、当日までに必要な持ち物を準備する
・当日の食事は、とくに血液検査と画像診断に影響する
・治療中・服薬中の方は、事前に受診の可否を主治医に確認しておく
・体調不良の場合、健康診断は受診できない。受診先に連絡を入れて指示を仰ぐ
・医療施設からの注意事項を守ることが、安全な検査実施と正確な検査結果を得るために大切

健康診断ではどんな検査が行われるのか

健康診断の内容は加入している健康保険によりさまざまですが、おもに問診、身体診察、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図検査などを行います。会社の定期健康診断 (労働安全衛生規則 第44条)の検査項目は下記の通りです*1

1.既往歴および業務歴の調査
2.自覚症状および他覚症状の有無の検査
3.身長※、体重、腹囲※、視力および聴力の検査
4.胸部X線検査※ および喀痰検査※
5.血圧測定
6.貧血検査(血色素量および赤血球数)※
7.肝機能検査:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)※
8.血中脂質検査:HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)※
9.血糖検査※
10.尿検査(尿中の糖および蛋白の有無)
11.心電図検査※
※印の項目は医師が必要でないと認めるときは省略可

健康診断の実施主体によって多少異なりますが、一部を除いて健康診断の検査項目はほぼ同じです。たとえば協会けんぽの「生活習慣病予防健診」では、上記の検査項目に加えて尿潜血検査、便潜血検査、胃X線(レントゲン)検査なども実施され、特定年齢で子宮頸がん・乳がんの検査などを追加できます*2

何を持っていけばいいの? 健康診断当日の持ち物

受診日が近づくと、予約した医療施設から案内や注意事項のほか、問診票、検尿・検便などの検査容器などの受診セットが送付されるのが一般的です。案内には健康診断当日の持ち物が記載されていることが多く、おもな持ち物は下記の通りです。

【基本的に必要なもの】
・健康保険証
・受診票(健康保険組合や会社が発行する受診承認書あるいは利用券、自治体等の特定健診やがん検診の利用券等)
・健康診断の種類に応じた問診票(質問票)、同意書などの書類
・検尿・検便など健康診断の種類に応じた検査容器
・普段使用しているメガネもしくはコンタクトレンズ(コンタクトレンズの方はコンタクトレンズケースと保存液も)
・支払い用のお金(クレジットカード払いができる医療施設もある。会社や健康保険組合から支払われ、個人での支払いが不要な場合も)

【健康保険組合の種類や医療施設によって必要なもの】
・医療施設の診察券(以前に受診したことがある医療施設の場合)
・お薬手帳、薬剤説明書(服用中の薬がある場合)
・他病院の検査結果(経過観察中や治療中などの場合)

料金は、オプション検査を予約している場合は別途必要です。また内視鏡検査を受診し、その場でポリープ切除をしたり、生検組織診断(生検)のために組織の一部採取を行ったりした場合、切除や採取については保険適用となり別途費用がかかります。切除や採取が必要になった際にどこまでその場で対応するのかは健康診断の種類によって異なるため、案内に記載がない場合は自身が加入する健康保険組合の担当者もしくは受診する医療施設に確認しておくとよいでしょう。

また、昨今は感染症予防のため不織布マスク着用が必須です。ノーマスクでは受診できません*3。医療施設によっては、布マスク・ウレタンマスクも受診不可としていることがあります。

健康診断当日までに準備すること

医療施設からの案内をよく確認する

医療施設からの案内等を受け取ったら、すみやかに開封し、案内・提出書類・検査容器など必要なものはそろっているか、受診日・健診コースの印字に誤りがないかなどを調べましょう。誤りがあった場合は医療施設に連絡し、本来予定していた受診日に予定していたコースを受けられるかを確認してください。案内や注意事項をよく読んで、事前に準備しておくことを把握しましょう。

健康診断の種類に応じた問診票(質問票)、同意書などを記入する

送付物の内容確認が終わったら、健康診断の種類に応じた問診票(質問票)、同意書などの提出書類に記入します。問診票を紙ではなくWeb入力としている医療施設の場合は、指定の期間内に送信しておきましょう。健康診断当日は問診票をもとに医師などから自覚症状や既往歴、内服薬などを質問されます。不快な症状がある場合は、どのくらい前から始まっているのか、自分の身体について回答できるようにしておきましょう。投薬治療を受けている方は、検査によっては、薬の服用を一時中止しなければならないものもあります。健康診断を受診しても問題ないか、必ず事前に主治医へ確認しておきましょう。また、家族歴(血縁関係のある家族・親族の既往歴)をたずねられることもあるため、把握していない方はあらかじめ家族に聞いておくとよいです。

尿検査や便潜血検査の検体を採取する

添付されている注意事項をよく読んで、尿検査や便潜血検査の検体を採取します。尿検査や便潜血検査の詳細、検体採取のポイントはそれぞれ次の通りです。

尿検査

健康診断の尿検査では、おもに尿蛋白、尿糖、尿潜血などを調べます。医療施設の方針にもよりますが、事前に検査容器が送付されている場合は、受診当日の早朝第一尿(朝起きてすぐの尿)を採取するとしている医療施設が一般的です。早朝第一尿がよいとされている理由は、起立性蛋白尿(立ったり腰を曲げたりなどの体位の変化によって検出される自然な蛋白尿)や運動による血尿を避けるためです*4,*5。医療施設や受診する健診コースによっては、受診当日に医療施設にて採取することもあります。

生理の場合は経血により尿蛋白や尿潜血などが陽性となり、再検査が必要となる可能性があります。そのため、生理中の尿検査は実施できないとしている医療施設も多いです。また、ビタミンC(アスコルビン酸)を多く含む食品の摂取は、尿糖や尿潜血で偽陰性となることがあるため、検査前日の夜から控えることが望ましいです*5,*6

検便(便潜血検査)

生活習慣病予防健診などで行われる便潜血検査は、便に混じった血液を調べることで大腸の出血の有無を確認し、がんの疑いを調べます。2日間に分けて便を採取する「2日法」が一般的で、厚生労働省が定める大腸がん検診もこの検査方法です*7

健康診断の何日前から採便してよいかについては、採取から4日以上経過すると検査の精度が低くなるため、健康診断当日を含む3日以内に採便することが推奨されています*8。ただし、医療施設によって方針はさまざまですので、受診先の指示に従ってください。がんによる出血は毎回便に付着しているわけではなく、1日分(1回法)の便潜血検査で大腸がんを指摘できる可能性は56%、2〜3回採便することで80%以上と言われています。検査の精度を高めるためにも、なるべく2日間採便して提出しましょう*9

体調管理に気をつける

健康診断で正確な検査結果を得るためには、案内や注意事項に書かれていることを守りつつ、普段の健康状態で受診することが理想的です。風邪をひいた状態などで受診すると、健康診断のさまざまな項目の検査結果が異常値となってしまう場合があります。

また、昨今は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、ほとんどの健康診断の実施主体や医療施設では、発熱、健康診断の数日前から体調がすぐれない、渡航歴がある、またそうした方々と接触した方の受診を不可としています。当日に風邪をひいているなど、体調不良の場合は健康診断を受けられず、別の日程に変更しなければならなくなります。これらは健康診断の案内に記載されているので、よく読み、体調管理にはじゅうぶん注意して当日を迎えましょう。詳しくは、後述の「健康診断当日、体調不良になったらまずは医療施設に連絡を」で解説します。

健康診断当日、受診までの注意事項

食事

食事は血液検査、尿検査、画像診断などに影響します。健康診断前の食事については、前日から当日はとくに制限されていることが多いです。下記は食事制限についてのよくある注意事項の例です。

【健康診断が午前の場合】
・前日の夕食は夜9時までに済ませ、アルコールを控える
・当日の朝食は絶食。ガムやアメなども口にしない

【健康診断が午後の場合】
・当日の朝食は朝7時までに済ませる
・その際、消化のよい食パンやうどんなど、油控えめで軽めの食事とし、乳製品や卵の摂取は控える
・以降はガムやアメなども口にせず、昼食は絶食

飲み物については、午前午後に関わらず、健康診断の2時間前までは少量(200ml程度)の水、白湯の摂取ならOKとしている医療施設が多いです。これは脱水症状を防ぐためです。水以外は検査に影響する可能性があるため避けましょう。食事を摂ると、一部の検査を受けられなくなる場合があります。実施できたとしても検査結果に影響することから、再検査となる可能性があります。「健康診断当日なのに、朝ごはんを食べてしまった」などの相談を知恵袋サイト等で見かけることがありますが、飲食の制限は事前に医療施設の注意事項をよく確認し、もし食事制限が必要な時間に誤って食事をとってしまったら、必ず医療施設に申告しましょう。

食事が影響する検査は以下の通りです。

血液検査

前日から当日の食事はとくに中性脂肪と血糖の値に影響します。加えて、アルコールも肝機能に関わるγ-GTPや腎機能に関わる尿酸の値に影響するため制限されます。食事制限中は糖分や脂肪分が含まれる飲料はもちろん、ガムやアメも砂糖が含まれているのでいずれも摂取はNGです。

尿検査(尿潜血)

前項で解説した通り、ビタミンC(アスコルビン酸)を多く含む食品の摂取は、尿潜血で偽陰性となることがあるため控えます。ビタミンが含まれる飲料にも注意しましょう。

画像診断

胃X線(レントゲン)検査、胃部内視鏡(胃カメラ)検査では、食事をとると食物によって胃の中が見えづらくなり、観察の精度が下がります。

薬・サプリメント

服用中の薬にもよりますが、薬は尿検査、血液検査、内視鏡検査の組織診などに影響します。一方、治療薬を飲まないことによる身体への影響も懸念されます。そのため、健康診断や人間ドックでは、食事制限がある場合でも、主治医の指示で毎日飲んでいる薬(血圧・心臓・神経系の薬など)は、いつもどおり服用してよいとしている医療施設が多いです。ただし、糖尿病治療薬(インスリン注射も含む)は当日服用してしまうと低血糖を起こす危険があります。いずれの薬の場合も、治療中の方は健康診断前後の服薬について、あらかじめ主治医に相談しておきましょう。

健康診断前の市販薬の服用については、医療施設により対応はまちまちです。ロキソニンやアセトアミノフェンのような鎮痛剤は早朝ならOKとしている施設、目薬はいつも通りOKとしている施設があります。案内に記載がなく、当日になって服薬したいほどの頭痛が起きた場合などは医療施設に問い合わせて服用の可否を確認してください。

風邪薬やドリンク剤などビタミンが入っている薬は採尿前日~当日に摂取すると、尿の成分に影響が出るため、尿検査で正しい検査結果を得ることができなかったり、再検査となったりする可能性があります。事前に受診先の注意事項をよく確認し、不明点があれば問い合わせておきましょう。

サプリメント

サプリメントについては、とくにビタミン剤は尿検査に影響するため、前日から服用しないこととしている医療施設が多いです。前項で紹介した通り、ビタミンCを多く含む尿の場合、尿糖や尿潜血の結果で偽陰性となることがあります。うっかり服用してしまった場合は必ず報告しましょう。

喫煙

健康診断前のたばこの制限については、受ける検査や医療施設によりさまざまです。喫煙が影響する健康診断の検査は、胃X線(レントゲン)検査、胃部内視鏡(胃カメラ)検査、血圧測定、心電図検査、血液検査などです。

とくに影響のある検査は、胃X線(レントゲン)検査と胃部内視鏡(胃カメラ)検査です。胃X線(レントゲン)検査では、健康診断前の喫煙により胃の動きが活発になることでバリウムが胃から押し出されたり、胃部内視鏡(胃カメラ)検査では、胃液が出ることで胃粘膜が見えにくくなったりして、いずれも撮影の精度が下がることがあります*10,*11

血圧測定や心電図検査などの循環器系の検査では、喫煙によりたばこのニコチンなどが影響し、正確な数値を測定できない場合があります*12。血液検査では、喫煙が糖代謝や脂質代謝などに影響することで、血中脂質、血糖などの検査結果が正確に得られない可能性があります。

健康診断前の禁煙タイミングについては、食事同様に前日から禁煙あるいは当日の朝から禁煙としている医療施設もある一方、健康診断の3時間前までならよいとしている施設もあります。受診先の注意事項を確認し、検査が終わるまでは禁煙しましょう。

またIQOS(アイコス)やglo(グロー)などの加熱式たばこも、たばこの葉を加熱しニコチンを染み出させて吸う仕組みのため、紙たばこと同様に禁煙しましょう。

運動

激しい運動は、尿検査の尿蛋白や尿潜血で陽性となったり、血液検査で肝機能に関わるASTや腎機能に関わる尿酸の値が高値となったりするなど検査結果に影響する場合があります。ハードな筋トレやジョギングなどが日課の方も検査前日~当日は控えましょう。

健康診断前日の注意事項について、詳しくは下記記事をご覧ください。

健康診断当日の服装や化粧は?

医療施設の健康診断では検査着が用意されていることがあります。検査着に着替える際に女性の方はブラジャー、タイツ・ストッキング、ガードルなどは外しておきます。時計、アクセサリー等も外します。足元が寒い場合は、靴下を着用してもよいとしている医療施設もあります。

一方、検査着のない医療施設の場合、男女ともに当日の服装は「着脱しやすい上下セパレート服」が望ましいです。男性は下に白の半そでTシャツを、女性はトップスがゆったりとした半袖Tシャツ、ボトムスはウエストゴムのスカートやフレアパンツ・ガウチョパンツ等がおすすめです。足元はタイツ・ストッキング、ガードル、ブーツの着用は避けましょう。

また健康診断当日の化粧は控えめにして、ネイルカラー(ジェルネイル、マニキュア等)は除去しておくことが望ましいです。

つい、うっかり! 注意事項を守れなかったら

食事制限や喫煙等の注意事項を守れなかった場合、そのまま検査を受けると検査に支障が出ることがあります。検査中に判明して中断になったり、結果数値に影響が出て再検査となったりすることもあります。もし注意事項を守れなかった場合は、いつ・何を・どのくらい食べたのか(飲んだのか)など、受付時や問診の際に医療施設に正直に申告しましょう。

健康診断当日、体調不良になったらまずは医療施設に連絡を

当日、体調不良になってしまったら

健康診断の前から風邪のような症状がある場合は、自己判断せず、事前に医療施設に連絡して指示を仰ぎましょう。昨今は、新型コロナウイルス対策として「受診前チェックリスト」などで健康診断当日の体調や過去の渡航歴、接触歴の事前確認が実施されています。受診前チェックリストの内容は健康診断の実施主体や医療施設ごとに設定されており、ひとつでも該当する項目がある場合は健康診断を受けることができません。以下は受診前チェックリストによくある項目です。

1)風邪をひいている
2)健康診断当日に発熱(平熱より高い体温、または体温が37.5度以上を目安)がある
3)次の症状がある:咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気、嘔吐、味覚・嗅覚障害など
4)過去2週間以内に発熱がある
5)2週間以内に法務省・厚生労働省が定める諸外国への渡航歴がある。または、家庭や職場内等でそうした方との接触歴がある
6)2週間以内に新型コロナウイルス患者やその疑いのある患者との接触歴がある(同居者や職場内の人を含む)
7)新型コロナウイルス患者に濃厚接触の可能性があり、待機期間内(自主待機も含む)である
8)新型コロナウイルスに感染し、入院中・宿泊療養中・自宅療養中のいずれかである(厚生労働省の定める退院基準・宿泊療養及び自宅療養等の解除基準を満たしていない方)

実施主体や医療施設によっては、発熱の目安を「37.0度以上」に設定している場合もあります。詳しくは、自身が受診する健康診断の案内等で確認してください。健康診断当日、ひとつでも当てはまる項目があった場合は、受診先に到着する前に連絡を入れ、日程変更やキャンセルの旨を共有し、体調が回復するなどしてから改めて予約しましょう。

生理期間と重なってしまった

健康診断当日が生理期間中に重なってしまった場合、経血が検査に影響するため当日の尿検査、子宮がんの検査などは実施できません。便潜血検査も生理期間に便を採取すると偽陽性で後日再検査となる場合があります。生理前後数日でも少量の経血が混じることがあるため、生理日が検体採取のタイミングと重なる場合、医療施設によっては後日提出としている場合もあります。生理による日程変更などの対応は医療施設により異なりますので、受診先の注意事項を確認しておきましょう。

健康診断当日の検査後の過ごし方

健康診断当日、検査後の過ごし方については、健康診断の内容や検査の際に使用した薬剤などにより、以下のように留意したい行動があります。

【食事】
食事制限後は水を多めに摂って、食事の際は胃に優しいものから食べる

【飲酒】
胃X線(レントゲン)検査や胃部内視鏡(胃カメラ)検査(組織診)を行った場合は控える

【風呂・運動】
体調不良などがなければとくに制限はないが、胃部内視鏡(胃カメラ)検査(組織診)を行った場合は長風呂や激しい運動は控える

【運転】
胃部内視鏡(胃カメラ)検査で鎮静剤を使用した場合は、車・バイク・自転車などの運転、精密な作業や高所での作業などはしない*13
※眼底検査で散瞳薬(瞳孔を強制的に開く点眼薬)を使用する場合、4~5時間程度まぶしい状態が続くため当日は運転等を控える*14

とくに検査後にも注意が必要なのが、胃X線(レントゲン)検査、胃部内視鏡(胃カメラ)検査です。

胃X線(レントゲン)検査では、検査終了後すみやかに下剤を服用します。アルコールやカフェインが含まれる飲食物は、その利尿作用により腸内の水分が奪われ体内のバリウムが固まりやすくなるため、バリウムが排出されるまでは控えましょう。もし、24時間以上経っても排便がなかったり、腹痛などの症状があったりしたときには医療施設に連絡して指示に従ってください。

胃部内視鏡(胃カメラ)検査については、受診後2時間ほど飲食は控えます。組織診を行った場合は、アルコールの摂取や長風呂、激しい運動は控えましょう。また、鎮静剤を使用した場合、検査後は薬剤の影響で眠気が残ることで判断力や集中力が低下する場合があるため注意が必要です。

検査結果が出る時期は医療施設により異なります。一般的には2~6週間後に郵送で受け取ります。

参考資料
*1.厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」
*2.協会けんぽ 2022年度用健診パンフレット「生活習慣病予防健診のご案内」
*3.日本総合健診医学会ほか「『健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策』の改訂について」(2022年)
*4.日本腎臓学会 診療ガイドライン-第4章 臨床に役立つフローチャート
*5.日本臨床検査医学会ほか「血尿診断ガイドライン 2013」
*6.愛知県臨床検査技師会 愛知県臨床検査標準化情報 検査値統一化ガイドライン 「尿定性検査の手順書」(2020)
*7.国立がん研究センター がん情報サービス 大腸がん(結腸がん・直腸がん)予防・検診
*8.日本予防医学協会 健康診断よくある質問「[健診前_09]便潜血検査の検体は何日前から採取可能ですか?」
*9.Nakama H1, Yamamoto M, Kamijo N, Li T, Wei N, Fattah AS, Zhang B (1999). Colonoscopic evaluation of immunochemical fecal occult blood test for detection of colorectal neoplasia. Hepato-gastroenterology, 46(25):228-231
*10.日本消化器がん検診学会関東甲信越地方会「胃X線検診安全基準 第2版」(2022)
*11.日本消化器がん検診学会「対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル 2015年度版」
*12.喫煙科学研究財団 喫煙と循環器機能-血液循環動態に及ぼす喫煙の影響-
*13.日本消化器内視鏡学会「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」(2020)
*14.日本人間ドック学会 眼

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上昌広
こちらの記事の監修医師

特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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