人間ドックには、基本検査項目のほかに、自由に追加できる「オプション検査」があります。オプション検査は、気になる部位や発症リスクが高いとされる疾患に関する部位を詳しく調べるための検査です。すべてのオプション検査を受診することは現実的ではありませんが、必要な検査を選択するため、あるいはオプション検査をどのように選んだらいいかわからない方のために、年齢や性別ごとによるオプション検査の選び方を紹介します。なお、健康診断のオプション検査については別記事で紹介していますので、受診内容に合わせてご覧ください。
★こんな人に読んでほしい!
・人間ドックを受診予定だが、オプション検査をつけたことがない方
・基本の人間ドックのオプション検査と、専門ドックとの違いがわからない方
・人間ドックのオプション検査の種類やおすすめの選び方が知りたい方
★この記事のポイント
・オプション検査とは、基本的な人間ドックに加えて特定の部位をより詳しく調べる検査
・オプション検査は、基礎検査項目だけでは発見できない疾患を見つけるためにある
・オプション検査は、年齢や性別、生活習慣、家族歴、自覚症状などで受けるべきものが変わる
・喫煙や飲酒習慣があり、食生活が乱れがちな男性は、30代からオプション検査を受けたほうがよい
・女性は、若くても乳がんや子宮頸がんのオプション検査を受けたほうがよい
オプション検査はどう選ぶ?
人間ドックのオプション検査とは、基本的な検査項目だけでは網羅できない疾患の有無やリスクを補完するために、疾患ごとに行う精度の高い検査のことです。病気の発症リスクは年齢・性別によって異なるため、個々人の背景(性別・年齢、生活環境、既往歴、家族歴など)や健康状態に応じてオプション検査を組み合わせることが、疾患の早期発見と不安の解消につながります。
オプション検査の基本的な選び方として、性別・年代別に検査したい部位と、該当部位のオプション検査を表にまとめました。なお、本稿では日本人間ドック・予防医療学会が定める基本検査項目内の「必須項目」を「基本検査項目」とします*1。
男性におすすめのオプション検査の選び方(年代ごと)
男性の場合、40歳を過ぎたらオプション検査を含めた人間ドックを定期的に受けることをおすすめします。生活習慣の乱れなどで身体の状態が気になる方や、遺伝などの気がかりがあり早期のうちに発症リスクを把握したい方などは、30代から気になる部位のオプション検査を検討しましょう。
30代男性におすすめのオプション検査
30代の男性におすすめしたいオプション検査の部位は、胃・大腸などです。過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、肝炎ウイルスの検査も受けておきましょう。ほか、人によっては動脈硬化のリスクを確認してもよいでしょう。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
大腸 | 便潜血検査 | 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など |
肝臓(肝炎) | 腹部超音波(エコー)検査 | HCV抗体(C型肝炎)、 HBs抗原(B型肝炎)など |
頭部(脳) | – | 脳ドック、頭部MRI/MRA検査、 頸動脈超音波(エコー)検査など |
心臓 | 心電図 | 心臓ドック、心臓MRI検査、 心臓超音波(エコー)検査など |
40歳未満の日本男性のがん死亡率で高いのは胃がんと大腸がんです*2。胃の検査を受けたことがない方は、まずは胃がんリスク検査(ABC検査)を検討するとよいでしょう。胃がんリスク検査は、胃がんの主因であるヘリコバクター・ピロリの感染の有無を調べる検査です。
また、過去に一度も肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、肝臓がんの原因となる肝炎ウイルスについての検査も受けておきましょう。人間ドックのオプションではC型肝炎の検査や、医療施設によってはB型肝炎の検査も受けられます。
生活習慣の乱れを自覚している方や肥満の方は、動脈硬化を原因とする脳血管疾患や心疾患に留意が必要です。動脈硬化のリスクは人間ドックの基本的な検査にある血液検査・眼底検査で推定できますが、より詳しく調べたい場合は脳ドックや心臓ドックも検討してみてください。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 / 肝炎ウイルス検査 / 脳ドック / 頭部MRI/MRA検査 / 頸動脈超音波(エコー)検査 / 心臓ドック / 心臓MRI検査 / 心臓超音波(エコー)検査
40代の男性におすすめのオプション検査
40代の男性におすすめしたいオプション検査の部位は、肺・胃・大腸・膵臓・肝臓・頭部(脳)・心臓などです。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
肺 | 胸部X線(レントゲン)検査 | 喀痰検査(喀痰細胞診)、胸部CT検査など |
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
大腸 | 便潜血検査 | 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など |
膵臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査、 MRCP(MR胆管膵管撮影)など |
肝臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査など |
頭部(脳) | – | 脳ドック、頭部MRI/MRA検査、 頸動脈超音波(エコー)検査など |
心臓 | 心電図 | 心臓ドック、心臓MRI検査、 心臓超音波(エコー)検査など |
40代男性のがんによる死亡率は、胃がん・大腸がんに加え、肺がん・膵臓がん・肝臓がんが上昇してきます*2。膵臓・肝臓等は人間ドックの基本的な検査に含まれる「腹部超音波(エコー)検査」で検査できますが、喫煙や飲酒習慣のある方、肥満体型の方は気がかりに応じてより詳細な検査を組み合わせるとよいでしょう。なお、MRCPとは胆道や膵管を調べるMRI検査のことです。
生活習慣の乱れに自覚がある方や肥満の方は、動脈硬化が懸念されます。血管の疾患は自覚症状がないまま進行します。頭部(脳)や心臓の状態を観察できる検査を検討しましょう。
膵臓がん、肝臓がんについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 / 腹部超音波(エコー)検査 / 上腹部MRI検査 / 上腹部CT検査 / MRCP / 脳ドック / 頭部MRI/MRA検査 / 頸動脈超音波(エコー)検査 / 心臓ドック / 心臓MRI検査 / 心臓超音波(エコー)検査
50代以上の男性におすすめのオプション検査
50代以上の男性におすすめしたいオプション検査の部位は、肺・胃・大腸・膵臓・肝臓・頭部(脳)・心臓・前立腺などです。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
肺 | 胸部X線(レントゲン)検査 | 喀痰検査(喀痰細胞診)、胸部CT検査など |
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
大腸 | 便潜血検査 | 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など |
膵臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査、 MRCP(MR胆管膵管撮影)など |
肝臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査など |
頭部(脳) | – | 脳ドック、頭部MRI/MRA検査、 頸動脈超音波(エコー)検査、 VSRAD®、MCIスクリーニング検査、 簡易脳機能検査など |
心臓 | 心電図 | 心臓ドック、心臓MRI検査、 心臓超音波(エコー)検査、 運動負荷心電図検査など |
前立腺 | – | PSA検査など |
全身 | – | PET検査、全身DWIBS(ドゥイブス)など |
50代以上はがん全般のほか、40代と比較し脳血管疾患(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞など)による死亡数が約3倍、心疾患(心筋梗塞、狭心症など)も約3倍となります*3。脳ドック・心臓ドックの定期的な受診が早期発見・予防につながります。60歳以降は認知症について簡易的に調べる検査を加えてもよいでしょう。
また、50代以降は前立腺がんの罹患率が高くなります*2。採血で調べられるPSA検査(腫瘍マーカー)も受けましょう。
全身がんスクリーニング検査を検討している場合、PET検査や全身DWIBS(ドゥイブス)などがあります。いずれの検査も全身すべての部位をすみずみまで調べられるわけではなく、不得意な部位があります。他の検査で補いながら活用するとよいでしょう。詳しくは下記をご覧ください。
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喀痰検査(喀痰細胞診) / 胸部CT検査 / 胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 / 上腹部MRI検査 / 上腹部CT検査 / MRCP / 脳ドック / 頭部MRI/MRA検査 / 頸動脈超音波(エコー)検査 / VSRAD® / MCIスクリーニング検査 / 心臓ドック / 心臓MRI検査 /心臓超音波(エコー)検査 / 運動負荷心電図検査 / PSA検査 / PET検査 / DWIBS(ドゥイブス)
女性におすすめのオプション検査の選び方(年代ごと)
日本人女性の子宮頸がん罹患率は20代前半から増え始めて30代後半にピークを迎え、乳がん罹患率は20代後半から増え始めて40代後半に最初のピークを迎えます*4,*5。そのため、どちらも若い世代からオプション検査を受けることをおすすめします。
20~30代の女性におすすめのオプション検査
20~30代の女性におすすめしたいオプション検査の部位は、子宮(子宮頸部)・乳房などです。子宮頸がんの検査は20代、乳がんの検査は30代から定期的に受けるようにしましょう。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
子宮周辺 | – | 子宮頸部細胞診、 経腟超音波(エコー)検査、HPV検査など |
乳房 | – | マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、 無痛MRI検診など |
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
肝臓(肝炎) | 腹部超音波(エコー)検査 | HCV抗体(C型肝炎)、 HBs抗原(B型肝炎)など |
乳がん発見のための検査は、一般的にマンモグラフィか乳腺超音波(エコー)検査が挙げられます。20~30代やデンスブレスト(高濃度乳房)など乳腺の密度が高い方は、乳腺超音波(エコー)検査がすすめられます。なお、近年注目されている無痛MRI検診(ドゥイブスサーチ)については、後述の「乳房のオプション検査」で解説します。
また、胃がんの検査を受けたことがない方は胃がんリスク検査(ABC検査)を、肝炎ウイルスについて調べたことがない方は肝炎ウイルス検査を受けましょう。いずれも血液検査で調べられます。
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子宮頸部細胞診 / 経腟超音波(エコー)検査 / HPV検査 / マンモグラフィ / 乳腺超音波(エコー)検査 / DWIBS(ドゥイブス) / 胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 肝炎ウイルス検査
40代の女性におすすめのオプション検査
40代の女性におすすめしたいオプション検査の部位は、子宮(頸部・体部)・乳房・胃・大腸・膵臓・骨密度などです。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
子宮周辺 | – | 子宮頸部細胞診、 経腟超音波(エコー)検査、HPV検査など |
乳房 | – | マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、 無痛MRI検診など |
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
大腸 | 便潜血検査 | 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など |
膵臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査、 MRCP(MR胆管膵管撮影)など |
その他 | – | 骨密度検査など |
女性は40代以降、子宮体がんと卵巣がんの罹患数が増加します*6,*7。早期発見の観点からも、40代から子宮体がんの検査や、卵巣を含む子宮周辺の疾患を調べることができる経腟超音波(エコー)検査の受診を検討しましょう。なお、子宮がんの検査は一般的に子宮頸がんの検査を指すことが多いため、プラン選びの際には子宮体がん検査が含まれるかどうかを必ず確認しましょう。子宮頸がん、乳がんの検査も定期的に受けてください。
ほか、胃がん・大腸がん・肺がんの罹患数も増加傾向となります*2。また、女性も50歳以降、膵臓がんによる死亡数が増加します*8。これらの早期発見を目指すには、40代から各部位の検査の受診を検討しましょう。
女性は閉経後の50代から急激に骨密度が低下し*9、年齢を重ねるほど骨粗鬆症(しょうしょう)のリスクが高まります。骨密度の変化を知るためには、骨量が変化しにくい40代前半までの骨密度を把握しておくとよいでしょう。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
子宮頸部細胞診 / 経腟超音波(エコー)検査 / HPV検査 / マンモグラフィ / 乳腺超音波(エコー)検査 / DWIBS(ドゥイブス) / 胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 / 上腹部MRI検査 / 上腹部CT検査 / MRCP / 骨密度検査
50代以上の女性におすすめのオプション検査
50代以上の女性におすすめしたいオプション検査の部位は、子宮(頸部・体部)・乳房・胃・大腸・肺・膵臓・肝臓・頭部(脳)・心臓などです。
部位 | 人間ドックの 基本検査項目に含まれる検査 | オプション等で受けられる 詳細な検査 |
---|---|---|
子宮周辺 | – | 子宮頸部細胞診、経腟超音波(エコー)検査、 HPV検査、子宮体部細胞診など |
乳房 | – | マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、 無痛MRI検診など |
肺 | 胸部X線(レントゲン)検査 | 喀痰検査(喀痰細胞診)、胸部CT検査など |
胃 | 胃X線(バリウム)検査 | 胃内視鏡(胃カメラ)検査、 胃がんリスク検査(ABC検査)など |
大腸 | 便潜血検査 | 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査など |
膵臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査、 MRCP(MR胆管膵管撮影)など |
肝臓 | 腹部超音波(エコー)検査 | 上腹部MRI検査、上腹部CT検査など |
頭部(脳) | – | 脳ドック、頭部MRI/MRA検査、 頸動脈超音波(エコー)検査、 VSRAD®、MCIスクリーニング検査、 簡易脳機能検査など |
心臓 | 心電図 | 心臓ドック、心臓MRI検査、 心臓超音波(エコー)検査、 運動負荷心電図検査など |
全身 | – | PET検査、全身DWIBS(ドゥイブス)など |
その他 | – | 骨密度検査など |
女性は50代で子宮体がん、卵巣がん罹患数のピークを迎え*6,*7、乳がん罹患数も40代以降高い数値で推移します*4。女性特有の疾患を網羅的に検査したい場合は、複数の検査がパッケージ化された婦人科検診やレディースドック等が、受診効率がよくおすすめです。
また、50代以上の女性は40代と比較し脳血管疾患(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞など)や心疾患(心筋梗塞、狭心症など)による死亡数が2倍以上になります*3。これは閉経によるホルモンバランスの変化との関連が示唆されています*10,*11。脳や心臓の検査の追加も検討しましょう。加えて、60歳以降は認知症について簡易的に調べる検査を検討してもよいでしょう。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
子宮頸部細胞診 / 経腟超音波(エコー)検査 / HPV検査 / マンモグラフィ / 乳腺超音波(エコー)検査 / DWIBS(ドゥイブス) / 喀痰検査(喀痰細胞診) / 胸部CT検査 / 胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 / 上腹部MRI検査 / 上腹部CT検査 / MRCP / 脳ドック / 頭部MRI/MRA検査 / 頸動脈超音波(エコー)検査 / VSRAD® / MCIスクリーニング検査 / 心臓ドック / 心臓MRI検査 / 心臓超音波(エコー)検査 / 運動負荷心電図検査 / PET検査 / 骨密度検査 / 婦人科検診 / レディースドック
遺伝リスクのある方(家族歴)
家族親族の誰かが特定の疾患にかかったことがあるといった遺伝リスクも、オプション検査を選ぶ上でのポイントのひとつです。家族に大腸がんにかかった方がいるなら大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を、肺がんにかかった方がいる場合は胸部CT検査を受けるなど、家族の既往歴(家族歴)に応じてカスタマイズしましょう。
遺伝リスクについてもっと知りたい方は、下記記事をご覧ください。
明確な症状ではないけれど、特定部位に不安がある方
頭痛が続く方は脳の検査、ときどき軽い腹痛が起こるといった方は胃や大腸の検査というように、気になる状態に合わせてオプション検査を選んでもかまいません。なんとなく気になる部位がある方は、予算に応じて検査を追加してもいいでしょう。オプション検査で病気の前兆が見つかることで、日々の飲酒量や喫煙量、食事内容などの生活習慣を見直すきっかけになります。なお、はっきりとした自覚症状がある方は、人間ドックやオプション検査ではなく、すみやかに診察を受けるようにしてください。
人間ドックのオプション検査とは?
人間ドックにおける「オプション検査」とは
人間ドックは、さまざまな検査で全身を調べ、病気の前兆となる異常を早期発見し、予防につなげる健康診断の一種です。一般的な健康診断だけでは見つけることの難しい、自覚症状に乏しい病気を発見することができます。
人間ドックの検査項目には、日本人間ドック・予防医療学会や日本病院会などの団体が推奨する基本検査項目(身体計測、生理検査、X線・超音波、生化学検査、血液学検査、血清学検査、尿検査、便検査、問診・診察、判定・指導)があります。
しかし、生活習慣や年齢、性別などによって発症しやすい疾患は異なります。基本検査項目だけでは網羅できない疾患の有無やリスクを補完するために、疾患ごとに精度の高い検査を受けられるのが「オプション検査」です。参考までに、日本人間ドック・予防医療学会では下記をオプション項目としています*1。
- 上部消化管内視鏡
- 乳房診察+マンモグラフィ
- 乳房診察+乳腺超音波
- 婦人科診察+子宮頸部細胞診
- PSA検査(おもに前立腺がんを調べる腫瘍マーカー)
- HCV抗体検査(C型肝炎ウイルスの感染を調べる検査)
各疾患や部位を詳細に調べる検査は、上記以外にも多くの種類があります。身体の状態や気がかりに応じて組み合わせていくとよいでしょう。
オプション検査は専門ドックと別物?
オプション検査の提供方法は医療施設によってさまざまです。おもに、下記のパターンがあります。
【基本的な人間ドックに、個別の検査として加える】
例)基本的な人間ドック+大腸内視鏡+PSA検査
【医療施設のプランにあらかじめ組み込まれている】
例)全身丸ごとプラン:基本的な人間ドック+頭部MRI/MRA検査+大腸内視鏡
例)レディースドック:基本的な人間ドック+マンモグラフィ+子宮頸部細胞診
【特定の部位に特化した専門ドックとして提供する】
例)脳ドック:頭部MRI/MRA検査+頸動脈超音波(エコー)検査
このように、医療施設によってプラン名や実施する検査が異なります。人間ドックのプランやオプションを選ぶときは、プラン名等にとらわれず、受けたい検査が含まれているかどうかを確認することが大切です。
オプション検査にはどんな種類がある?
頭部のオプション検査
頭部のオプション検査としては、いわゆる「脳ドック」が一般的です。脳ドックでは、頭部MRI/MRA検査をメインに、脳血管疾患のリスク要因となる疾患の有無や状態を見つけることができます。頭部MRIによる脳の断層写真の撮影、頭部MRAによる血管像の描出、頸動脈超音波(エコー)検査、簡易認知機能検査などがあります。頸動脈超音波(エコー)検査は、脳梗塞の原因となる頸動脈の状態を調べる検査です。
検査をすすめたい方 | ・40歳以上の方 ・生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症)の方、 あるいはそれらのリスクが高いと指摘されたことのある方 ・心筋梗塞、狭心症の持病のある方 ・脳血管疾患(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞など)の家族歴がある方 ・喫煙や過度の飲酒習慣がある方 ・頭痛が続いている方 |
見つけられる疾患 | ・脳血管疾患(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞などの脳卒中、 未破裂脳動脈瘤など) ・脳腫瘍 ・認知症(認知機能に関する検査が含まれている場合) など |
費用※ | 約2~5万円 |
検査時間※ | 約30分~3時間 |
若くても脳ドックを受けたほうがよいのか迷う方は、下記記事をご覧ください。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
脳ドック / 頭部MRI/MRA検査 / 頸動脈超音波(エコー)検査
心臓(循環器系)のオプション検査
心臓の疾患は突然死の引き金となるだけでなく、脳梗塞などの病気のリスク要因となります。はっきりした自覚症状がないまま進行することがあるため、早期発見が重要です。心臓のオプション検査には、心臓超音波(エコー)検査や心臓MRIといった画像検査、心電図検査、脂質代謝機能などの血液検査、血圧やBMI測定などのほか、心臓を取り囲む冠動脈や心臓そのものを調べる検査がパッケージになった心臓ドックがあります。
検査をすすめたい方 | ・50歳以上の方 ・生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症)の持病のある方 ・肥満の方 ・心臓病の家族歴がある方 ・喫煙や過度の飲酒習慣がある方 ・運動時に胸が痛む方、動悸がある方 |
見つけられる疾患 | ・狭心症 ・心筋梗塞 ・高血圧性心疾患 ・心筋疾患 ・心臓弁膜症 ・不整脈 ・動脈硬化 など |
費用※ | 約1~5万円 |
検査時間※ | 約2~3時間 |
心臓ドックについては、下記記事で詳しく解説しています。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
心臓超音波(エコー)検査 / 心臓MRI検査 / 心電図 / 心臓ドック
乳房のオプション検査
乳房のオプション検査は、おもに乳がんの有無を調べるための検査です。マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)検査、PEM検査(乳房専用PET)、無痛MRI検診(ドゥイブスサーチ)などが該当します。無痛MRI検診は圧迫板で乳房を挟まず着衣のまま受けられるため、「痛くない・恥ずかしくない」検査として近年注目されています。
厚生労働省の指針では、乳がん検診対象者は40歳以上の女性としていますが*12、近年乳がん罹患率は20代後半から増え始める傾向にあるため*4、乳房の検査は年齢を問わず受診することをおすすめします。
検査をすすめたい方 | ・女性(乳がん検診は40歳以上が対象となっているが、 若い方の発症例もあるので年齢を問わず) ・出産経験のない方 ・授乳経験のない方 ・肥満気味の方 ・乳がんの家族歴がある方 ・飲酒習慣がある方 ・胸にしこりのようなものがある方 |
見つけられる疾患 | ・乳がん ・乳腺症 ・乳腺嚢胞(のうほう) など |
費用※ | 約1~5万円 |
検査時間※ | 約15~30分 |
マンモグラフィでの乳房の圧迫、従来の乳がんの検査時における脱衣がどうしても気になる方は、無痛MRI検診を検討するとよいでしょう。
無痛MRI検診については下記で詳しく解説しています。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
マンモグラフィ / 乳腺超音波(エコー)検査 / DWIBS(ドゥイブス)
肺(呼吸器系)のオプション検査
呼吸器系疾患のオプション検査は、おもに肺がんの早期発見を目的にしています。肺がん検診や一部の健康診断、人間ドックの基本検査に含まれている胸部X線(レントゲン)検査では、心臓・肝臓・大血管の陰に隠れた部分にできたがんを見つけるのが難しい場合があるため、胸部CT検査、喀痰検査(喀痰細胞診)、腫瘍マーカー検査、肺機能検査などの複数の検査を組み合わせて調べていきます。
検査をすすめたい方 | ・喫煙者の方(とくに喫煙歴が長い方) ・同居者にヘビースモーカーがいる方 ・呼吸器系がんの家族歴がある方 ・咳や痰、動悸、胸痛などの症状が気になっている方 ・50歳以上の方 |
見つけられる疾患 | ・肺がん ・慢性閉塞性肺疾患(COPD) ・肺気腫 ・肺炎・気管支炎 など |
費用※ | 約1~2万円 |
検査時間※ | 約1時間 |
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
肺がん検診 / 胸部X線(レントゲン)検査 / 胸部CT検査 / 喀痰検査(喀痰細胞診) / 肺機能検査
膵臓のオプション検査
膵臓がんの検査としてまず行われることが多いのが腹部超音波(エコー)検査です。人間ドックでは腹部エコー検査は基本検査項目であり、肝臓・腎臓などの周辺臓器とまとめて観察することが多いです。より詳細な検査を行いたい場合は、造影CT検査、MRCP(MR胆管膵管撮影)などがあります。
検査をすすめたい方 | ・膵臓がんにかかった血縁者がいる方 ・糖尿病の方 ・肥満の方 ・膵炎や膵嚢胞(のうほう)を指摘されたことがある方 ・喫煙習慣がある方 |
見つけられる疾患 | ・膵臓がん ・膵炎 ・肝臓がん ・肝硬変 ・肝炎 ・脂肪肝 ・腎細胞がんなどの腎臓病 ・胆道がん ・胆石 ・胆嚢ポリープ ・脾腫 ・腹部大動脈瘤 ・胆嚢炎 など |
費用※ | 約1~3万円 |
検査時間※ | 約30分~1時間 |
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
腹部超音波(エコー)検査 / 上腹部CT検査 / MRCP
肝臓・腎臓のオプション検査
肝臓・腎臓のオプション検査には、腹部超音波(エコー)検査、上腹部の断層写真を撮影する上腹部MRI検査や上腹部CT検査、腫瘍マーカーなどが挙げられます。一般的な健康診断や人間ドックの基本検査項目に含まれている尿検査や血液検査と組み合わせることで、肝臓がん・膵臓がんの発見にもつながります。医療施設によっては、MRCP(MR胆管膵管撮影)などの検査で、肝臓と関わる胆のうや胆管、膵臓を調べることもあります。MRCPは、胆道や膵管を調べるMRI検査のことです。
検査をすすめたい方 | ・過度の飲酒習慣がある方 ・喫煙習慣がある方 ・生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症)の持病のある方 ・肥満の方 ・肝炎の既往歴がある方 ・肝臓病や腎臓病の家族歴がある方 |
見つけられる疾患 | ・肝臓がん ・肝硬変 ・肝炎 ・腎細胞がんなどの腎臓病 ・膵臓がん ・胆石 など |
費用※ | 約1~3万円 |
検査時間※ | 約30分~1時間 |
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
腹部超音波(エコー)検査 / 上腹部MRI検査 / 上腹部CT検査 / MRCP
胃のオプション検査
胃のオプション検査には胃内視鏡(胃カメラ)検査や胃がんリスク検査(ABC検査)があります。胃カメラ検査では、胃の疾患(おもに胃がん・胃ポリープ)や食道がんの早期発見を目指します。医療施設によっては、追加料金を支払うことで、人間ドックの基本検査項目に含まれている胃X線(バリウム)検査を胃カメラ検査に変更できることがあります。
胃がんリスク検査(ABC検査)は、胃がんの主因であるピロリ菌の検査とペプシノゲン検査を組み合わせた血液検査です。胃がんの将来的な発症リスクを調べることができます。
検査をすすめたい方 | ・過度の飲酒習慣がある方 ・食生活が不規則な方 ・胃に違和感・不快感のある方 ・消化器系のがんの家族歴がある方 ・40歳以上でまだ胃の検査を受けたことがない方 |
見つけられる疾患 | ・胃がん ・食道がん ・食道炎 ・胃ポリープ ・胃潰瘍 ・十二指腸潰瘍 など |
費用※ | 約1~4万円 |
検査時間※ | 約10分~2時間 |
ピロリ菌検査、胃がんリスク検査(ABC検査)について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
胃内視鏡(胃カメラ)検査 / 胃がんリスク検査(ABC検査) / 胃X線(バリウム)検査
大腸のオプション検査
大腸のオプション検査には、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査や大腸CT検査などがあります。直接大腸内を調べて、おもに大腸がんの早期発見を目的としています。大腸がん検診や一般的な健康診断、人間ドックの基本検査項目に含まれている大腸の検査は便潜血検査です。便潜血検査で陽性となった場合、精密検査として大腸カメラ検査を受けることになります。
検査をすすめたい方 | ・過度の飲酒習慣がある方 ・過度の飲酒習慣がある方 ・下痢や便秘を繰り返している方 ・腹痛や腹部膨満感が気になっている方 ・慢性的な痔がある、痔のような症状がある方 ・消化器系のがんの家族歴がある方 ・40歳以上でまだ大腸の検査を受けたことがない方 ・血便が認められる方 |
見つけられる疾患 | ・大腸がん ・大腸ポリープ ・潰瘍性大腸炎 など |
費用※ | 約2~3万円 |
検査時間※ | 約30分~1時間 |
大腸内視鏡検査についてもっと詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
★登場した検査を実施している医療施設を見てみる
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査
子宮・卵巣のオプション検査
女性特有の疾患を発見するために受けておきたいのが、子宮頸部細胞診(子宮頸部から細胞を採取し、子宮頸がんを調べる検査)、経腟超音波(エコー)検査(子宮筋腫・卵巣嚢腫などの有無を見る検査)、HPV検査(子宮頸部の細胞を採取し、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスに感染しているかを調べる検査)などです。50代以降は子宮体部細胞診の追加も検討しましょう。医療施設によっては、これらの検査がセットになった婦人科検診や、基本的な人間ドックと婦人科検診がセットになったレディースドックとして提供している場合があります。
検査をすすめたい方 | ・すべての年代の成人女性 ・生理不順の方 ・不正出血・月経困難・下腹部痛などがある方 ・婦人科系のがんの家族歴がある方 |
見つけられる疾患 | ・子宮頸がん ・子宮体がん ・卵巣嚢腫 ・卵巣がん ・子宮筋腫 ・子宮内膜症 など |
費用※ | 約5,000~2万円 |
検査時間※ | 約10~15分 |
婦人科検診については、下記記事で詳しく解説しています。
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子宮頸部細胞診 / 経腟超音波(エコー)検査 / HPV検査 / 婦人科検診 / レディースドック
前立腺のオプション検査
前立腺がんは男性の部位別がん罹患数の1位です*13。前立腺がんのオプション検査の筆頭はPSA検査という腫瘍マーカーです。PSA検査を主体とした前立腺がん検診について、日本泌尿器科学会は、自治体が行うがん検診では50歳以上、人間ドックでは40歳以上の男性への実施を推奨しています*14。厚生労働省の指針では、自治体が実施するがん検診に前立腺がん検診は含まれていません。しかし、国立がん研究センターによると、前立腺がん検診は全国で8割程度の自治体で実施されています*15。また、多くの健康保険組合の健康診断において、50歳以上の男性を対象にもともと組み込まれているか、オプション検査として用意されています。
検査をすすめたい方 | ・40歳以上の男性 ・下腹部の圧迫感や頻尿が気になっている方 ・尿が出にくいと感じる方 ・ヘビースモーカー ・飲酒習慣がある方 ・前立腺がんの家族歴がある方 |
見つけられる疾患 | ・前立腺がん ・前立腺肥大症 など |
費用※ | 約3,000~2万円 |
検査時間※ | 約30分 |
PSA検査は採血で測定できるため簡便で、精度が高いことで知られています。詳しくは下記記事もご覧ください。
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PSA検査
人間ドックのオプション検査でよくある質問
人間ドックのオプション検査が不要なケースはある?
人間ドックのオプション検査には、血液検査や超音波(エコー)検査など身体的負担がほとんどない検査もあれば、身体の内部に直接カメラを入れる内視鏡検査や、X線による検査(レントゲン・CT等)わずかながら医療被曝をともなうものなど、身体に負担がかかる検査もあります。そのため、個々の健康状態、性別と年齢、家族歴、生活習慣などを総合的に勘案し、各検査の要不要を選んでいくことが大切です。
オプションが不要な方の一例としては、性交渉未経験の方は子宮頸がんの発生リスクが極めて低いため、子宮頸がん検診を受ける必要性は示されていないとされています*16。
人間ドックの腫瘍マーカーは受ける必要がある?
腫瘍マーカー検査とは、がん細胞が発生する特定の物質からがんを推定する検査で、血液検査や尿検査で調べます。腫瘍マーカーは、がんの種類や臓器によってさまざまな種類があり、値の高低で体内のがんの量を推定しますが、がんがなくても高値になったり、がんがあっても値が低い場合もあるため、がんの早期発見には必ずしも有用ではないとされています*17。
しかし、前立腺がんの腫瘍マーカー「PSA」については早期発見の有用性が高いとされ、日本泌尿器学会では自治体が行うがん検診では50歳以上、人間ドックでは40歳以上の男性に対しPSAによる検診を推奨しています*14。また、PSA以外の腫瘍マーカーにおいても、検査をきっかけにがんが見つかったケースもあります*18。腫瘍マーカーはあくまで補助的な検査であり、種類によって検査精度が異なるといった特徴を理解したうえで選択することが望ましいでしょう。
腫瘍マーカーの種類や有用性などについては下記記事で詳しく解説しています。
人間ドックのオプション検査は医療費控除の対象になる?
人間ドックは、オプション検査も含め医療費控除の対象にはなりません*19。ただし、人間ドックの受診をきっかけに重大な病気が見つかり、引き続き治療を受けた場合などは、医療費控除の対象となることがあります。
医療費控除について、詳しくは下記記事をご覧ください。
参考資料
*1.日本人間ドック・予防医療学会 基本検査項目/判定区分
*2.がん研究振興財団「がんの統計2024」
*3.厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」第7表
*4.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 子宮頸部
*5.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 乳房
*6.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 子宮体部
*7.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 卵巣
*8.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 膵臓
*9.日本骨粗鬆症学会等「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」
*10.日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
*11.日本女性心身医学会 女性の病気について
*12.厚生労働省 がん検診
*13.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 最新がん統計
*14.日本泌尿器科学会「前立腺がん検診ガイドライン 2018年版」
*15.国立がん研究センター がん情報サービス がん統計 がん検診に関する統計データのダウンロード
*16.国立がん研究センター がん情報サービス 子宮頸がん検診について
*17.国立がん研究センター がん情報サービス 腫瘍マーカー検査とは
*18.吉永英世ほか「総合健診における腫瘍マーカー(CEA)について」健康医学 第3巻1号 1988年
*19.国税庁 タックスアンサー No.1122 医療費控除の対象となる医療費