一度にほぼ全身のがんスクリーニングが行える検査としてPET-CT検査が知られていますが、最近では身体への負担がより少なくほぼ全身のがんを調べる「DWIBS(ドゥイブス)」が注目されています。この記事では、PET-CTと比べたDWIBS(ドゥイブス)のメリットやデメリット、費用相場、検査の流れなどについて解説します。
★こんな人に読んでほしい!
・全身のがん検査に興味がある方
・あらゆるがんのリスクが高まる40代後半以上の方
・DWIBS(ドゥイブス)とPET-CTの違いを知りたい、あるいはどちらを受けるか迷っている方
★この記事のポイント
・DWIBS(ドゥイブス)は高性能MRIによるがん検査法で、一部の医療施設では全身検査にも対応している
・DWIBS(ドゥイブス)は検査時間を短くしたい方、被曝を避けたい方、血糖値が高い方にとくにおすすめ
・DWIBS(ドゥイブス)もPET-CTもすべてのがんに対応しているわけではないため、検査精度を上げるには内視鏡検査や胸部CT検査などと組み合わせて受けることが大切
・DWIBS(ドゥイブス)の費用相場は5~8万円。PET-CTの費用相場(10万円前後)より安価に設定されている場合が多い
・DWIBS(ドゥイブス)はMRI装置や撮像条件によって画質が異なるため、適切な医療施設を選択して検査を受けることが重要
【全身のがんを調べたい方へ】PET検査やDWIBS(ドゥイブス)検査を受けられる医療施設はこちら
目次
DWIBS(ドゥイブス)とは?
ほぼ全身がん検索も可能。高性能MRIによる新しい検査法
DWIBS(ドゥイブス)とは、MRI装置を使ってがんやがんの転移を調べるMRIの撮像(撮影)※方法です*1。がん細胞など水分子の働きが悪い部分を検出し画像化します。正式名称は「DWIBS:Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression/背景抑制広範囲拡散強調画像」であり、2004年に日本人医師によって開発されました。
乳がんなど部分的ながんの探索でDWIBS(ドゥイブス)を用いている医療施設が多いですが、MRI技術の進歩により一部の医療施設では全身のDWIBS(ドゥイブス)が可能となっています。なお、DWIBS(ドゥイブス)は正確にはMRIの撮像方法を指しますが、医療施設などではDWIBS(ドゥイブス)を用いた全身(多くの場合、首から骨盤付近)のがん検査自体を「DWIBS(ドゥイブス)」と呼ぶことが多いです。そのほか「全身DWIBS(ドゥイブス)」「全身MRI検査」「全身拡散強調MRI検査」などと呼称している医療施設もあります。本稿では、DWIBS(ドゥイブス)を用いた全身の検査を「DWIBS(ドゥイブス)」とします。
※撮像:MRIでは被写体そのものを画像化しているわけではなく、体内の水素原子から発生した電磁波(電気信号)をコンピュータで数値処理して画像化しているため、本記事では「撮影」ではなく「撮像」を用いている。
乳がんの発見に特化した「無痛MRI乳がん検診」については下記記事で詳しく解説しています。
DWIBS(ドゥイブス)と従来のMRI、PET-CTとの違いとは
DWIBS(ドゥイブス)はMRI装置を用いた検査です。強い磁場を発する装置に入り、身体へ電磁波を与えることで体内から発生する微弱な信号を読み取って画像化し、異常の有無を観察します。DWIBS(ドゥイブス)では細胞密度が高く水分子の動きが悪くなっている部分が画像上で目立つように表示されます。
<DWIBS画像例>

一般的に「MRI検査」と呼ばれる検査とDWIBS(ドゥイブス)の違いは、大きく撮像範囲の違いと考えて問題ありません。頭部MRI、胸部MRIといったように部分的な検査を行うのが従来のMRI検査、より高性能なMRI装置と高度な撮像方法によって、がんの検索が広範囲で可能となったのがDWIBS(ドゥイブス)です。
全身のがんを調べる検査としてDWIBS(ドゥイブス)と比較されやすいのが、PET-CTです。PET-CTは、がん細胞のような代謝に異常のある部分を目立たせた画像と、全身の断面画像を組み合わせてがんの発見精度をより高める画像検査です*2。ブドウ糖に似た性質を持つ「18F-FDG(フルデオキシグルコース)」という放射性薬剤を体内へ投与し、FDGが多く取り込まれた部位(糖代謝が多い部位)ほど画像上で強く光るように表示されます。PET画像に3Dのように立体的なCT画像を重ね合わせることで、がんをより見つけやすくしています。FDGは尿として腎臓から膀胱へ排出されるため、尿路系(腎臓、尿路、膀胱)は異常がなくても光って見えることが多いなど、適切な観察が難しい部位もあるほか*3、食道や胃、大腸、肝臓などの早期がんの発見が難しいといったデメリットもあります。
PET検査とPET−CTの違いなどについては下記記事で詳しく紹介しています。
ドゥイブス(DWIBS)とPET-CTの比較
DWIBS(ドゥイブス)とPET-CTは、どちらも一度にほぼ全身のがんを調べられる画像検査です。全身のがんの検査を目的とした場合のDWIBS(ドゥイブス)とPET-CTの違いを比較表にまとめました。
DWIBS(ドゥイブス) | PET-CT | |
---|---|---|
食事制限 | なし※1 | 検査前絶食あり |
薬剤、注射 | なし※2 | 放射性薬剤を静脈注射 |
医療被曝 | なし | 放射性薬剤とCTによる被爆 |
検査時間 | 30分~1時間程度 | 注射を含めて3時間程度 |
検査御処置 | なし | 30分~1時間程度待機 |
糖尿病、 腎機能が悪い方 | 検査可能 | 検査できない場合がある |
検査で 見つかりやすいがん | 咽頭がん、甲状腺がん、食道がん、 乳がん、肝臓がん、胆のうがん、 胆管がん、子宮がん、卵巣がん、 腎臓がん、尿管がん、膀胱がん、 前立腺がん、悪性リンパ腫、 多発性骨髄腫(骨髄がん)など*4 | 頭頸部(咽頭、副鼻腔、喉頭など) がん、甲状腺がん、食道がん、 肺がん、乳がん、膵臓がん、 大腸がん、卵巣がん、子宮がん、 悪性リンパ腫など*5 |
検査で 見つかりにくいがん | 肺がん、胃がんなど*4 | 肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、 スキルス性胃がん、腎がん、 一部の肺がんなど*5 |
※1:経口造影剤を使用する医療施設の場合は当日食事制限あり
※2:腹部の臓器(膵管、胆管など)を詳しく調べる検査(MRCP)も同時に行う場合は経口造影剤を使用することがある
PET-CTは検査前に最低4時間の絶食が必要とされていますが*5、DWIBS(ドゥイブス)は基本的に食事制限の必要はありません。ただし、医療施設によっては腹部の検査の精度向上を目的として、数時間前からの絶食を指示している場合もあります。
PET検査で見つかりやすいがん・苦手ながんについては、下記記事で詳しく解説しています。
DWIBS(ドゥイブス)のメリット、デメリット
全身のがん検査としてPET-CTと比較した場合のDWIBS(ドゥイブス)のメリットは、医療被曝がなく、費用や時間も抑えられることなどから受診者にとって負担が少ない点です。
DWIBS(ドゥイブス)のメリット
- PET-CTと同等の精度
- 費用がPET-CTより安価
- 薬剤投与(注射)がない
- 放射線被曝がない
- 検査時間が比較的短く30分〜1時間程度
- 検査前の食事制限がない(医療施設による)
- 糖尿病や腎機能が悪い方でも検査可能
- 被曝のリスクがないので短い期間でも繰り返し受けることができる
- PET-CTが苦手とする尿路系(腎臓、尿管、膀胱)がんの発見に適している
一方、DWIBS(ドゥイブス)のデメリットとして、MRIの注意事項に準じた制限がある、受診できる医療施設が限られているなどが挙げられます。
DWIBS(ドゥイブス)のデメリット
- MRI装置を用いるため、ペースメーカーなどの体内金属があると検査不可の場合がある
- 受けられる医療施設が限られている
- 強い磁場の影響で、人によってはめまいなどの不快感が生じる場合がある
- DWIBS(ドゥイブス)で発見された病変がすべてがんというわけではない(炎症なども検出するため、他の検査結果と総合してがんか否かを判断する必要あり)
DWIBS(ドゥイブス)のがん発見率は? PET-CTどちらもすべてのがんを発見できるわけではない
DWIBS(ドゥイブス)とPET-CTは、どちらも一度にほぼ全身のがんの検索ができますが、先述の比較表にあるように、それぞれ検査によって見つかりやすいがんと見つかりにくいがんがあります。
DWIBS(ドゥイブス)は、PET-CTが苦手とする尿路系(前立腺、膀胱、尿管など)のがんや、子宮がんや卵巣がんなどの検出に有用とされています*4,*6。
一方で、肺や胃などのがんは見つけにくいとされています。また、正常なリンパ節や炎症している部位などがん以外の異常も検出するため*6、異常が見られた場合はがんかどうかを詳しく調べる検査が必要になります。
DWIBS(ドゥイブス)は比較的新しい検査法であるため、がん発見率など精度についてはデータを蓄積している段階ですが、DWIBS(ドゥイブス)とPET−CTを比較した場合、がんに対する「診断能力に大きな差異はない可能性が高い」とする報告があります*7。また、2020年には前立腺がんの骨転移を調べる検査として保険診療の対象となったほか、ヨーロッパでは骨髄がんを調べる際に最初に行う検査として認定されています*4。子宮体がんや卵巣がんなどの転移を調べる検査としても、造影剤を使用したCTと比較し遜色ない結果が得られたとの報告もあり*6、有用性が評価されてきています。
医療施設の設備や体制等が整いDWIBS(ドゥイブス)が一般により広まれば、がん検診としての有用性が期待されますが、前述のようにすべてのがんが見つかるわけないため、DWIBS(ドゥイブス)さえ受けていれば安心とは言い切れません。自治体が実施するがん検診や企業の健康診断に付帯するがん検診も欠かさずに受けましょう。また、肺がんは胸部CT、胃がん、大腸がんは内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査といったように、MRI以外で部位ごとに適した検査を組み合わせることが、がんの発見精度の向上につながります。
DWIBS(ドゥイブス)の費用
がん検診としてのDWIBS(ドゥイブス)の費用相場は5~8万円。医療施設や検査コースによって異なる
人間ドックなど、自由診療でDWIBS(ドゥイブス)を受診する場合の費用相場は5~8万円前後です。PET-CTの費用相場(10万円前後)と比べると安価に設定されている場合が多いです。乳がんのみを対象とした乳腺DWIBS(ドゥイブス)コースの費用相場は2~3万円前後です。
DWIBS(ドゥイブス)の費用は、医療施設によって異なります。その差はおもに、下記の事由が関連していると考えられます。
- DWIBS(ドゥイブス)に加えて数種類の撮像法により検査を行っている
- 最新のMRI装置を導入している
- 画質向上に力を入れている
- 専門の読影医が遠隔診断を行っている
費用が高くなる分、検査の質を向上させる工夫を行っている場合が多いです。DWIBS(ドゥイブス)を受ける際の医療施設の選び方については「ドゥイブス(DWIBS)医療施設を選ぶ4つのポイント」をご参照ください。
DWIBS(ドゥイブス)は保険適用で受けられる?
人間ドックでDWIBS(ドゥイブス)を受ける場合は、原則保険適用にならず全額自己負担です。これは人間ドックが健康診断を目的としており、けがや病気の診断・治療ではないからです。人間ドックの結果で精密検査が必要になった場合、その後の検査費用等は保険適用となります。
なお、前立腺がんの骨転移を調べる目的でDWIBS(ドゥイブス)を受ける場合は保険適用になります*8。
会社や自治体の人間ドック補助制度を利用できる場合がある
前述した通り人間ドックは全額自己負担ですが、全国健康保険協会(協会けんぽ)、健康保険組合、自治体など所属している団体によっては人間ドックの費用補助・助成を受けられる場合があります。補助額は5,000~20,000円前後と幅広く、また適用の条件も所属団体によって異なります。加入している健康保険組合等が人間ドック補助・助成を行っているか調べておきましょう。
各自治体の人間ドック補助・助成についてはこちらにまとめています。
DWIBS(ドゥイブス)の流れ
DWIBS(ドゥイブス)にかかる時間は30分~1時間程度
DWIBS(ドゥイブス)の検査の流れや結果までにかかる日数は下記の通りです。
【検査前まで】
検査前日、当日ともに食事や行動制限は原則ありません。ただし、経口造影剤を使用するなどの理由から、医療施設によっては検査当日の食事制限を指示する場合があります。
【検査当日の流れ】
1)検査予約時間までに検査受付へ
2)問診票の記入
3)検査待合室へ移動
4)更衣室で検査着へ着替えて待機
5)MRI検査室へ入室し、DWIBS(ドゥイブス)検査(約30分~1時間程度)
※検査は専用のコイルを身体の上や顔の前に設置して撮像する場合が多いです。痛みはなく、寝ているだけで終了します。
6)更衣室で着替えを済ませる
【結果説明】
医療施設によって異なりますが、おおむね2〜3週間程度で郵送される場合が多いです。
DWIBS(ドゥイブス)の注意事項
DWIBS(ドゥイブス)はMRI装置を使用するため、受診にはMRI検査と同等の注意事項があります。
【DWIBS(ドゥイブス)を受けられない可能性がある方】
下記の方はDWIBS(ドゥイブス)すなわちMRI検査を受けられない場合があるため、事前に医療施設へ検査可否を確認してください。
- 妊娠中
- ペースメーカー、人工関節、人工内耳、脳動脈クリップなどの体内金属がある
- 磁石式の入れ歯をしている(使用不可能になる場合がある)
- 入れ墨やアートメイクをしている(変色や発熱する場合がある)
- 閉所恐怖症
- 検査中安静にすることが困難
など
【DWIBS(ドゥイブス)検査室へ持ち込むことができないもの】
下記のものはドゥイブス(DWIBS)検査室すなわちMRI検査室に持ち込めないため、着替えの際にすべて外しましょう。
時計、ピアス、ネックレス、入れ歯、携帯電話、カラーコンタクトレンズ、アルミニウムなど金属が使用されている貼付剤、カイロなど
閉所恐怖症の方はアイマスクをする、枕を低くする、音楽を流すなどで不安な気持ちが和らぎ検査を受けられる場合があります。閉所恐怖症があり検査をためらっている方は、圧迫感を少なくする工夫をしているかどうか医療施設に確認してみるのもよいでしょう。
MRI検査を受ける際の注意事項はこちらでも紹介しています。
DWIBS(ドゥイブス)は生理中でも受診できる?
医療施設によっては、生理中のMRI検査は問題ないとしているところもありますが、「無痛MRI乳がん検診」などの名称で乳がんに特化したDWIBS(ドゥイブス)検査を行っている医療施設では、生理前や生理中の検査は避けたほうが望ましいとしているところもあります。
MRI装置の特性上、生理中は検査ができないわけではありませんが、検査の精度に関わる場合があるため、できれば生理前から生理中は避けたほうが望ましいでしょう。
生理中でも健康診断や人間ドックを受けられるかどうかについては下記記事で詳しく解説しています。
DWIBS(ドゥイブス)の医療施設を選ぶ4つのポイント
DWIBS(ドゥイブス)に力を入れている医療施設であるか
DWIBS(ドゥイブス)に力を入れている医療施設を見つける方法のひとつとして、「ドゥイブス・サーチ」の登録施設かどうかが挙げられます。ドゥイブス・サーチとはDWIBS(ドゥイブス)法の開発者である高原太郎医師がMRIによる無痛乳がん検診を普及させるために立ち上げた医療サイトです*9。
ドゥイブス・サーチでは、「無痛MRI乳がん検診が実施できる全国の医療機関」として、全国50ヶ所以上の医療施設が登録されています(2024年1月現在)。登録されているすべての医療施設は、一定の基準を満たしたMRI装置を使用していることや、高原医師本人による画像撮像法などの指導を受けていることに加えて、専門の読影医による遠隔読影が行われています。
登録医療施設のなかには全身DWIBS(ドゥイブス)に対応した医療施設もあります。詳しくはドゥイブス・サーチ(外部サイト)にて確認してください。
MRI画像の画質向上に力を入れているかどうか
DWIBS(ドゥイブス)はMRI撮像法の一種であり、画質は装置の種類や撮像条件によって異なります。日々画質の向上に努めている医療施設を選ぶ目安となるのが、日本医学放射線学会による「画像診断管理認証施設」かどうかです。
画像診断管理認証施設とは、日本医学放射線学会の画像診断管理認証制度によって認定された施設です*10。認証事項は被爆管理、MRI安全管理、全身MRIなど5つに分かれており、なかでも「全身MRIに関する事項」ではDWIBS(ドゥイブス)の基本であるDWI(拡散強調画像)を含む複数の撮像法が指針に基づいて行われていることなどが条件となっています(前立腺がんの骨転移探索を目的とする全身MRIのみが対象)。
経験豊富な医師が読影しているかどうか
DWIBS(ドゥイブス)は比較的新しい撮像法であることもあり、画像を読影する医師にはより専門的で高度な知識が必要です。熟練した医師が読影しているかどうか調べるときは、日本医学放射線学会認定の「放射線科専門医」が在籍しているかどうかチェックしましょう。
放射線科専門医は経験年数・研修・試験などいくつかの厳しい条件を満たした医師のみが持つ資格です*11。そのためDWIBS(ドゥイブス)画像についても専門知識に基づいた診断を行うことができます。
胸部CT検査や胃内視鏡(胃カメラ)検査などとの組み合わせが可能かどうか
DWIBS(ドゥイブス)は、肺や胃といった部位にはあまり適さないとされています。胸部CT検査や胃内視鏡(胃カメラ)検査、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など、部位に応じて異なる検査を併用することで、異常がより発見しやすくなります。DWIBS(ドゥイブス)とその他の検査を組み合わせて受けられるかなどを調べておくとよいでしょう。DWIBS(ドゥイブス)とのセットプランやオプションとして用意している医療施設もあります。
DWIBS(ドゥイブス)を受けられる医療施設
DWIBS(ドゥイブス)は、従来の全身がん検査の代表であるPET−CT検査のデメリットを補い、かつ受診者の負担も少ない検査と言えるため、国外でも取り扱う医療施設が増えています。日本国内のがんドックにおいては、高性能MRI装置によるDWIBS(ドゥイブス)とMRA検査(MRIによる脳血管検査)、マルチスライスCTなど、ほかの検査を組み合わせた全身ドックを実施している医療施設もあります。
DWIBS(ドゥイブス)が受けられる医療施設は、マーソ内の下記ページからご覧いただけます。
医療施設選びで迷っている方 全身MRI検査編
ドゥイブス(DWIBS)でよくある質問
DWIBS(ドゥイブス)で大腸がんはわかる?
ある程度大きくなった病変であればDWIBS(ドゥイブス)で見つけることが可能ですが、初期の小さな病変などは見つけにくい場合があります。
大腸がんの早期発見の観点では、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査が優れているといわれています。大腸カメラ検査に抵抗がある方は、カメラを入れず、下剤の量も少なくてすむ大腸CT検査を検討してもよいでしょう。
大腸カメラの費用や方法など、詳細は下記もご覧ください。
DWIBS(ドゥイブス)で胃がんはわかる?
大腸と同様に、がんがある程度大きくなっていればDWIBS(ドゥイブス)で見つけることができますが、初期の胃がんは見つけにくいとされています。
胃がんの早期発見が目的の場合は、胃内視鏡(胃カメラ)検査の受診がおすすめです。また、胃がんの主因であるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の検査を受けたことがない方は、胃がんリスク検査(ABC検査)や各ピロリ菌検査を検討するとよいでしょう。
胃カメラ検査の費用や方法は下記記事で解説しています。
胃がんリスク検査については下記をご覧ください。
DWIBS(ドゥイブス)で被曝することはある?
DWIBS(ドゥイブス)はMRI装置を用いる検査であり、放射線被曝はありません。また、原則的に食事制限や薬剤の投与等もないため、身体への負担が少ない検査と言えます。
なお、PET検査は放射線被曝がありますが、身体への影響は少ないとされています。詳しくは下記記事をご覧ください。
参考資料
*1.Taro Takahara(2004).Diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression (DWIBS): technical improvement using free breathing, STIR and high resolution 3D display. Radiat Med, 22(4):275-82
*2.国立国際医療研究センター PET-CTとは
*3.国立がん研究センターがん情報サービス PET検査とは
*4.名古屋市医師会健診センター DWIBSドック(全身がん検査)
*5.日本核医学会 PET核医学分科会編「FDG-PETがん検診ガイドライン 第3版」2019年
*6.藤田真理子ら「婦人科癌の全身検索における,DWIBS法の有用性」現代産婦人科 Vol.70 No.2 2021 年
*7.日本癌治療学会 学術抄録アーカイブサイト 第54回・2016年・横浜 高原太郎「全身拡散強調画像(DWIBS法)は他の画像診断と比較し、とくに経過観察で有用性が高い」
*8.日本医学放射線学会「〜2020年放射線関連改定ポイント〜」
*9.ドゥイブス・サーチ
*10.日本医学放射線学会 2024-2025年度画像診断管理認証施設一覧
*11.日本医学放射線学会 専門医資格